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2022.02.18
国税局の査察調査と税務署の税務調査の違いとは?

税金に関する調査は、事業を営んでいる納税者なら、誰でも受ける可能性があると言われています。しかし、実際には国税局が行う「査察調査」や税務署が行う「税務調査」などの種類があり、それぞれ異なる調査の側面があるのも事実です。
そこで、ここでは国税局の査察調査と税務署の税務調査は何が違うのかについて、わかりやすく紹介しています。
そのため、税務調査で調査に訪れる職員は税務署の職員となり、査察調査で訪れる職員は国税局の査察官となります。
基本的に、税務調査は適正な申告や納税ができているか、間違っていた場合には指摘や指導をしていく、という目的で行われるものです。会社やフリーランスなど、事業を営んでいる法人、個人事業主すべてが調査の対象となります。
一方で、査察調査は悪質かつ多額の脱税行為が疑われる場合に、犯罪の証拠を押さえる目的で行われるという違いがあるのです。
事前連絡は調査日の1週間ほど前くらいに電話などで受けるのが一般的で、調査日についても、正当な理由があれば延長や変更なども可能です。
調査当日は税務署から調査官が派遣されます。「帳簿を見せてもらえますか」「銀行の入出金履歴を確認してもいいですか」など、調査の説明や確認も同意を取りながら進められるでしょう。
ただし、任意調査とはいえ、調査の実施については拒否することはできません。納税者には「受忍義務」と呼ばれる義務があり、税務調査の依頼があれば、協力しなければならないと法律で定められているからです。
帳簿やパソコンのデータなども、確認してよいか同意を求められるため、見せたくなければ拒否することが可能です。しかし、ケースによっては調査を妨害しているとみなされ、ペナルティの対象とされる可能性もあるため注意が必要となります。
税務調査にかかる期間は二日から数日程度となり、調査完了後は税務署から指摘された箇所について修正申告を行えば、税務調査は終了です。
調査の手は本社や事務所のみならず、工場や支店、店舗、共謀の疑いがある取引先、社長の自宅などにもおよび、証拠隠しや逃亡を防ぐため、同じタイミングで一斉に調査が行われます。
テレビや映画、ニュースなどで、スーツを着た大勢の査察官が一斉に乗り込み、大量の書類が入った段ボールや金庫などを押収していくシーンなどを目にすることがあります。こうした映像は、税務調査ではなく査察調査で見られる光景です。
各種帳簿やファイルなどは同意なく押収され、パソコンごと持ち出される場合もあります。調査にかかる期間は短い場合でも数ヵ月を要し、長い場合は1年以上におよぶことも少なくありません。
調査完了後は、多くの場合脱税に関して刑事告発され、懲役や罰金などの刑事罰に処される可能性があるのも、税務調査と大きく異なる点であるといえるでしょう。
計上ミスや勘違い、申告漏れなどを意図的に操作したり、悪意を持ってごまかしたりしているのではないか、といった疑いを持たれることもあるでしょう。そうした場合でも、事実でなければ毅然と対応することが大切です。 攻撃的な態度を取るのではなく、事実に基づいた主張をする、という姿勢で対応します。調査で追及されて怯えたり、緊張してしまったりして何でも認めてしまう、または曖昧な返事をする、といった対応は避けましょう。
調査段階では、事前に証拠を掴んでいるケースも多いですが、悪質性が高い可能性があるかどうかを探りながら調査している場合もあります。
脱税しているといえるか微妙なラインや、修正が必要な申告の額について、実際よりも多く見積もられているなら、正当な主張をして交渉が必要となるでしょう。
税務調査や査察調査の対応実績がある税理士事務所なら、調査への同席や意見書の提出など、税務署や国税局への対応に心強いサポートを受けることができるでしょう。
調査の対応に不安がある場合には、国税局や税務署との交渉に強い税理士へ相談しながら進めていくとよいでしょう。
そこで、ここでは国税局の査察調査と税務署の税務調査は何が違うのかについて、わかりやすく紹介しています。
目次
ここが違う!査察調査と税務調査
査察調査と税務調査では、以下のような点が異なります。査察調査は国税局、税務調査は税務署の管轄
税務調査は、事業者を管轄している各税務署から行われますが、査察調査は国税局の管轄です。そのため、税務調査で調査に訪れる職員は税務署の職員となり、査察調査で訪れる職員は国税局の査察官となります。
査察調査と税務調査は基づく法律も異なる
査察調査と税務調査は、基づく法律もそれぞれ異なります。税務調査は国税通則法に則って手続きが取られることとなり、査察調査は国税犯則取締法を基にして行われます。 2つの法律の名称を比較するだけでも、税務調査と査察調査が違った目的で行われていることがわかるのではないでしょうか。基本的に、税務調査は適正な申告や納税ができているか、間違っていた場合には指摘や指導をしていく、という目的で行われるものです。会社やフリーランスなど、事業を営んでいる法人、個人事業主すべてが調査の対象となります。
