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無申告 税務調査 2021.08.25

税務調査における反面調査とはどんな内容なのか?

税務調査では、「反面調査」と呼ばれる調査が行われることがあります。反面調査はどのような理由で行われ、また実施された場合にどのようなリスクがあるのでしょうか。
ここでは、税務調査の反面調査の内容やリスク、注意点などについて解説しています。

そもそも反面調査とは?

反面調査とは、税務調査の際に実施される調査の1つで、調査対象となった事業者の取引先に対して行われるものです。

通常の税務調査は自社が対象

通常の税務調査では、調査の対象となるのは自身の会社や事務所です。パソコンや各種書類、帳簿や通帳などから、過去の取引について申告内容と合致しているかを確認されることとなります。
調査対象となっている事業者や会社に残っているデータだけを調べても実態解明が難しい場合や、疑わしい点について更に情報が必要と判断された場合に、反面調査が実施されるのです。

得意先や銀行などへ問い合わせがある

反面調査では、得意先や金融機関など、調査対象と取引のある企業などに対して行なわれます。文書や電話で問い合わせをすることもあれば、相手先まで訪問して調査を実施することもあるのです。
反面調査では、得意先や銀行に対して、主にに調査対象者との取引について確認や質問が行なわれます。

すべての税務調査で反面調査が実施されるわけではない

税務調査では、通常反面調査まで行われることはなく、対象となる事業者が保有している書類やデータのみの確認となるのが一般的です。
では、反面調査はどのような場面で実施されるのでしょうか。反面調査が実施されやすいケースについて、次章でさらに詳しく解説していきましょう。

反面調査が行われやすいケースとは?

税務調査において、以下のような状況となった場合に、反面調査が行われる可能性が高いでしょう。

過去の書類やデータが残っていない

税務調査では、過去3~5期分まで遡って調査や確認が行なわれます。この期間に起きた取引に関する情報や書類について、紛失や破棄といった理由で確認が困難となった場合、反面調査を実施する可能性が高まるでしょう。
また、過去の書類やデータを保管しているつもりでも、一部紛失していたり、データの削除や記入ミス、計上漏れなどによって事実関係が把握できなかったりする際にも、反面調査の対象となりやすいものです。

税務調査に対して協力的な態度でない

税務調査で求められた書類を提出しない、質問に答えない、威嚇や恫喝など穏やかなやり取りができないなど、調査に対して非協力的な態度を取っている場合も、対象者からは必要な情報が得られないと判断され、反面調査の対象となることがあります。

悪質な所得隠しなどが疑われる場合

提示する書類やデータが揃っており、税務調査で穏やかに対応していたとしても、反面調査の対象となるケースがあります。税務署の方で事前に多額の脱税や所得隠しといった情報を掴んでおり、税務調査でその事実確認ができない場合、取引先に対して反面調査が実施されやすいでしょう。
調査対象となる期間中に無申告期間が含まれる、過去に意図せず脱税が認められる行為が発覚したというケースでも、反面調査の可能性が高まります。
このように、反面調査が行われるケースは限定的であり、通常であれば取引先にまで連絡がいくことはありません。
ただし、税務署の方で反面調査が必要と判断された場合には、たとえ取引先と関係が悪くなる可能性があったとしても連絡されてしまうため注意が必要です。

反面調査を回避するための対処法は?

反面調査のリスクを回避するためには、以下のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。

書類やデータはすべて保管しておく

過去の請求書、領収書といった書類や帳簿データは、申告が終わった後も必ず保管しておくようにしましょう。
月別や項目ごとにわかりやすくファイリングし、確認を求められたらすぐに提示できるような状態にしておくことも大切です。
通常の税務調査では、調査担当者が訪問する前に事前連絡があります。数日~1週間程度なら訪問日の調整にも対応してくれるため、税務調査が決まったら、3~5年分の書類はいつでも提出できるようにチェックしておきましょう。

調査時には協力的な態度で臨む

税務調査は、指定された日時に税務署の担当者が事務所を訪れ、1日~数日程度かけて実施されます。
調査中に受ける質問や確認事項については可能な限り協力し、曖昧な返事や感情的な態度を取らないようにしましょう。
とはいえ、担当者の中には威圧的な態度で調査を進めたり、はじめから疑ってかかるような質問をされたりするケースもあります。
調査に対して協力的な態度で臨むことは、税務署の言いなりになってすべて認めることではありません。
受けた質問が事実とことなる場合はしっかりと否定し、税務調査に必要ないと感じる要求には、毅然とした態度で応じましょう。

顧問税理士に同席を依頼する

顧問契約を結んでいる税理士がいる場合、税務調査の際に同席を依頼しましょう。税務調査の対応実績がある税理士なら、税務署からの質問や要求に対して、どのように対応すればよいかを熟知しています。税務のプロのサポートがあれば、反面調査を避けられる可能性も高まるでしょう。
現在顧問契約している税理士がいない場合や、契約していても同席に対応してくれない税理士の場合は、税務調査のサポート実績がある税理士事務所へ相談することをおすすめします。

まとめ

反面調査とは、税務調査で自社だけでなく、取引先や銀行などにも問い合わせされる調査のことです。通常の税務調査だけでは実態の把握が難しいと税務署が判断した場合に、反面調査が実施されます。納税者は税務調査に協力する義務があるため、反面調査を拒否することは難しいものですが、税務調査への対応を熟知している税理士であれば、反面調査のリスクを回避するためのアドバイスを受けることも可能です。
税理士法人松本なら、無申告、脱税を続けて誰にも相談できない状況にも対応しています。初回の電話相談は無料で利用可能ですので、お気軽にお電話ください。

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