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税務調査で聞かれることとは?質問の具体例と対処法を解説!

税務調査で調査官から聞かれることには、どのような質問が想定されるのでしょうか。税務調査に慣れておらず、受け答えや対処法がわからなくて困っている人も多いでしょう。 ここでは、税務調査で聞かれやすい質問や具体例、対処法などについて解説しています。税務調査に関する不安を解消するための方法についても紹介していますので、参考としてお役立てください。
目次
税務調査ではどんなことを聞かれるの?
税務調査で質問されやすいポイントには、以下のようなものが挙げられます。
雑談のような会話に意図がある場合も
税務調査で質問される内容には、一見雑談や世間話のように思われる内容が含まれている場合もあります。具体的には ・最初からこの場所で事業を始められたのですか ・ここ数年事業の近況はどうですか ・ご家族は何人ですか、どんなお仕事をされていますか ・従業員の数はどのくらいですか などが挙げられます。こうした質問は申告内容の調査と直接つながりがないように思えます。しかし、明確な意図を持って聞かれている可能性が高いのです。 例えば、会社や事業に関する質問では「どれくらいの期間、どの程度の収入があったか」「複数の収入源がないか」といった可能性を探る意図があるかもしれません。 家族構成や従業員に関する質問では、架空の給与や、実態のない給与が存在していないかなどを確認したい可能性があるでしょう。
お金に関して聞かれることでは申告漏れの可能性を確認
家賃や経費の支払い、借入金など、お金に関する質問もよく聞かれることの1つです。具体的には ・賃貸にお住まいですか ・月々の家賃はいくらですか ・締め支払いはいつですか ・メインバンクはどちらですか ・どんな方法で支払いをしていますか(カード、振込、現金など) ・ローンや個人的な借り入れはありますか などが挙げられます。支払い家賃やローンなどについて聞かれる場合、支払い能力に見合わない支出が発生していないか(隠している所得、経営者に流れている売上がないか)を確認している可能性があるでしょう。 支払い方法の種類では現金決済を隠ぺいしていないか、メインバンクの確認では計上していない取引がないかという意図が推測されます。 締め支払いについては、発生主義で記帳されているか確認されている可能性が高いでしょう。発生主義とは、お金の動きではなく、取引が発生した時点で計上するという会計原則の1つです。発生主義で記帳されていない場合、税金の計算に及ぼす影響が大きい場合があるため、質問などでも確認されやすいでしょう。
申告内容が適正かどうかを判断するための質問も
帳簿の管理や経理業務に関する質問では、申告した内容が適正であると思われるかどうかを判断するものもあります。具体的には ・経理業務は誰が担当していますか ・(経理担当者は)何年経理業務をしていますか ・申告や集計をしているのは誰ですか などが挙げられます。経理業務に詳しくない人物が記帳や申告を担当していないか、退社や引継ぎなどで漏れや抜けが出ていないかなどを、上記の質問から確認する意図があるでしょう。 このほかにも、取引先や経営者の趣味などについて聞かれることもあります。隠している売上や経費の水増しがないか、申告していない収入やプライベートの支出を経費にしていないかといった点を確認されるケースが多いでしょう。
税務調査で聞かれることにはどう対処すればいい?
上記のような質問を受けた場合は、以下のように対処しましょう。
税務調査で疑われやすいポイントを事前にチェックしておく
1年間の取引の流れの中で、売上と経費が前期よりも大きく変動した場合は注意が必要です。「今年は売上が大きかったな」「売上の割に経費が多かったな」といった心当たりがある場合は、税務調査になった際に必ず確認されると考えた方がよいでしょう。 どの点について聞かれそうかをチェックして、書類の備考としてリストアップしておくのもよいでしょう。事前に想定していたことであれば、心に余裕を持って説明しやすくなります。
隠している、ごまかしていると思われないように振る舞う
調査官から何か聞かれると委縮してしまったり、気になる仕事があったりすると、受け答えが曖昧になる場合や、ごまかしているような言い方になってしまうこともあります。 その時はちゃんと確認して申告したつもりでも、後になって念を押されると「どうだったかな?」と不安になるのはよくあることです。 とはいえ、所得隠しや水増しなどをしていないのに「そう見えるかもしれない」と弱腰になってしまうのはおすすめしません。 正当性がある点はしっかりと主張し、身に覚えのない疑いについては冷静に否定するようにしましょう。
税務調査がやって来る前に税理士へ相談する
顧問税理士がいる場合は、税務調査がやって来る前に必ず相談するようにしましょう。税務調査で疑われやすいポイントについてのアドバイスがもらえるだけでなく、調査当日に税理士の同席が可能な場合、交渉や話し合いをサポートしてもらえます。 ただし、毎年安い金額で知り合いの税理士に決算だけ依頼している場合や、繁忙期などの理由で税務調査対応を断られる場合があるかもしれません。 また、税務調査への対応経験が浅い税理士の場合、税務署の言いなりになってしまって頼りにならない、といったケースもゼロではありません。 税務調査は確定申告と違い、すべての会社が毎年調査を受けるわけではないため、税理士によって取り扱い実績に差が出る場合があるのです。 税務調査にしっかりと対応してもらえる税理士を探したい場合は、セカンドオピニオンとして他の税理士事務所へ相談してみてもよいでしょう。 税理士法人松本では、顧問税理士がいる場合のセカンドオピニオンや、税務調査対応のみの依頼にも全国対応しています。無料相談の予約はフリーダイヤルかメールフォームからお気軽にお申込みください。
まとめ
税務調査では、雑談のような会話で聞かれることにも意図があるケースが多く、経費の水増しや売上の隠ぺいなどがないかを探っている可能性があります。こうした質問には曖昧な態度を取らず毅然と応じるのが望ましいですが、不安な場合は税務調査に強い税理士への依頼も検討してみましょう。
