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税務署からの税務調査を拒否したら、調査がなくなったりしませんか?

2021.09.22

税務調査に入られることになった場合、基本的には事前に税務署から連絡を受けます。この時に拒否したり、ごまかしたりすることはできるのでしょうか。
税務署からの連絡を無視し続けることで逃げ切れたり、中止になったりすることはあるのかなども気になるところです。
ここでは、税務署からの税務調査は拒否できるのか、税務調査の中止や、予定されていた調査がなくなる可能性などについて紹介しています。

税務調査には種類がある?

税務署が行う税務調査には種類があり「強制調査」と「任意調査」の2種類に大きく分けられます。

悪質とみなされる場合に実施される「強制調査」

税務調査のうち「強制調査」と呼ばれるものは、調査の対象者へ事前連絡をすることなく、強制的に実施される税務調査のことです。ある日突然、何の前触れもなく国税局の査察官が複数人で調査に訪れる、映画やドラマなどのワンシーンでよく見られる調査方法となります。
強制調査は、調査対象者が悪質な所得隠しや、多額の脱税行為をしていると疑われる際に行われるもので、証拠隠滅や逃亡を回避するため、強制的に調査されることとなります。

一般的に実施される税務調査は「任意調査」であることがほとんど

一方で、任意調査とは税務調査で訪問する旨の事前通知があり、調査対象者の協力を経て実施される調査のことで、毎年行われる税務調査は、この「任意調査」であることがほとんどです。
任意調査では、訪問日についても事前に通知をしてもらえるため、書類や帳簿の整理、チェックなどを行うことも可能です。
調査日当日の同席は必要ですが、パソコンや書類を大量に押収される、といったこともなく、多くの場合穏やかに調査が進められるでしょう。

任意調査は拒否できるのか

税務調査のうち、任意調査には「任意」とあることから「任意調査なら、税務調査を拒否することもできるのでは?」と思われる方がいるかもしれません。
しかし、強制調査も任意調査のいずれも、調査対象となれば拒否することはできません。任意調査の「任意」とは、帳簿やパソコンを調べる際に、調査員が勝手に調べるのではなく、調査対象者へ確認を取ってから行うという意味合いとなります。
強制や任意といった種類に関わらず、納税者には税務調査に協力しなければならない「受忍義務」があり、法律によって定められているのです。
税務調査は拒否できないだけでなく、調査の妨害や避ける行為、嘘をつくといったことも、罰則の対象となる可能性があります。
適切な申告・納税が行なわれるために、国税庁や税務署では申告内容について「質問検査権」を持っています。質問検査権が行使されれば、納税者はこれを受ける義務があるのです。
なお、税務調査は所得税や法人税に限らず、消費税や相続税、固定資産税など、あらゆる税金が調査対象となります。

税務調査の拒否や中止、延期となる事例はある?

基本的に、税務調査は拒否することはできず、中止や延期を願い出ることもできないものですが、以下のようなケースでは拒否や中止、延期となる場合もあります。

任意調査の日程調整を申し出る

任意調査では、税務調査で訪問を受ける日時について、事前に連絡を受けることができます。その際、どうしても都合のつかない日を指定されることもあるでしょう。
もし都合の悪い日程であれば、その旨を説明すればある程度すり合わせに応じてもらうことも可能です。
大幅に日にちを変更する事は出来ませんが、数日~1週間程度であれば、調整に応じてくれる可能性が高いでしょう。

正当な理由がある場合の書類の提示や提出拒否

税務調査当日は、調査員からの要望にはできるだけ応え、書類やパソコンのデータなども提示に協力する必要があります。
とはいえ、事業と関連のない個人口座の履歴やパソコン内にあるフォルダーの閲覧など、見せる必要のないものについては、要求を拒否することも可能です。
税務調査への受忍義務があるとはいえ、要求されたことに全て応えなければならないわけではありません。「個人的な事にしか使っていないため、見せる必要はありません」など、正当に拒否できる要求については、毅然とした態度で臨むことも大切です。

天災などのやむを得ない理由で中止・延期となるケースも

任意調査の日程調整以外に、地震や台風といった自然災害による被害で調査が不可能となる場合には、税務調査が一旦中止、または延期となるケースもあります。
天災以外にも、社会情勢や疫病の流行などにより、常識的に調査を実施する時期としてふさわしくないと行政側が判断した場合も、税務調査が延期となる可能性が高いでしょう。
ただ、実施される予定だった税務調査が中止となったのか、延期となったのかについては、個別に確認することはできません。
税務調査が一時的に延期となり、調査件数が減少した翌年に調査が増加する可能性も考えられます。

税務調査は怖がらず、税理士のサポートを受けて対応しよう

税務調査は、ひとたび実施されるとなれば書類を準備したり、修正点がないかの事前チェックや当日の対応に追われたりするなど、手間のかかる面倒くさいものです。
とはいえ、適切に申告できていれば、指摘を受けても冷静に対応することができますし、アドバイスなども受けられる貴重な機会ととらえることもできるでしょう。
うっかりミスや申告漏れがないか、調査の際に指摘を受けそうな取引がどれかなど、現場ではなかなか判断がつかず、不要に焦って不正を疑われるのは避けたいところです。
不安な点があれば早めに税理士へ相談するなどして、専門家のサポートを受けて税務調査に臨みましょう。

まとめ

税務調査は「強制調査」と「任意調査」の2種類に大きく分けられます。任意調査では日程調整や情報提供の際に確認を求められるといった部分が任意であるとはいえ、いずれの場合も基本的に拒否することはできず、税務調査の対象となれば調査を受けなければなりません。
任意調査の場合は、正当な理由があれば、必要のない書類やデータを提示することは拒否できたり、ある程度なら日程を調整することも可能です。
不安な場合は税理士へ相談して、適切な対応ができるよう準備しておくのがよいでしょう。

副業が税務調査の対象になるサラリーマンとは!?いくら以上稼ぐと税務署が目をつける?

2021.09.17

リモートワークの整備や社内規定の緩和などで、サラリーマンでも副業やダブルワークを始める人が増えてきています。給与以外で収入を得た場合、基本的には申告が必要となります。しかし、もし申告しなかった場合に、個人でも税務調査の対象となるのでしょうか。いくらまでの収入なら申告しなくても問題ないのかも知っておきたいところです。
ここでは、サラリーマンが副業で確定申告の対象になるケースや、申告しなかった場合のペナルティについて解説しています。

サラリーマンが副業収入で確定申告が必要となる金額

サラリーマンとして給与所得を得ている人が副業を行った場合、確定申告が必要な金額は以下のようになります。

1年間に20万円以上の収入で申告の対象に

所得税法では「給与以外の所得」が年間で20万円を超える場合には、確定申告が必要となると定められています。
会社員の場合、1年間に支払われた給与から年末調整されて所得税が計算されるため、確定申告の必要はありません。
会社員としての給料とは別に、副業や解約保険金などで20万円以上の所得がある場合には、翌年に確定申告が必要となるのです。
「年間20万円以上」を月で割ると、およそ16,670円となります。月収にして2万円に満たない額であったとしても、1年を通して20万円を超えていれば、確定申告をしなければなりません。(※経費がなにもない場合を想定しています。)

20万円以上収入があっても赤字の時はどうなる?

