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無申告 税務調査 2021.07.26

ウーバー(Uber)配達員が税務調査に狙われる!?国税当局が情報提供を求め始めたわけ

ウーバー(Uber)イーツの普及によって、配達員として働く人が増えてきています。2021年6月に、東京国税局がウーバージャパンに対して、配達員へ支払っている報酬などの情報提供を求めたニュースが新聞各社を賑わせました。国税当局は、ウーバー(Uber)イーツの配達員へ税務調査を始めようとしているのでしょうか。

ウーバー(Uber)イーツの配達員に税務調査はやって来るのか?

ウーバー(Uber)イーツで配達員をしている人に、税務調査がやって来る可能性はそもそもあるのでしょうか。

確定申告の必要がある人には誰でも税務調査の可能性がある

国税庁が税務調査の対象としているのは、株式会社などの法人を経営している事業者か、フリーランス・個人事業主など、個人で事業を営んでいる人が挙げられます。
また、それ以外にも相続や所有している不動産の売買・賃貸収入など、雇用されていることで得る給与以外の収入があり、確定申告の必要がある人も、税務調査の対象となります。
確定申告はもちろん、所得税や法人税、相続税や固定資産税など、何らかの申告が必要な人なら、誰でも税務調査の対象となる可能性があるのです。

ウーバー(Uber)の配達員は個人事業主?

ウーバー(Uber)で配達員の仕事をしている人は、配達の収入だけで生活している人もいる一方で、副業やアルバイト感覚で、別の本業を持ちながら働いている人も多いでしょう。
ウーバー(Uber)では、配達員との契約関係は業務委託であり、配達員に支払われるのは給与ではなく報酬と位置付けています。ウーバー(Uber)イーツの配達員を個人事業主として配達業務を委託し、その業務に対する報酬を支払うという形がとられているのです。
つまり、ウーバー(Uber)イーツの配達員をしている本人がアルバイト感覚であったとしても、厳密には個人事業主として事業所得を得ていることになります。

報酬と給与の違いって?

給与と報酬のもっとも大きな違いは「雇用契約の有無」にあります。報酬とは、労働などの業務を提供し、その対価として得た収入のことです。給与も広い意味では報酬ととらえることができますが、給与は支払う側と受け取る側の間に雇用契約が結ばれている場合に発生します。
ウーバー(Uber)と配達員の間には雇用契約は結ばれておらず、配達業務を個人へ委託する形をとっているため、給与ではなく報酬となるのです。ウーバー(Uber)に限らず、雇用契約によらない何らかの報酬を得ている人は、どこかの会社に雇用されていたとしても、一定以上の収入があれば確定申告が必要となります。
ウーバー(Uber)の配達員を本業としているか、またはフリーランスとして別の本業を持ち、副業として配達員をしている場合は、毎年の確定申告は必ず必要となるものです。
こうしたことから、ウーバー(Uber)配達員のもとへ税務調査がやって来る可能性があるかないかといえば「ある」と結論付けることができるでしょう。
とはいえ、ウーバー(Uber)配達員全員に税務調査がすぐにやって来るわけではありません。ウーバー(Uber)イーツの配達員をしている人が税務調査の対象となるのは、どのようなケースなのでしょうか。

ウーバー(Uber)配達員が税務調査の対象となりやすいケース

ウーバー(Uber)で配達員をしている人のもとへ税務調査がやってくる可能性が高まるケースには、以下のようなものが挙げられるでしょう。

確定申告の必要があるのに無申告を続けている

ウーバー(Uber)イーツの配達員として報酬を得ており、上記で挙げたような確定申告の必要がある条件にあてはまっているにも関わらず、無申告状態となっているケースです。
ウーバー(Uber)に限らず、まず無申告状態を続けているというだけで、個人であっても税務調査の対象となる可能性があることは、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
国税庁では、無申告を続けている人の情報を独自のルートで見つけることが可能です。第三者からの密告や、取引のある得意先へ税務調査が入って無申告が発覚するケースなども少なくありません。
無申告状態から税務調査の対象となった場合、重い追徴課税の対象となる可能性も高まります。自分は確定申告の必要があるのか判断がつかない場合には、一度税理士などの専門家へ相談してみるとよいでしょう。

ウーバー(Uber)配達員として多額の報酬を得ている

国税庁では、ウーバー(Uber)イーツの配達員を含むシェアリングエコノミー事業に対して、税務調査を拡大強化していく方針を打ち出しています。今回のウーバージャパンへの報酬情報提供依頼も、その一環であると考えられるでしょう。
いってみれば、ウーバー(Uber)配達員は国税当局から目を付けられやすい職業の1つとみなされているともいえます。
ウーバー(Uber)イーツの配達員を本業として多額の報酬を得ている場合はもちろん、副業として一定以上の収入を得ている人も、適切な申告ができているかチェックしましょう。

ウーバー(Uber)以外の事業で調査対象となるケースも

ウーバー(Uber)配達員として得ている報酬がわずかでも、本業や副業の業種によっては、別の角度から調査対象となるケースも考えられます。
民泊など別のシェアリングエコノミーを本業としている、暗号資産(仮想通貨)投資や海外取引、現金による売買といった取引も、税務調査の対象となりやすいものです。
このほかにも、消費税の納税義務がある事業者や過去に税務調査の対象となった経験を持つ人など、さまざまなケースが考えられます。
申告や納税状況について、確認や指導が必要とみなされれば、配達員としての報酬がわずかであっても調査対象となる可能性があるでしょう。

まとめ

国税当局がウーバー(Uber)へ配達員の報酬情報を提供するよう求めた事実は、国税当局がシェアリングエコノミー事業に対して管理を強化しようとしている動きの一環ととらえることができます。配達員をしているというだけで必ず調査対象となるわけではありませんし、正しく申告を行なっていれば、税務調査自体は必要以上に怖れるものではありません。不安なら税理士などの専門家からアドバイスを受けるなどして、2021年の確定申告は正しい申告を行なうことをお勧めします。