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期限後申告 無申告 税務調査 2021.07.20

追徴課税はいくらになる?税理士が計算の仕方を解説!【個人・法人対応】

税務調査で無申告を指摘された場合、通常の納税額に加えて、追徴課税も納付することになります。この追徴課税がいくらになるのか、どのような計算になるのかは気になるところです。
ここでは、追徴課税の計算方法について、具体例を挙げてわかりやすく解説しています。

そもそも追徴課税って?

まずは、追徴課税の概要と、どういった場合に追徴課税の対象となるかについて見ていきましょう。

過去に申告漏れなどがあった場合に追加で課税される税金

追徴課税とは、過去の税額が実際よりも少なかったり、申告が漏れていた場合、期限を過ぎて納税や申告したりした場合などに課税される税金のことです。
追徴課税には延滞税や過少申告加算税などいくつかの種類があり、いずれも懲罰的な意味合いを持っています。

追徴課税の種類

追徴課税として加算される税金の種類には、以下のようなものがあります。
延滞税:各税金について、定められた納付期限よりも遅れて納付する場合に加算される税金です。法定納付期限から、全額納付されるまでの日に応じて定められた税率によって計算されます。
無申告加算税:期限を過ぎて提出された申告書にもとづいて加算される税金です。税務調査前に自己申告した場合と、税務調査によって無申告が判明した場合で税率が変わります。また、一定要件を満たしている場合には、期限後の申告であっても加算されない場合もあります。
重加算税:申告漏れや無申告のうち、所得隠しや書類の改ざんなど、悪質であるとみなされる事例に対して加算される税金です。追徴課税の中でも税率が重く、決定すると通常の納税額をはるかに上回る納税義務が生じる可能性もあります。
過少申告加算税:税務調査などで申告漏れや計上ミスなどが判明し、税務署から指摘を受けて修正申告を行なった場合に課税される税金です。
不納付加算税:事業者が支払うべき給与や報酬に対して発生する源泉所得税について、定められた期限内に納付しなかった場合に課税される税金です。期限に遅れたことに気づき自主的に納付した場合と、税務署から指摘を受けて納付した場合とで税額がことなります。

追徴課税の計算方法

上記の追徴課税が決定した場合、税金をいくら払うことになるのでしょうか。いくつかの事例を挙げて、それぞれの計算方法について以下で更に詳しく見ていきましょう。

税務調査で指摘を受けたか、自主申告したかで税率がことなる

追徴課税は、納めるべき税金に対して定められた税率を加算して計算します。納税額によって税率がことなるものもありますが、税務調査で指摘を受けた場合と、自主的に気づいて申告した場合とで大きくことなるものが多くなっています。

【追徴課税の計算事例】税務調査で指摘を受けた場合

税務調査で申告漏れが判明し、100万円の税金を新たに納付する必要がある場合の追徴課税について計算してみましょう。

申告漏れがあり、修正申告する場合

特に悪質だとみなされず、税務調査で申告漏れの指摘を受けた場合、過少申告加算税の課税対象となります。
過少申告加算税の税率は、50万円までは税額の10%、50万円を超える部分は15%となるため、50万円×10%と50万円×15%で、過少申告加算税額は125,000円となります。

無申告が判明した場合

無申告が判明した場合は、無申告加算税の課税対象となります。
無申告加算税の税率は、50万円までは税額の15%、50万円を超える部分は20%となるため、50万円×15%と50万円×20%で、無申告加算税額は175,000円となります。

悪質であるとみなされた場合

悪質であるとみなされた場合は、税率の重い重加算税が課税されることとなります。
重加算税の税率:不納付加算税・過少申告加算税に代えて35%、または無申告加算税に代えて40%となるため、過少申告の場合は100万円×35%で重加算税額は350,000万円、無申告の場合は100万円×40%で400,000円となります。
このように、本来100万円の納付で済む税額が、追徴課税によって最大1.4倍まで大きくなってしまう可能性があるのです。
また、源泉所得税の不納付があった場合には、税額の10%にあたる不納付加算税が課税されます。これらの追徴課税に加え、更に利息のような意味合いで、年2.7%~14.6%の延滞税も加算されます。

税務調査を受ける前に自主的に修正申告した場合

上記の計算は、税務調査で指摘を受けて修正申告した場合の税額です。もし税務調査で指摘を受ける前に計上ミスや申告漏れが判明し、自主的に修正申告をした場合の追徴課税は以下のようになります。

過少申告加算税:課税なし
重加算税:課税なし
無申告加算税:税額の5%
不納付加算税:税額の5%

上記に加えて、納付するべき税額が修正で増えるため、本来の納付期限から追加の税金を全額納付するまでの期間に対して延滞税がかかります。それでも、税務調査で指摘を受けた場合に比べると、自主申告によって課せられる追徴課税は少額であることがわかります。

追徴課税はどこまで遡って支払う必要がある?

税務調査で指摘される申告の期間は、どこまで遡って行われるのでしょうか。

税務調査で調べられる期間は原則3期分

税務調査で遡って調べられる期間は、直近から3期分となるのが一般的です。上記の計算で判明した税額が前年度のみとした場合、それ以前にも申告漏れが判明すれば、追徴課税は更に重いものとなるでしょう。

最長で7年まで遡って指摘される場合も

また、重加算税の対象となるような悪質性があると判断された場合には、3年よりも前まで遡って調査を受ける場合もあります。
過去の申告で問題が見つかった場合は5年、悪質な問題が見つかった場合は、最長で7年分まで調査される可能性があるでしょう。

重い追徴課税の対象とならないためには
・ミスや申告漏れに気づいたら、できるだけ早く自主的に修正申告を行う
・税務調査で指摘を受ける前に修正する
・問題があるとみなされるリスクを避ける
といったポイントを理解して、過去の申告済み書類や帳簿についてこまめにチェックすることが大切です。

まとめ

過去に申告した内容にミスや申告漏れがあった場合、本来納めるべき税金に加えて、追徴課税が課せられることとなります。特に税務調査で悪質性があると指摘を受けた場合は重い重加算税の課税対象となるため注意が必要です。追徴課税を少しでも抑えたいなら、税務調査を受ける前にミスがないかを確認し、自主的に修正を行なうことが大切となります。