確定申告する際に収入を計上するのはもちろんですが、収入を得るためにかかった費用も計上します。
ここでポイントとなるのが、売上よりも費用の方が大きく、赤字となっている場合でも、確定申告しないと「無申告状態」となってしまう点です。
実際には支払いに追われて手元に所得が残っていなかったとしても、仮に売上や報酬として20万円以上の振り込みがあった場合、そこから差し引かれる経費があることを証明する必要があります。
経費はレシートや領収書などをもとに「消耗品費」「通信費」のように科目ごとに振り分け、帳簿に記帳する作業が必要です。
感覚的には「入金はあったが、支払いで右から左に消えていったから手元にはお金が残っていない」という状態であったとしても、それを申告しなければ「20万円以上所得を得ているのに、確定申告をしていない」とみなされるのです。
しっかりと申告をして赤字を計上すれば、税金の還付を受けることができます。経費や各種控除をしたうえで20万円以上の所得があるかどうかを見極めるためにも、確定申告は必要であると考えるべきでしょう。

サラリーマンの副業はいくらから税務調査の対象になる?

確定申告がいくら以上の所得から必要かがわかったところで、副業が税務調査の対象となり得るケースについても見ていきましょう。

無申告は金額に関わらず税務調査の対象となりやすい

給与は会社側が所得税を給与から差引き代わりに支払ってくれますが、副業で得た収入を放置していれば、無申告の収入がある状態となります。
税務署では、確定申告の必要があるのに申告を怠っている人については、重点的に調査対象とする傾向があるのです。
「個人的な収入だからわからないだろう」「無申告なら調べようがないだろう」と考えたくなりますが、税務署では個人口座の入出金履歴なども調べられます。
「年間の収入が少額だから」と長年放置していれば、副業であってもまとまった額の所得となるため、忘れた頃に税務署から連絡が来るといったケースも少なくないのです。
期限までに申告・納税していない税金は追徴課税の対象となります。税務調査となれば、最低でも3年分まで遡って調査を受けることとなるため、想定よりも多額の税金を納めなければならなくなるでしょう。

特定の取引や不審な点がある場合も調査対象に

毎年確定申告をしていても、申告内容に不審な点があると考えられる場合には、サラリーマンであっても税務調査の対象となる場合があるでしょう。
無申告以外にも、税務署が調査対象として選びやすいケースはあります。海外との取引や、現金による取引が多い場合、インターネットによる取引をメインに所得を得ている場合などは、調査対象とされやすい傾向があるのです。
こうした取引は実際の収支を操作しやすく、いわゆる「所得隠し」を行いやすい点から、国税庁でも調査を強化していることを公表しています。
ほかにも、過去に税務調査の対象となったことがある場合や、取引先が脱税などの不正行為で調査を受けた場合も、税務調査の可能性は高まるでしょう。

副業の税務調査を回避するための対策は?

本業や副業の区別なく、いったん税務調査の対象となってしまえば、過去何年にも遡って、取引を細かく調査されることとなります。もちろん、正しく申告できていれば、税務調査はそこまで怖れるものではありません。
税務署でも、税務調査に対応できる人員は限られています。「ずっと申告していないけど、何も連絡がないから大丈夫なのだろう」と思っていたら、ある日突然税務署から調査の連絡が来る可能性は、申告するべき所得がある人なら、誰にでもあるものです。
無申告であっても、税務調査の連絡を受ける前に申告すれば、追徴課税を大幅に減免することもできるでしょう。
税務調査回避の対策としては
・年間20万円以上の所得がある場合には、確定申告を行う
・赤字であっても確定申告をする必要がある
・レシートや領収書はすべて保管しておき、過去の申告に間違いがないかチェックする
・修正が必要な場合は、早めに修正申告を行う
などが挙げられます。
「帳簿をどう管理してよいかわからない」「自分では判断が難しい」という場合には、税理士事務所の無料相談などを利用してみるとよいでしょう。
サラリーマンの副業や個人事業主の税制サポートに強く、無申告状態や過去の申告についても対応可能な税理士事務所などを探して、早めの対応をするように心がけることが大切です。

まとめ

サラリーマンの副業であっても、年間20万円以上の所得があれば、確定申告の必要があります。無申告状態や不審な取引が多い場合には、個人的な副業や少額の所得でも、税務調査の対象となるケースは充分考えられます。
税務調査をただ怖がるのではなく、必要であれば税理士のサポートを受けるなどして、正しい申告に関する知識を身につけましょう。

収入があるのに、無収入で確定申告をした場合のリスクとは?

2021.09.13

「無収入であっても確定申告する必要がある」「収入があっても確定申告しなくてよい」など、働き方や所得、目的などによって、確定申告が必要なケースは異なる場合があります。
実際には収入があったにも関わらず、思い違いやミスによって無収入として確定申告してしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
ここでは、無収入でも確定申告が必要なケースや申告漏れ、無申告などを放置していた場合のリスクについて解説しています。
これから確定申告をする予定の方はもちろん、過去の申告に不安がある方にも参考となる内容となっています。

無収入でも確定申告が必要なケースとは?

まずは、無収入であっても確定申告が必要なケースについて解説します。以下に該当する場合、無収入でも確定申告が必要です。

無収入だと思い込んでいて、実際には収入がある

「会社を辞めて今は無職だから無収入だ」「廃業して収入がないから申告の必要がない」と思っていても、税務上は収入があるとみなされる場合があります。
例えば、12月中に退職した給与が翌年1月に振り込まれた場合、12月分の給与であったとしても、振り込まれた年の収入として計上する必要があります。
1月に受け取った給与についての確定申告を行うのは翌年となるため、場合によっては収入があったことを忘れてしまうこともあるでしょう。
給与以外にも、一時的に得た事業所得や雑所得に分類される収入があったことを申告時期に忘れてしまい、無収入だと思い込んでしまうケースもあります。
また、相続や不動産売却など、所得税以外の収入があった場合には、確定申告とは別に定められた期間内に確定申告を行わなければなりません。

還付申告を受けたいと考えている

前年12月分の給与が1月に振り込まれた場合など、控除内に収まる収入である場合、必ずしも確定申告する必要はありませんが、還付申告を受けたい場合は申告が必要です。
還付申告とは、確定申告することによって払い過ぎた税金を返してもらえる制度のことで、入院などの高額な医療費がかかった際にも、確定申告をする事で医療費の控除を受けられる場合があります。
また、還付申告の間違えやすい点として「計算したら控除内に収まっているから、確定申告しなくてもいいだろう」と考え、申告しないケースが挙げられます。税金の還付は、申告しなければ受けることができません。
また、申告した際に計上した経費についても、後で税務調査の対象となった際に経費と認めてもらえるよう、書類やデータはファイリングして保管しておくことが大切です。

