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税務調査 2023.01.27

税務調査で架空外注費の指摘を受けた!?経費の水増しをしてしまった場合の顛末とは

この記事の監修

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏
(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。
多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

最近、税務調査で架空の外注費を計上して納めるべき納税額を低く見せかけ、脱税の疑いで告発される例が増えています。もし、税務調査によって架空の外注費を計上し、経費の水増しが発覚するとどのような事態になるのでしょうか。
今回は、最近の脱税事件のニュースをご紹介しながら経費の水増しが発覚した場合のリスクについてご説明します。税務署から連絡があり、すでに税務調査になっている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務調査で指摘が増えている外注費とは

税務調査では、外注費についての指摘がなされるケースが多くなっています。その裏には、外注費は不正を行ううえでよく利用される勘定科目であるという背景があります。
外注費は、一定の業務の提供を受けた対価として外部の業者に支払う費用です。そのため、業務を外部に委託した際のあらゆる費用を外注費として取り扱うことができ、さまざまな目的やさまざまな支払先に対する費用が外注費として計上されます。
税務調査でよく指摘されるのは、外注費を不正に水増しして経費を多く見せかけ、課税所得額を低く装うというものです。多くの場合、実際の取引相手の外注費を水増しして計上するか架空の取引先に対して外注費を支払ったように計上する手口が用いられています。
また、本来は給料にしなければならないものを外注したように見せかけ、人件費を外注費として計上しているケースもあります。人件費を外注費として計上すれば消費税の対象取引となるため、消費税の仕入れ税額控除の対象となり、会社が納めるべき消費税の額を軽減できるのです。


外注費の水増しをした脱税容疑で告発された事例

最近も税務調査によって外注費の水増しが発覚し、脱税容疑で告発された事例があります。
具体的な事例を2つご紹介します。


・外注費の水増しで約2億4100万円の所得隠しが発覚

2022年10月に、東京国税査察部は埼玉県の広告会社とその代表を法人税法違反などの疑いで東京地検に告発したことが発覚しました。
この法人の代表は、外注先の5つの業者に架空の請求書や代金を水増しした請求書を作らせ、自社の経費を多く偽装していました。この外注費の水増しにより、2019年8月までの3年の間に約2億4100万円の所得を隠し、法人税など約7600万円を脱税した疑いがかけられています。


・架空のコンサルタント料の計上で約1億8000万円の所得隠しが発覚

同じく2022年10月に大阪では、不動産会社の社長が架空の経費を計上するなどして、法人税などおよそ4700万円を脱税した疑いで大阪国税局から告発されています。
この事件では、土地や建物を購入する際にコンサルタント料などの架空の経費を計上し、利益を少なく見せかけていたとされています。2021年3月末までの2年間に約1億8000万円の所得を隠し、法人税などおよそ4700万円を脱税したとの疑いがもたれています。コンサルタント料も架空の外注費としてよく計上されるものであり、税務調査ではコンサルタント料についても細かくチェックをされるケースが多くなっています。


外注費の水増しや経費の水増しによって告発されたらどうなる?

今回の2つの事件のように、脱税として告発された場合は、どのような処分が下されるのでしょうか。


脱税の刑事罰

脱税の容疑を受けて告発されたら、警察によって逮捕され、取り調べが行われます。脱税事件では、関係者と口裏合わせを行ったり、証拠物の改ざんや隠滅を行う恐れがあるため、身柄を拘束されるケースがほとんどです。勾留が満期を迎えるまでに、検察官によって起訴が決定されれば刑事裁判によって、判決が下されることになります。
刑事裁判によって有罪の判決を受けた場合は、刑事罰が科されることになります。刑事罰は、犯罪者に科される罰です。
つまり脱税は犯罪行為であり、脱税によって告発され、有罪の判決を受ければ前科として扱われることになるのです。
外注費や経費の水増しの場合は、意図的に不正をして脱税を行ったと判断されます。この場合の懲罰は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金のいずれか、またはその両方です。


脱税の行政処分

脱税が確定すると、刑事罰だけでなく行政処分として追徴課税が課せられます。
経費の水増しなどによって本来納付すべき税額よりも少ない額を申告した場合には、過少申告加算税が課されます。

・過少申告加算税
加算申告加算税は、追加で納付する税額の10%に相当する額を支払わなければならないものです。ただし、新たに納付するべき税額が当初の申告納税額または50万円のいずれか多い額を超えている場合は、その超えている部分については15%の割合を乗じた額の納付が求められます。

・重加算税
悪質性が高い脱税などの場合は過少申告税に変えて重加算税というさらに思い加算税が課されます。
重加算税は、過少申告加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%の税率が課せられるものです。過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課されたことがある場合はさらに10%が加算され、最大で納付税額の50%もの納税を求められることになります。

・延滞税
加算税が課される場合は、納付期限までに正しい金額を納税しなかったことに対するペナルティである延滞税の支払いも求められます。延滞税は納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する額が課せられるものです。
延滞税の割合は、納付期限の翌日から2か月を経過する日までは原則として7.3%です。ただし、2021年1月1日以降の期間は7.3%と延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い割合が適応されることとなり、具体的には2022年1月1日から2022年12月31日までは年2.4%、2021年1月1日から2021年12月31日までは年2.5%が適用されます。
また、納付期限の翌日から2か月を経過した日以降の割合は、原則として年14.6%です。 ただし2022年1月1日から2022年12月31日までは年8.7%、令和3年1月1日から令和3年12月31日までは年8.8%が課せられます。

このように、脱税の場合は刑事罰に加え、行政処分として重加算税と延滞税の支払いが命じられます。
重加算税は最も重いペナルティであり、経費の水増しの場合は本来納めるべき税額よりも35%も多い額の重加算税と延滞税を納めなければならなくなるのです。


まとめ

架空の外注費の計上や水増しによる脱税の疑いによって告発されている事例が増えています。このような不正を行い、脱税として告発されると容疑者は逮捕されて刑事罰に処され、さらには行政処分として重加算税と延滞税の支払い義務が生じます。
もし、税務調査の連絡を受けたものの外注費を水増しや架空の外注費を計上しているようであれば、早めに税理士に相談することをおすすめします。 税理士法人松本は、税務調査に強みを持つ税理士法人です。外注費の計上について不安をお持ちの場合はお早めにご相談ください。



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