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期限後申告 無申告 税務調査 2023.02.14

無申告に時効はあるの?無申告者に対する税務署の調査状況

確定申告の必要があるにも関わらず、確定申告を行っていないことを無申告といいます。確定申告の方法が分からなかったために無申告を続けてしまった場合であっても、無申告状態が税務署にバレれば、ペナルティを科せられることになります。確定申告は義務であり、確定申告を怠った場合は、罪に問われる可能性があります。
では、無申告の場合も他の犯罪のように時効があるのでしょうか。
今回は、無申告の時効と無申告者に対する税務署の対応状況についてご説明します。


無申告に対するペナルティとは

無申告者に対しては、次のようなペナルティが科せられます。


自主的に期限後申告をした場合

税務調査に入られる前に、自主的に期限後申告をした場合は、無申告加算税が課されます。無申告加算税は、本来納めるべき税額の5%です。つまり、100万円の納税の必要があった場合は、105万円の納税が必要になります。
ここで納税をした税金も経費になると考えている方もいらっしゃいますが、所得税や法人税は経費になりません。


税務調査後に期限後申告をした場合

税務調査時に指摘を受け、無申告がバレた場合は同じ期限後申告でも、課せられる無申告加算税の割合が異なります。
無申告が意図的ではないと判断された場合は、税額が50万円までの分に関しては本来納めるべき税額の15%、税額が50万円を超える部分に関しては本来納めるべき税額の20%の無申告加算税の納付が求められます。100万円の納税が必要だった場合は、117万5,000円を納めなければならなくなるのです。
また、意図的に申告しなかったと認定された場合は、無申告加算税ではなく、より税率が高い重加算税が課せられます。重加算税は、本来納めるべき税額の40%です。100万円の納税が必要だった場合は140万円の納税が必要になるのです。


無申告に時効はある?

実は、無申告にも時効があります。所得税や法人税の無申告の時効は、法定申告期限から5年です。
ただし、悪質性が高いと判断された場合は7年間分の未納付分の税金と重加算税を支払わなければなりません。 つまり、税務調査によって無申告が発覚した場合は、5年分または7年分の税金と加算税を支払わなければならないのです。年間100万円の納税義務があった場合、5年間の納税額の合計は500万円です。そして、5年分の無申告加算税は97万5,000円となり、合計で597万5,000円の納税が求められるのです。追徴課税は、原則として一括納付が求められます。この場合は、597万5,000円を一括で支払わなければならなくなるのです。


無申告者に対する税務署の取り組み

税務署では無申告者に対して積極的な調査を実施しています。なぜなら、日本では申告納税制度が取られており、多くの納税者は自発的に適正な納税を行っているため、無申告者が税金を納付しない状態が続けば、非常に不公平な状態を作り出してしまうからです。


個人の無申告者を対象とした税務調査

令和3事務年度においては、所得税の無申告者に対して3,828件もの税務調査が行われています。1件当たりの申告漏れ所得金額は2,923万円であり、1件当たりの追徴税額は過去最高の497万円となっています。申告漏れ所得金額の総額は1,119億円、追徴税額の総額は190億円にも上ります。
また、消費税の無申告者に対する税務調査は、令和3事務年度において5,257件実施されています。1件当たりの消費税の追徴税額は245万円、追徴税額の総額は129億円にも上っています。
参照:国税庁「令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況


法人の無申告者を対象とした税務調査

国税庁は、令和3事務年度において、無申告の法人に対して総額173億円の追徴課税を行ったとしています。無申告は、申告納税制度の根幹を揺るがすことになるため、資料情報の更なる収集・活用を図り、積極的に調査を実施するとしています。
無申告の手口としては、事業による収入を代表者名義の個人口座に振り込ませることで取引を隠ぺいしていた例などが紹介されています。
参照:国税庁「令和3事務年度 法人税等の調査実績の概要


無申告を続けてしまった場合は

ご紹介したように、無申告者に対して税務署はさまざまなルートを使って情報を収集しています。これまで無申告を続けてきてしまった場合も、いずれ無申告状態が税務署にバレて税務調査を受ける可能性が高くなります。
前述したように、無申告であっても、税務調査が入る前に自主的に申告した場合は、追徴税額を低く抑えることができます。長年、無申告状態を続けてしまったケースほど、追徴税額は高くなり、税務調査後に期限後申告をした場合の追徴税額との差は大きくなります。無申告を続けてしまったら、早急に期限後申告をすることをおすすめします。


期限後申告のご相談は税理士法人松本へ

数年分の期限後申告を行うのは、簡単なことではありません。また、中には過去の請求書や領収書などを紛失してしまっているケースもあるでしょう。そのような場合は、税理士法人松本にご相談ください。
税理士法人松本は、全国の税務調査に対応している税務調査に強い税理士法人です。税務調査前では、帳簿などの書類が細かくチェックされ、不自然な箇所があれば調査官から厳しい追及を受けます。無申告の状態が税務調査で発覚すれば、多額の追徴課税がなされるリスクも高まります。遅かれ早かれ無申告状態は、税務署にバレてしまいます。税理士法人松本では、これまでも無申告の法人や個人の期限後申告をサポートしてきた実績があります。
無申告の時効は5年です。言い換えれば、少なくとも5年分の所得については申告を行い、しかるべき額の納税をしなければならないということです。1年分の税額はそれほど高額ではないと思っても、5年分となるとその額は大きくなります。無申告状態が続いている方は、リスクを最小限に抑えるためにもできるだけ早くご相談ください。


まとめ

無申告の時効は5年です。税務調査で無申告が発覚すると、無申告加算税や重加算税が課せられ、少なくとも過去5年分の税金と追徴税額の納付が求められます。無申告加算税や重加算税は本来納めるべき税額にプラスして支払いが求められる税金です。税務署は、税の不公平感を是正するために、積極的に無申告法人や無申告の個人事業主に対する税務調査を行っています。税務署では、あらゆる角度から情報収集を行い、無申告者の情報を把握しています。無申告状態を続けているようであれば、早めに期限後申告を行いましょう。
税理士法人松本では、無申告の方からのご相談も受け付けています。初回の電話相談は無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。



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