過去に無申告だった期間がある

1年間無収入だったとしても、以前に確定申告の必要があったにも関わらず無申告だった期間がある場合、期限を過ぎていても申告する必要があります。
無申告は税務調査の対象となりやすく、放置している期限が長くなるほど追徴課税も大ききくなっていきます。
無申告や計上漏れ、税金の還付などについてどうすればよいかわからない場合は、できるだけ早い段階で税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

無収入で確定申告をした場合のリスク

次に、実際には収入があったにも関わらず、意図的に無収入として確定申告した場合のリスクについて解説します。

不審な申告は税務調査の対象となりやすい

税務署では、日々あらゆるケースをチェックしており、規模や業種に応じて、さまざまなケースの申告内容に関するデータを持っています。
そのため、経費の水増しや売上・入金を少なく計上するなどして、無収入となるように見せかけた不審な申告については、税務調査の対象となりやすいのです。
税務調査では、税務署が事務所やオフィスなどを直接訪問し、帳簿や領収書、請求書などの資料やデータをチェックして、実際の申告が正しく行われているかどうかを確認されます。
税務調査で不正やミスが発覚すれば修正申告となり、追徴課税として多額の税金を納めなければならなくなるでしょう。

税務調査で指摘されやすい事例

無収入として確定申告した場合に、税務調査で指摘されやすいポイントとしては「経費とみなされない支出を経費にしていないか」「売上を実際よりも少なく計上していないか」に大きく分けられます。
友達と遊んだ際の飲食費や旅行代を経費とする、架空の領収書を作成して経費にするといった不正があれば指摘を受けやすいでしょう。
また、近年ではインターネット上でのビジネスや取引で収入を得る人も増えてきています。オンライン上で行われる取引(ユチューバーやライバー、チャットレディなど)によって収入を得たにも関わらず、気軽な気持ちで無申告を続けているような場合も、税務調査の対象となれば発覚するのは容易でしょう。
税務署では、各種金融機関や信用情報にアクセスすることも可能で、必要に応じて調査に協力を要請できます。そのため、税務調査で訪問する前から、事前に不審な点を掴んでいる場合が多いのです。

過去の申告に不安があるなら税理士へ相談しよう

正しい申告を行っていれば、仮に税務調査を受けたとしても問題はなく、税務調査自体はそこまで怖れるものではありません。
しかし、自分では気づいていないだけで税法上は不正な申告内容となっていて、指摘を受ければ修正しなければならない状態となっているケースは意外と多いものです。
過去の申告状況に不安があり、現在も正しく申告できているか判断がつかない場合は、一度税理士事務所の相談窓口などへ問い合わせてみましょう。税務調査で指摘を受ける前に修正申告をすれば、追徴課税を軽減することも可能です。

まとめ

収入があったにも関わらず無収入として申告してしまったケースには、収入があった事自体を忘れていた、勘違いや計上ミスなどで無収入になっていた、還付申告ができるのに申告していなかったなどが挙げられます。
経費の水増しや売上操作などで虚偽の申告をしてしまった場合、税務調査で発覚すれば重い追徴課税の対象となってしまいます。
脱税や無申告など、過去の申告状況をチェックして正しく修正することは可能なので、少しでも不安に感じたら税務調査の対応に強い税理士に相談してみましょう。

建設業の税務調査はどこが見られやすいのか?注意点を解説!

2021.09.01

一般的に、建設業は税務調査を受けやすい業種の1つとされています。建設業に携わる個人事業主や経営者が税務調査を受けた場合、どのような点を指摘されやすいのでしょうか。ここでは、建設業が税務調査の対象となりやすい理由や税務調査で見られがちなポイント、やってはいけない行為や注意点などについてわかりやすく解説しています。

建設業が税務調査の対象となりやすいって本当?

税務調査はあらゆる業種が対象となり、規模や売上高とは関係なく、税務調査を受ける可能性は誰にでもあるものです。
しかし、統計的に見て税務調査を受けやすい業種があるのも事実で、建設業はその1つといわれています。

建設業が調査対象になりがちな理由

建設業が税務調査対象となりやすい理由には、以下のようなものが挙げられます。

・取引あたりの売上額が大きい
小売業やサービス業といった業種に比べると、建設業は1回あたりの売上額が大きい特徴があります。家やマンション、商業施設などを建設するには、相応の費用がかかるからです。
売上額が大きければ課税対象も大きくなるため、小さなミスでも納税額に大きく影響する可能性があることから、調査対象となりやすい側面があるでしょう。

・外注する業者や人数が多い
建設業では取引額の大きさに比例して、関わる業者や人数も大きくなります。建設に携わる職人はもちろん、建設資材や運搬など、外注する業務も多岐に渡るのが一般的です。
外注業務が増えれば、中抜きや架空請求といった不正も横行しやすくなるため、事実に基づいた申告がなされているか、チェックや指導を目的として調査対象となる場合もあります。

・支払いや入金にバラつきがある
建設工事に関わる業者が増えると、納期や支払、入金期日など会社ごとに取り決めが異なり、工程や請け負った案件ごとに取引先が変わることも珍しくありません。引き渡しまでのスケジュールがタイトな場合、同時期に複数の職人や業者が重なり、どこからどこまでを按分すればよいかの判別が難しいケースもあるでしょう。
こうした点から会計処理も複雑となりがちで、取引ごとの金額も大きく、不正も起こりやすいとなれば、税務署でも注目せざるを得ないわけです。

国税庁の調査統計でもトップ10以内に入る

国税庁では、毎年税務調査を実施した際のさまざまな統計データをホームページ上で公開しています。その中においても建設業は「不正が発覚する割合の高い業種」として、毎年トップ10内に入っているのです。
とはいえ、建設業に関わる人が不正をはたらきやすいということではなく、上記で挙げた売上額の大きさや、会計処理の複雑さによる計上ミスといった理由も多く含まれていると考えられます。
参考:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要

建設業の税務調査で見られやすいポイントと対策

建設業を営む事業者が税務調査を受けた場合、以下の点について指摘を受けやすいでしょう。

現金残高と帳簿の整合性

外注で依頼する職人への支払いや急な資材調達など、建設業では現金による取引も多いものです。現金取引では入出金の履歴を正確に追うことが難しくなるため、事務所で管理している現金の実残高と、帳簿上の現金残高に整合性があるかは、税務調査の際にチェックされやすいでしょう。
対策としては、現金取引を減らして金融機関を利用する、まとまった現金はこまめに入金して履歴に残すといった方法が挙げられます。
取引上、帳簿としっかり現金が合うタイミングが少ない場合は、なぜ実残高と帳簿上の額が合わないのか、指摘を受けた際に正確に説明できるように流れを整理しておきましょう。