一方で、査察調査は悪質かつ多額の脱税行為が疑われる場合に、犯罪の証拠を押さえる目的で行われるという違いがあるのです。
流れで比較!査察調査と税務調査の違い
査察調査と税務調査は、調査の流れにも以下のような違いがあります。税務調査の流れ
税務調査でもっとも多く行われるのは「任意調査」と呼ばれるものです。任意調査では、ある日税務署から「〇月〇日に税務調査で訪問したい」という連絡が事前に入ります。事前連絡は調査日の1週間ほど前くらいに電話などで受けるのが一般的で、調査日についても、正当な理由があれば延長や変更なども可能です。
調査当日は税務署から調査官が派遣されます。「帳簿を見せてもらえますか」「銀行の入出金履歴を確認してもいいですか」など、調査の説明や確認も同意を取りながら進められるでしょう。
ただし、任意調査とはいえ、調査の実施については拒否することはできません。納税者には「受忍義務」と呼ばれる義務があり、税務調査の依頼があれば、協力しなければならないと法律で定められているからです。
帳簿やパソコンのデータなども、確認してよいか同意を求められるため、見せたくなければ拒否することが可能です。しかし、ケースによっては調査を妨害しているとみなされ、ペナルティの対象とされる可能性もあるため注意が必要となります。
税務調査にかかる期間は二日から数日程度となり、調査完了後は税務署から指摘された箇所について修正申告を行えば、税務調査は終了です。
査察調査の流れ
査察調査は、上記で説明した税務調査とは異なり、何の前触れもなくある日突然査察官が乗り込んできます。査察調査は犯罪の証拠を押収したり、脱税の疑いがある事業者の逃亡を阻止したりする目的を持つ、強制的な調査となるからです。調査の手は本社や事務所のみならず、工場や支店、店舗、共謀の疑いがある取引先、社長の自宅などにもおよび、証拠隠しや逃亡を防ぐため、同じタイミングで一斉に調査が行われます。
テレビや映画、ニュースなどで、スーツを着た大勢の査察官が一斉に乗り込み、大量の書類が入った段ボールや金庫などを押収していくシーンなどを目にすることがあります。こうした映像は、税務調査ではなく査察調査で見られる光景です。
各種帳簿やファイルなどは同意なく押収され、パソコンごと持ち出される場合もあります。調査にかかる期間は短い場合でも数ヵ月を要し、長い場合は1年以上におよぶことも少なくありません。
調査完了後は、多くの場合脱税に関して刑事告発され、懲役や罰金などの刑事罰に処される可能性があるのも、税務調査と大きく異なる点であるといえるでしょう。
税務調査と査察調査での対処法はどう違う?
税務調査と査察調査は、それぞれ異なる点があるものの、基本的な対処法は以下の通りとなります。調査には協力しても、毅然とした対応を
税務調査も査察調査も、調査を妨害しているとみなされる行為はペナルティの対象となってしまうため、調査中は協力しなければなりません。しかし、調査官や査察官の追及や指摘について、何でも認めなければならないわけではありません。計上ミスや勘違い、申告漏れなどを意図的に操作したり、悪意を持ってごまかしたりしているのではないか、といった疑いを持たれることもあるでしょう。そうした場合でも、事実でなければ毅然と対応することが大切です。 攻撃的な態度を取るのではなく、事実に基づいた主張をする、という姿勢で対応します。調査で追及されて怯えたり、緊張してしまったりして何でも認めてしまう、または曖昧な返事をする、といった対応は避けましょう。
調査段階では、事前に証拠を掴んでいるケースも多いですが、悪質性が高い可能性があるかどうかを探りながら調査している場合もあります。
脱税しているといえるか微妙なラインや、修正が必要な申告の額について、実際よりも多く見積もられているなら、正当な主張をして交渉が必要となるでしょう。
対応に不安がある場合は税理士へ相談しよう
「調査中にしっかりと対応できる自信がない」「何を認めてよいのかわからない」など、査察調査や税務調査に不安がある場合は、税金の専門家である税理士へ相談することをおすすめします。税務調査や査察調査の対応実績がある税理士事務所なら、調査への同席や意見書の提出など、税務署や国税局への対応に心強いサポートを受けることができるでしょう。
まとめ
国税局の査察調査と税務署の税務調査は、管轄や法律、調査方法など、異なる点が多くあります。基本的に、どちらの調査も拒否することはできませんが、事実と違う疑いをかけられた場合には、毅然とした対応が必要です。調査の対応に不安がある場合には、国税局や税務署との交渉に強い税理士へ相談しながら進めていくとよいでしょう。
