BLOG

無申告 税務調査 2021.07.15

国税庁が狙いやすい税務調査の対象先はどんなところ?

国税庁が実施している税務調査は、株式会社などの法人から個人事業主まで、すべての事業者を対象に毎年一定の件数が実施されています。どんな業種に就いていたとしても、営業を続けていれば税務調査の対象となる可能性はありますが、対象にされやすい業種があるのも事実です。
ここでは、国税庁が税務調査の対象としやすい業種について、ランキング形式でご紹介しています。なぜ狙われやすいのかについての理由も解説していますので、税務調査についての理解を深める際に役立ててみてください。

国税庁が税務調査の対象として選ぶ業種の特徴

国税庁では、税務調査の対象として力を入れている業種の特徴について、統計データの中でもいくつか例を挙げて公開しています。そうした業種の中には、以下のような特徴を持つ事業者が多いです。

現金取引が多い業種

納品や請求時に振込や手形といった形式を取らず、現金取引を多く採用している業種は、収支を記帳する際に履歴が残りにくく、改ざんもしやすいものです。そのため、国税庁から税務調査の対象として狙われやすくなります。
売上や仕入に限らず、日払いや即日払いなど、人件費を現金手渡しなどにしている業種も含まれるでしょう。

深夜営業が多い業種

夜間や深夜に営業している店舗や業種は、日中に営業している業種に比べると、営業時間や休業日数、勤務しているスタッフの人数などをごまかしやすいといえます。
掃除や棚卸しで休業していると見せかけて営業していたり、闇取引の温床として悪用されていたりする可能性も考えられるため、夜間や深夜営業の業種も調査対象にされやすいでしょう。

海外取引が多い業種

貿易取引や海外投資、外国料理や外国雑貨店など、海外との取引が多く発生する業種も、国税庁からマークされやすくなっています。
海外からの請求や海外送金といった取引は、基本的に消費税の課税対象となりません。そのため、消費税の納付逃れを目的としていないか、厳しくチェックされやすいのです。
特に消費税の納付義務が発生する売上1,000万円以上に近い事業者は、より狙われやすくなるでしょう。
また、経営者が外国籍で来日して間もないなどの場合、日本国内の税法に関して、正しい理解がないまま取引を続けている可能性が疑われるケースも考えられます。

アナログな会計処理を行っている業種

記帳や会計管理を手書きの帳面で行っていたり、申告書類や資料に手書きのものが多く含まれていたりする場合、業種を問わず狙われる場合もあります。
経営者や従業員の高齢化が進んでいる業種や、昔ながらの個人商店などに多く見られるケースで、顧問税理士をつけずに申告を続けている場合は注意が必要です。
法人税や所得税、相続税など、税法についてはこまめに改定が行われています。新しい税法や申告時の規定などに関する知識が古いと、間違った申告をしている可能性があるため、是正や指導の目的で税務調査対象となる場合があるでしょう。

比較的新しいビジネスに関わる業種

昔ながらの業種とは逆に、近年台頭してきた新しいビジネスモデルに関わる業種も、税務調査対象として狙われやすくなっています。
具体的には、民泊や業務委託のフードデリバリーなど、いわゆるシェアリングエコノミー事業に関わる業種や、暗号資産(仮想通過)、海外不動産投資といった事業が挙げられます。情熱をかけて正しくビジネスを行っている事業者がいる一方で、法の目をくぐった取引も横行しやすくなっているからです。
また、こうした新興事業は、開業や起業して間もないうちに急激に売上が伸びるケースも多くなります。税務調査による指摘で修正対象となる課税金額が大きくなる可能性が高い場合、国税庁も税務調査対象として力を入れやすくなるでしょう。

税務調査の対象となりやすい業種ランキング

上記をふまえたうえで、国税庁が発表している平成30年の統計から、不正が発覚した割合の高い業種をランキング形式で以下に紹介していきます。

1位:バー・クラブ

バーやクラブといった深夜に酒を提供する業種では、実に7割以上で申告の不正が発覚しています。こうした過去のデータがあるからこそ、国税庁でも力を入れて調査を続ける理由となっているのです。
もちろん、意図的に不正を行っていなくても、どんぶり勘定や入れ替わりの激しい従業員の給与管理漏れなど、単純なミスによる可能性も考えられるでしょう。

2位:外国料理店

外国料理店でも、半数近い割合で過去に不正が発覚しています。
外国料理店では海外取引の多さや、外国籍の経営者の知識不足といった点が挙げられます。

3位:大衆酒場・小料理屋

大衆酒場や小料理屋といった業種でも、ほぼ変わらない割合で不正が見つかっていることがわかっています。
大衆酒場や小料理屋では、「これくらいならバレないだろう」といった意識が働き、些細な不正が積み重なっているケースもあるでしょう。

4位:その他飲食店

その他飲食店でも、不正発覚の割合は4割を超えています。営業している件数の多さもありますが、飲食店全般に関わりのある事業者は注意した方がよいでしょう。

5位:自動車修理工場

自動車修理では、3割近くで不正が発覚しています。自動車修理では車という資産があるため、伝票を抜いてもお客様からの振込履歴などの後が残りやすい業種のため、調査対象とされやすいケースも多いでしょう

6位:土木建築業者

土木建築関連の事業でも、3割近い不正が見つかっています。土木建築事業では日雇いや請負場所がバラバラであるなど、人件費や取引先に関する点などに注意が必要です。
なお、7~10位は以下の通りです。
7位:パチンコ業
8位:職別土木建築工事
9位:一般土木建築工事
10位:管工事

1件あたりの不正額が大きい業種も要注意

輸入業や機械製造、レンタル業や再生資源に関わる業種などが、1件あたりの不正額が大きな業種として挙げられています。
上記ランキングに入らない業種でも、1件あたりの不正額が多額となる業種は、国税庁からマークされやすくなるでしょう。
参考サイト:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要

まとめ

国税庁では、過去の統計データから、不正が発覚しやすい業種や不正額が多額となりがちな業種を絞り、調査体制を強化しています。「これくらいはバレないだろう」「うちはちゃんとやっているから」と過信せず、心当たりがある場合は、しっかりとアドバイスが受けられる税理士へ、問題がないか1度相談してみることをおすすめします。