経費関連の書類や帳簿類

経費の計上漏れや二重計上などがないかも、税務調査では細かく確認されます。手書きの伝票や使用目的のはっきりしない領収書、名目や金額が同じ請求書などは、調査の際に質問されやすくなります。
場合によっては、取引先へ問い合わせされる反面調査が実施されるケースもあり、今後の取引に支障が出るリスクもあるため、どこに何の目的で使用したものか、私的な支出を経費にしていないかといったチェック体制を整えることが大切です。
書類についても取引先や月別、項目別に整理し、確認しやすい状態で保管するようにしておきましょう。

売上工程の流れ

入金や支払いのタイミングにバラつきがあり、同じような案件でも費用に大きな差があるような場合、その理由について適切な説明をする必要があります。税務署では、さまざまな建設業の申告内容に関するデータを持っているため、不審な点やミスが見つかりやすい点については、あらかじめ把握した上で調査に訪れていると考えた方がよいでしょう。
各社ごとに見積りや発注、請負契約から施工、引き渡しから請求といった流れのわかる工程表を作成し、工程ごとに証明できる書類を添付するなどして、事前に帳簿と照合するといった習慣づけも大切です。

繰り延べや計上漏れ

建設業では施工期間が長期に渡るケースも多く、前年度の売上が翌年以降に振り込まれることも珍しくありません。
場合によっては、多額の売上を立てても入金がない状態で申告することとなりますが、税法上のルールには従う必要があります。税務調査でも、いわゆる「期ズレ」は念入りに確認される項目の1つです。
決算間際には請負中の案件の進捗について細かくチェックし、計上漏れや請求漏れがないかを確認するようにしましょう。

まとめ

建設業では、1回あたりの売上額が大きく、関わる業者や職人なども多いため、少しのミスが課税に大きく影響します。そのため、毎年実施される税務調査でも、建設業は不正が発覚しやすい業種の1つとなっています。
請負から引き渡しまでの期間も長く、現金による取引も多くなれば、会計管理も複雑となりがちです。税務調査の連絡を受けてから慌てることのないように、日頃から実残高と帳簿をこまめに確認し、必要に応じて工程表や書類の整理を行うことが大切です。
しっかりと税法を守って追徴課税のリスクを避け、節税対策を取るためには、税に関する深い知識が欠かせません。これまで税理士へ依頼したことがない、または簡単な依頼しか受けてもらえないという場合は、早めに税務調査に強い税理士へ相談するなどして対策に努めましょう。

税務調査で指摘されやすい指摘事項を徹底解説!

2021.08.13

税務調査では、どのような点が指摘事項として聞かれやすいのでしょうか。税務調査で指摘を受けた場合に、どのように答えればよいか気になる方も多いでしょう。
ここでは、税務調査が入る際の状況や流れ、指摘を受けやすい事項や指摘された場合の答え方などについてわかりやすく解説しています。
来るべき税務調査に備えたい方や、指摘事項について不安な方の参考になる内容となっています。

税務調査を受けやすい事例とは?

税務調査は、どのような会社や個人事業主であっても、対象となる可能性があるものです。ただし、申告した際の状況によって、調査対象に選ばれやすくなるケースはいくつか考えられます。

起業後一定期間が経過している

開業や起業して間もない事業よりも、数年以上経過している方が、税務調査を受ける可能性は高くなります。 ビジネスを開始したばかりの頃より事業が安定している事が多い、記帳方法など、同じ業種と比べて不審な点がないかチェックがしやすいといった理由が考えられるでしょう。
また、申告内容に疑わしい点があっても、税務調査では3期分(ケースによってはそれ以上)遡って調査できるため、敢えて数年様子を見てから調査に入る場合もあります。

長期間赤字となっている

実際に経営がうまくいかず、何年もの間赤字で申告している場合も、調査対象となる場合があります。本当に赤字なのか、所得隠しや経費を水増ししていないか、といった点がチェックされることとなるでしょう。

消費税の納税対象事業者である

事業における基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると、消費税を納税する義務が生じます。消費税の課税対象事業者は一定以上の規模で取引をしているため、記帳や申告内容に間違いがあった場合、修正するべき納税額が大きくなる可能性があるためです。
1,000万円にぎりぎり満たない売上額で申告をしている場合は、消費税の納税を回避する目的で正しく申告していない可能性が疑われる場合もあるでしょう。海外との取引が多く、消費税が免税となる額が大きい場合にも、調査対象となりやすい場合があります。
この他にも「現金による取引が多い」「税務署からの質問や連絡に答えない」「そもそも申告をしていない」といった状況も、税務調査を受けやすいでしょう。
事業規模が大きくなり、収入や支出が多額になると、意図していない申告漏れや計上ミスが増え、修正するべき額も大きくなりがちです。
売上や収入、支出が大きくなってきた場合には、顧問契約できる税理士を探すなど、何らかの対策を採ることを強くおすすめします。

税務調査の大まかな流れ

税務調査を受ける場合の流れや調査期間は、おおむね以下の通りです。

税務署から調査訪問する連絡を受ける

税務調査を受ける際には、多くの場合、税務署から担当職員が調査に訪れる旨の連絡が事前に入ります。 日時を指定されても、都合が悪い場合は日程を調整することも可能です。税務署でも、人手と時間を割いて調査へ出向くわけですから、訪問したのに調査ができない事態は避けたいと考えています。正当な理由があれば、数日~数週間程度であれば対応してもらえるでしょう。

税務調査に訪れる人数は1~2人、調査期間は1~3日

税務調査の日程が決まったら、当日には担当者が1~2名で訪問します。調査にかける期間は1~3日程度となるのが一般的です。パソコンや書類などを提出する必要があるため、税務調査期間中は業務に支障が出やすくなるでしょう。

税務調査開始時に質問されやすいポイントは?

税務調査開始時は、簡単な挨拶の後に会社概要や事業内容についての質問を受けることが多いでしょう。どのような事業を行なっているか、どういった取引による売上があるかといった点について、簡潔にわかりやすく説明できるよう準備しておく必要があります。
事業に関する説明は、通常会社の代表者や個人事業主本人から行ないます。事業に関するパンフレットやプロフィールなどを渡して説明するとわかりやすいでしょう。

税務調査で指摘されやすい事項と答え方

上記のような状況で税務調査を受ける場合、どのような点が指摘事項としてチェックされやすいのでしょうか。指摘されやすい主な科目と、指摘を受けた場合の答え方についてそれぞれ以下で見ていきましょう。

売上の計上漏れや隠ぺい

実際には収入があったのに、売上として計上できていないものがないかをチェックされるケースです。
個人的な金銭の貸し借りにおける返済を受けている口座があったり、現金による取引で口座への入金額と発行した請求書に差異があったりすれば、指摘を受けやすいでしょう。
事業用と個人用の口座を分けておらず、取引がごちゃ混ぜになっているといった場合も、請求書などの書類や口座の取引履歴から指摘を受ける場合があります。

経費の水増し

実際には経費ではないものを、経費として計上していないかチェックされるケースです。接待費や会議費についての指摘もありますが、外注費用は指摘事項として挙がりやすい科目の1つです。どこの取引先に対して、どのような目的で行なった外注なのかを指摘されることが多いでしょう。本来給与として支払うべきものを外注費用として計上していないかは、調査時に細かくチェックされやすいものです。
外注費以外にも、交通系の電子マネーなどによる買い物の計上ミスや、前年度に仕入れた商品を次年度に売り上げた場合など、繰り越し処理に関するミスも指摘されやすいでしょう。
特に交通系カードによる買い物は、間違えて交通費として処理してしまうケースが近年増えてきています。額が大きい場合には悪質とみなされる場合もあるため注意が必要です。

税務調査の指摘事項に関する受け答えのポイント

税務調査で指摘を受けた事項に関する受け答えのポイントとして、とにかく返事を曖昧にしないことが大切です。故意の計上漏れや隠ぺいなどが疑われた際に「そうかもしれない」「よく覚えていない」などと濁さず、毅然と対応するようにしましょう。
担当者に問い詰められて口ごもったり、早く税務調査を終わらせたくて罪を認めたりするような返事をするのも避けましょう。
対応に自信がない場合は、同席を依頼できる税理士と顧問契約をするなどして、対策しておくことをおすすめします。

まとめ

税務調査は、事業開始後一定期間が経過していたり、消費税の課税対象事業者となっていたりするなど、いくつかの条件にあてはまる場合に対象とされやすくなります。
税務調査時には、指摘を受けやすい事項について事前にチェックや準備する期間を設けられますから、収入や支出が大きくなってきた際には、税務調査のサポートに強い税理士と顧問契約を結ぶことをおすすめします。

水商売・キャバクラ・クラブの税務調査で指摘されるポイント

2021.08.07

キャバクラやクラブなど、いわゆる水商売に従事している場合、税務調査や納税についてわからない点が多く、不安に感じる人も多いのではないでしょうか。そもそも水商売に税務調査がくることはあるのか、どんな点を指摘されやすいのかなども気になるところです。
ここでは、キャバクラやクラブといった水商売で税務調査を受ける事例や、税務調査となった場合に指摘される可能性のあるポイントなどについて解説しています。

水商売でも税務調査は来るの?

結論から言うと、水商売であっても税務調査の対象となる可能性は充分にあります。むしろ、水商売は他の業種に比べて、税務調査の対象となりやすい業種であるともいえるでしょう。

水商売に税務調査が入りやすい理由

水商売に従事している人の場合、申告や納税に関する情報にあまり詳しくなかったり、帳簿管理をこまめに行なっていなかったりするケースは多いものです。
水商売の中でも、特にキャバクラやクラブといった店舗では、営業が長期に安定しないケースもあるでしょう。体験入店などで従業員の出入りが激しい場合や、副業的に水商売に従事している場合も多いものです。店舗自体も移転や閉店までのサイクルが短いケースも少なくありません。
税務署の方でも、過去の事例からその事をよく把握していて、早い段階から税務調査の対象として選ばれる場合があるのです。
また、仕入れ先や顧客の会社へ税務調査が入り、店の伝票などから調査対象とされるケースも少なくないでしょう。

税務調査はどんな感じで行なわれる?

税務調査といっても、突然黒いスーツの調査員がたくさん訪れ、逮捕される勢いで追及を受けるようなケースは稀です。
税務署からよほど多額で悪質な脱税行為をしている証拠を掴まれていない限り、税務調査は1人か2人程度の担当者が事前に連絡を入れたうえで、穏やかに行なわれます。
事前連絡も当日ではなく、1週間程度の猶予を持って伝えられることが多く、書類のチェックや修正などに対応できる時間も持つことが可能です。
調査にかかる日数は1~2日程度であることが多く、日中に会計データや請求書、納品書などの書類をチェックされることとなるでしょう。

キャバクラやクラブで働く従業員に税務調査が来るケース

キャバクラやクラブの経営者はもちろんですが、ホステスとして水商売に従事している人へも、税務調査がやって来る場合があります。
ホステスとして働いて得た給与や報酬について確定申告していない場合、無申告状態として、税務署からマークされることがあるからです。
税金を納める必要がある状態であるにも関わらず無申告を続けているのは、事実上脱税しているのと同じことになってしまいます。
毎年きちんと税金を納めている人もいるため、脱税などの行為には、罰としての意味合いで重い税金が課せられます。
キャバクラなどで高収入を得ていて確定申告をしていない場合は、できるだけ早く税理士などへ相談することをおすすめします。

水商売の税務調査で指摘されやすいポイントは?

キャバクラやクラブなどの水商売で税務調査を受けた場合、以下のようなポイントが指摘されやすいでしょう。

健全な営業ができているか

雑居ビルの地下や上階などで深夜に営業している店舗の場合、いつ開店していていつ休業しているのかが把握しにくいものです。現金による精算で手書きの伝票などの場合、金額を操作していないか疑われるケースもあるでしょう。
実際は営業していて売上があるにも関わらず、休業しているように見せかけたり、伝票を改ざんして売上を低く計上していたりといった事実がないか、税務調査では確認されます。
場合によっては税務署の調査員が客の振りをして来店し、営業実態を調べる潜入調査が実施されることもあるでしょう。
潜入調査では税務署の職員であるとは名乗らず、一般企業に勤めるサラリーマンとして接客を受けつつ、不審な点がないかをチェックされます。
そうして事前に証拠を掴んだ上で税務調査に訪れていれば、隠し立てはできないと考えた方がよいでしょう。

人件費などの経費計上が正しくできているか

現金などで従業員に給与を支払っている場合、実際に支払った額よりも多く人件費を計上していないか、個人的に購入したものを必要経費としていないかなどもチェックされがちです。
税務調査では、3年分までさかのぼって調査が実施されます。単純な計上漏れや、科目の振替ミスなども、何年も積み重なればそれなりの額になってしまうでしょう。既に申告が済んでいる期間の帳簿や書類であってもきちんと保管し、過去の申告内容に間違いがないか点検することをおすすめします。
書類の整理や過去の帳簿管理は、水商売以外の業種であっても面倒なものです。税務調査がやって来てから慌てることのないように、日頃からこまめに管理することが大切となるでしょう。

水商売の税務調査が不安な場合は税理士へ相談を

キャバクラやクラブの経営者はもちろん、ホステスとして働いている場合でも、納税や確定申告は必ずしなければなりません。
計上できる経費や売上を正しく申告し、合法的な節税対策をすれば、納める税金も少なく済みます。何よりも税務調査に怯える必要がなく、安心して仕事に専念することができるでしょう。
毎年しっかりと確定申告を行なっているつもりでも、うっかりミスや思い違いなどで、修正する必要があるケースも多いものです。
税務署にマークされやすい水商売だからこそ、税理士などの専門家にチェックしてもらい、適切な申告内容をキープすることをおすすめします。
税理士事務所の中でも、中小企業や法人税の申告、決算だけしか扱っていないなど、個人経営や水商売の帳簿管理などに対応していないところもあります。
キャバクラやクラブにおける税務に強く、業種や規模に関わらず丁寧に対応してくれる税理事務所を見つけるには、初回電話無料の相談を試してみるとよいでしょう。

まとめ

キャバクラやクラブといった水商売は税務調査の対象となりやすく、実際に計上漏れや申告ミスも目立つことが多いため、税務調査が行われやすいのが実状です。
税務調査で指摘されやすいポイントを理解し、必要に応じて税理士のサポートも受けながら、こまめに帳簿を管理するようにしましょう。

追徴課税はいくらになる?税理士が計算の仕方を解説!【個人・法人対応】

2021.07.20

税務調査で無申告を指摘された場合、通常の納税額に加えて、追徴課税も納付することになります。この追徴課税がいくらになるのか、どのような計算になるのかは気になるところです。
ここでは、追徴課税の計算方法について、具体例を挙げてわかりやすく解説しています。

そもそも追徴課税って?

まずは、追徴課税の概要と、どういった場合に追徴課税の対象となるかについて見ていきましょう。

過去に申告漏れなどがあった場合に追加で課税される税金

追徴課税とは、過去の税額が実際よりも少なかったり、申告が漏れていた場合、期限を過ぎて納税や申告したりした場合などに課税される税金のことです。
追徴課税には延滞税や過少申告加算税などいくつかの種類があり、いずれも懲罰的な意味合いを持っています。

追徴課税の種類

追徴課税として加算される税金の種類には、以下のようなものがあります。
延滞税:各税金について、定められた納付期限よりも遅れて納付する場合に加算される税金です。法定納付期限から、全額納付されるまでの日に応じて定められた税率によって計算されます。
無申告加算税:期限を過ぎて提出された申告書にもとづいて加算される税金です。税務調査前に自己申告した場合と、税務調査によって無申告が判明した場合で税率が変わります。また、一定要件を満たしている場合には、期限後の申告であっても加算されない場合もあります。
重加算税:申告漏れや無申告のうち、所得隠しや書類の改ざんなど、悪質であるとみなされる事例に対して加算される税金です。追徴課税の中でも税率が重く、決定すると通常の納税額をはるかに上回る納税義務が生じる可能性もあります。
過少申告加算税:税務調査などで申告漏れや計上ミスなどが判明し、税務署から指摘を受けて修正申告を行なった場合に課税される税金です。
不納付加算税:事業者が支払うべき給与や報酬に対して発生する源泉所得税について、定められた期限内に納付しなかった場合に課税される税金です。期限に遅れたことに気づき自主的に納付した場合と、税務署から指摘を受けて納付した場合とで税額がことなります。

追徴課税の計算方法

上記の追徴課税が決定した場合、税金をいくら払うことになるのでしょうか。いくつかの事例を挙げて、それぞれの計算方法について以下で更に詳しく見ていきましょう。

税務調査で指摘を受けたか、自主申告したかで税率がことなる

追徴課税は、納めるべき税金に対して定められた税率を加算して計算します。納税額によって税率がことなるものもありますが、税務調査で指摘を受けた場合と、自主的に気づいて申告した場合とで大きくことなるものが多くなっています。

【追徴課税の計算事例】税務調査で指摘を受けた場合

税務調査で申告漏れが判明し、100万円の税金を新たに納付する必要がある場合の追徴課税について計算してみましょう。

申告漏れがあり、修正申告する場合

特に悪質だとみなされず、税務調査で申告漏れの指摘を受けた場合、過少申告加算税の課税対象となります。
過少申告加算税の税率は、50万円までは税額の10%、50万円を超える部分は15%となるため、50万円×10%と50万円×15%で、過少申告加算税額は125,000円となります。

無申告が判明した場合

無申告が判明した場合は、無申告加算税の課税対象となります。
無申告加算税の税率は、50万円までは税額の15%、50万円を超える部分は20%となるため、50万円×15%と50万円×20%で、無申告加算税額は175,000円となります。

悪質であるとみなされた場合

悪質であるとみなされた場合は、税率の重い重加算税が課税されることとなります。
重加算税の税率:不納付加算税・過少申告加算税に代えて35%、または無申告加算税に代えて40%となるため、過少申告の場合は100万円×35%で重加算税額は350,000万円、無申告の場合は100万円×40%で400,000円となります。
このように、本来100万円の納付で済む税額が、追徴課税によって最大1.4倍まで大きくなってしまう可能性があるのです。
また、源泉所得税の不納付があった場合には、税額の10%にあたる不納付加算税が課税されます。これらの追徴課税に加え、更に利息のような意味合いで、年2.7%~14.6%の延滞税も加算されます。

税務調査を受ける前に自主的に修正申告した場合

上記の計算は、税務調査で指摘を受けて修正申告した場合の税額です。もし税務調査で指摘を受ける前に計上ミスや申告漏れが判明し、自主的に修正申告をした場合の追徴課税は以下のようになります。

過少申告加算税:課税なし
重加算税:課税なし
無申告加算税:税額の5%
不納付加算税:税額の5%

上記に加えて、納付するべき税額が修正で増えるため、本来の納付期限から追加の税金を全額納付するまでの期間に対して延滞税がかかります。それでも、税務調査で指摘を受けた場合に比べると、自主申告によって課せられる追徴課税は少額であることがわかります。

追徴課税はどこまで遡って支払う必要がある?

税務調査で指摘される申告の期間は、どこまで遡って行われるのでしょうか。

税務調査で調べられる期間は原則3期分

税務調査で遡って調べられる期間は、直近から3期分となるのが一般的です。上記の計算で判明した税額が前年度のみとした場合、それ以前にも申告漏れが判明すれば、追徴課税は更に重いものとなるでしょう。

最長で7年まで遡って指摘される場合も

また、重加算税の対象となるような悪質性があると判断された場合には、3年よりも前まで遡って調査を受ける場合もあります。
過去の申告で問題が見つかった場合は5年、悪質な問題が見つかった場合は、最長で7年分まで調査される可能性があるでしょう。

重い追徴課税の対象とならないためには
・ミスや申告漏れに気づいたら、できるだけ早く自主的に修正申告を行う
・税務調査で指摘を受ける前に修正する
・問題があるとみなされるリスクを避ける
といったポイントを理解して、過去の申告済み書類や帳簿についてこまめにチェックすることが大切です。

まとめ

過去に申告した内容にミスや申告漏れがあった場合、本来納めるべき税金に加えて、追徴課税が課せられることとなります。特に税務調査で悪質性があると指摘を受けた場合は重い重加算税の課税対象となるため注意が必要です。追徴課税を少しでも抑えたいなら、税務調査を受ける前にミスがないかを確認し、自主的に修正を行なうことが大切となります。

税務調査に入られる確率が高い個人事業主の所得はいくらからなの?

2021.07.08

「個人事業主は税務調査に入られる確率が少ない」と耳にすることがあります。裏を返せば、個人事業主でも税務調査がやって来る可能性は十分にあると言えるでしょう。
ここでは、所得がいくらになれば個人事業主でも税務調査を受ける確率が高まるのか、また税務調査に入られやすい個人事業主の特徴などについて解説しています。

個人事業主へ実施される税務調査の割合は?

まずは、毎年行われている税務調査のデータや割合をもとに、個人事業主への税務調査の実態について見ていきましょう。

国税庁では法人の3%程度に税務調査を実施

国税庁では、所得税の申告件数や消費税に関する税務調査を実施した件数などについて、毎年データを公表しています。
所得税や相続税、消費税など簡易調査を合わせると、例年60万件ほどの税務調査が実施されており、税務調査が実施される確率は「実調率」から読み取ることが可能です。
平成28年度の法人税に対する実調率は3.2%となっており、会社などの法人に対しては、3%程度の割合で税務調査が行なわれたことがわかります。

個人事業主への税務調査の割合は?

一方、個人事業主が主な対象となる所得税についての実調率は1.1%となっており、個人事業主へは1%ほどの割合で税務調査が行われたことになります。
ただし、これはあくまで申告されたものに対しての実調率となっており、申告自体をしていない無申告事業者への調査などは別途実施されていると考えると、データに上がらない税務調査の割合はもう少し高くなると考えられるでしょう。

税務署では特定の事業者をマークしている

平成30年の申告所得税件数は2,222万件となっており、税務署の職員や調査にあたる担当者の数には限りがあります。
そのため、申告件数すべてについて、税務署が同等の調査を実施するのは困難なものです。一定の条件に基づいてピックアップされた事業者に対して、より詳しい調査が行われていると考えるのが現実的でしょう。
では、どのような条件に該当する個人事業主が税務調査の対象となりやすいのでしょうか。

税務署はどんな事業所への調査に力を入れている?

税務署は税務調査の目的として、以下のような点を重視しています。

海外との取引が多い

海外取引を多く行っている事業者は、消費税に対して適正な取引となっているかが注目されやすくなっています。
資産を隠す目的で海外へ移していないか、税金を回避するために国外で設立した会社を利用していないかなど、税金逃れを目的とした不正の取り締まりを強化しているようです。

シェアリングエコノミーに関わっている

民泊事業やフードデリバリー請負など、近年台頭しているシェアリングエコノミーに関わる事業についても、税務署では実態の把握に力を入れています。
適正な届出がなされているか、課税や記帳に関して正しく管理されているかといった観点で、是正の意味合いも含めて調査対象とする事例も多いようです。

富裕層への対応

税務調査を実施するには、数日かけて担当者を派遣して資料をチェックするなど、税務署の方でも手間と時間をある程度かける必要があります。
修正申告や追徴課税の額が大きくなりそうな事業者ほど、税務署としては積極的に調査したいと考えるのが現実であるともいえるでしょう。
多額の資産を保有していたり、急激に売り上げが伸びていたりする事業者などに対しては、大都市圏で専用のチームを設置して調査にあたっているようです。

無申告事業者の把握

計上ミスや修正申告といった申告済みの事業者だけでなく、そもそも申告自体をしていない事業者の把握についても、税務署では強化しています。
何年も無申告となっている事業者の場合、悪質性が認められれば、最大で7年分も遡って課税できるほか、重加算税などの重い追徴課税の対象とできるからです。

税務調査の対象となりやすい個人事業主の特徴は?

上記をふまえると、税務調査の対象となりやすい個人事業主には、以下のような特徴があると考えられます。

起業・開業後3年以上が経過している

起業や開業後経過した年月が長くなるほど、税務調査の対象となる確率は高まります。数年経過して気の緩みがないか、会計処理を間違ったまま理解していないかといった点以外に、原則として最低3年までは遡って調査できる点も無関係ではないでしょう。
もちろん、3年が経過する前に税務調査が入るケースもあれば、10年以上調査の対象とならないケースもあります。
とはいえ、開業後3年が経過していたら、過去の申告や資料などについて、改めてチェックしてみるとよいでしょう。

売上高が1,000万円を超える

売上高が1,000万円を超えると、個人事業主であっても消費税の納付義務が発生します。1,000万円以上が所得税の課税対象となると同時に、消費税についても調査対象となるため、税務調査に入られる確率は高まるでしょう。
また、1,000万円に少し満たない額での申告が続いている事業者についても、実際は消費税の納付義務があるのではないか、という観点から、調査の対象となりやすくなると予想されます。

海外投資やシェアリングエコノミーに関連する売上が多い

海外との取引といえば、従来までは輸出入や不動産投資などが主な事業となっていましたが、近年ではオンラインを利用して、さまざまな業種で海外取引が利用されています。
民泊事業やデリバリーの請負などで海外の企業と収支の取引がある暗号資産などの取引で、急激に大きな利益が出ているといった場合には、適正な申告ができているかを把握する目的で調査対象となる可能性もあるでしょう。

無申告事業者

無申告である実態は金融機関への情報照会や取引先への税務調査で発覚するほか、第三者からの密告などで判明することも多いものです。
これまで無申告を続けてきた場合は、本当に申告の必要がないのかも含めて、税理士などの専門家へ相談してみることをおすすめします。

まとめ

個人事業主が税務調査に入られる確率は全体としては多くはありませんが、所得税の課税対象となる売上が1,000万円に近いか、それ以上の場合は調査対象となる確率が高まります。
それ以外にも、税務調査に入られやすい特徴で挙げた点に心当たりがある場合は、税理士事務所などでアドバイスを受けてみるのがよいでしょう。

脱税・申告漏れ・所得隠しをしたらどうなっちゃうの?

2021.07.05

脱税や所得隠しというと、映画やドラマなどで大手企業や富裕層に国税庁の調査が入るイメージがあります。しかし、こうしたセンセーショナルなものでなくても、税務署から調査が入って申告漏れや脱税を指摘されるケースは多いのです。
ここでは、脱税や所得隠し、申告漏れなどが発覚する経緯や、その後の流れなどについて解説しています。

脱税や所得隠し、申告漏れがバレてしまう理由は?

税務署内では、過去に調査対象とした膨大な脱税や所得隠しのデータを蓄積しています。ちょっとした隠ぺい工作などが簡単にバレてしまうのはこのためです。脱税や申告漏れ、所得隠しなどがバレやすい手口として、以下のようなものが挙げられます。

売上計上日の操作

決算月に計上するべき売上を意図的に翌月へ繰り越したり、納品書や請求書の日付をずらしたりといった行為は、売上の不正操作が疑われやすいものです。
金融機関への入出金状況や運送会社などへの履歴確認と併せて、取引先の調査などからも、日付の操作は発覚します。
金額が大きかったり、決算に関連する月に日付の相違があったりする場合、単純な入力ミスや思い違いなのか、意図的な操作なのかについて、税務調査で更に詳しく調べられることとなるでしょう。

売上額の過少申告

実際は営業していたのに休業していたように見せかける、営業時間を短く偽り、売上額を少なく計上するといった行為も、税務署の調査対象となれば発覚しやすいものです。
税務署では、調査対象となった店舗の営業時間を確認する目的で顧客として潜入したり、仕入れと実際の在庫との相違をチェックしたりするなど、さまざまな手法で隠ぺいや帳簿操作を暴くのです。

現金取引や海外取引が多い業者はチェックが厳しくなることも

銀行やクレジットカードなどの履歴に残らない現金による取引や、消費税の対象とならない海外取引を多く行っている事業者も注意が必要です。税務署では、こうした取引に対して税務調査の対象とすることが多く、チェックもより厳しいものになります。
取引先の企業が税務調査対象となって発覚するケースや、第三者からの通報、密告によって調査が始まるケースなどもあるため、不正を行ないやすい取引であるほど、正しい申告が重要だと考えた方がよいでしょう。

こうした取引以外にも、架空の接待費や交通費の計上、生活費の経費計上といった些細な不正でも、ひとたび税務調査が入れば指摘を受けて修正申告となり、追徴課税の対象となるケースもあります。
では、申告自体をしていない「無申告」の場合でも、税務調査の連絡が来るケースはあるのでしょうか。

税務署は無申告の事業者をどうやって調査している?

無申告の事業者について、税務署では以下のような手法で把握に努めています。

取引先への調査

自分自身は無申告で営業を続けていても、仕入れや売上を申告している取引先があれば、そこからの情報をもとに調査の手が伸びるケースもあります。
個人・法人を問わず、取引先が税務調査を受ければ、取引の際に交わした契約書類や個人情報をもとに、無申告の可能性がありそうな業者を洗い出すこともできるでしょう。

タレコミ・密告など

第三者によるタレコミや密告で、無申告が見つかるケースも少なくありません。恨みを買うような心当たりがなかったとしても、申告していないことをどこかでうっかり口に出していれば、ひそかに快く思わない人が通報する可能性もあります。
税務署でも、すべてのタレコミや密告に関して、平等に時間をかけて調査するわけではありません。中には、偽の情報やいわゆる「ガセネタ」が含まれている可能性もあるからです。
しかし、過去の蓄積されたモデルケースから可能性の高いタレコミを見分けて、調査対象とされてしまえば、かなり細かい部分まで調べられてしまうでしょう。
金融機関や役所に限らず、携帯電話や公共料金、住宅の契約・支払状況まで、税務署はあらゆる機関へ情報提供を求めることが可能です。
1度の無申告であれば、事業者に何らかの事情があって申告が遅れている可能性も考えられます。無申告の状態を何年も続けているほど、調査の対象となる可能性は年々高まると考えるべきでしょう。

税務署に脱税・申告漏れ・所得隠しがバレた場合はどうなる?

無申告や脱税、所得隠しなどが税務署にバレると、多くの場合以下のような流れを取ることとなります。

税務調査の連絡が入る

映画やドラマなどで、突然何の連絡もなく国税の査察官が調査にやって来るシーンを目にすることがありますが、多くの税務調査では、個人・法人を問わず事前に税務署より連絡を受けるケースがほとんどです。
事前連絡では税務調査で訪問したい旨を伝えられ、都合の良い日程についても、ある程度調整してもらうことができます。
税務署でも「訪問したのに担当者不在で調査が進まなかった」「資料が不足していて訪問が無駄になった」という事態は避けたいと考えています。調査自体を拒否することはできませんが、1週間程度であれば、過去の申告をチェックしたり、税理士などへ相談したりする猶予も作ることができるでしょう。

税務調査に要する期間は数日程度

税務調査で訪問を受ける期間は、3日前後であるのが一般的です。税務調査の担当者が2~3名で事務所を訪れ、パソコンや過去の請求書といった資料をチェックするほか、通帳やクレジットカードの明細なども確認されることがあります。
この間、通常の営業や取引に支障が出るケースもあるため、日程調整をしてもらえる場合は、繁忙期を避けるようにするとよいでしょう。

連絡なしに突然調査が入るケースもある

税務調査は事前の連絡があるのが基本とはいえ、中には突然調査員がやって来るケースもゼロではありません。
こうした場合、税務署ではかなりの確立で多額の脱税が行われていると考える証拠を掴んでいる事が多く、証拠隠滅を防ぐために連絡なく調査に訪れます。こうした調査では修正申告に加え、重い追徴課税は免れないと考えた方がよいでしょう。

まとめ

たとえ脱税や申告もれ、所得隠しについて税務署が把握していたとしても、勘違いや計算ミスといった可能性もあるため、正しい納税を指導する目的で調査が行われるケースが多いものです。
とはいえ、調査を受けてから課税されれば、通常よりも多くの税金を納めなければならなくなります。過去の申告書類で不安な点がある場合は、税務調査対応に実績を持つ税理士事務所の無料相談などを受けてみるとよいでしょう。

コロナ禍で支給される給付金目当てで確定申告をしたら税務調査がくるって本当?

2021.05.25

コロナ禍で営業や経営が思うようにいかない個人事業主の方の中には、各種給付金の申請を検討している方も多いことでしょう。
国や地方自治体が実施している給付金の申請には、前年度の確定申告が必要となるケースがほとんどです。給付金の支給を目的に確定申告をした場合、そのことで税務調査がやってくることはあるのでしょうか。

コロナ禍で支給される給付金とは?

コロナ禍で支給される給付金には、以下のようなものがあります。

持続化給付金

コロナウイルスの影響により、前年度に比較して50%以上売上が減少した事業者が申請できる給付金です。個人事業主で100万円、法人で200万円が支給されます。
申請には前年度の確定申告書類のほか、売り上げの減少がわかる帳簿のコピーなどが必要です。
※書類提出期限は2021年2月15日で終了しています。

営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金

緊急事態宣言や蔓延防止措置が発出された地域において、時短営業や休業の要請に従った場合に申請できる協力金です。申請期限や条件、支給額については、各地方自治体によって異なります。
協力金の申請には、営業許可証や誓約書のほか、前年度の確定申告書控えも必要です。

家賃支援給付金

コロナウイルスの影響で売上が減少し、家賃の支払いが困難となっている事業者へ支給される給付金です。
申請には賃貸契約書の写しや売上の減少を証明する書類のほか、前年度の確定申告書控えが必要となります。
このほかにもさまざまな補助金や助成金などがありますが、法人や個人事業主として申請する場合には、基本的に売上や所得を証明する書類の提出が必要です。

給付金の支給目当てで確定申告をしたら税務調査がくるの?

各種給付金を支給するために確定申告をした場合、必ず税務調査がやってくるのでしょうか。

前年度のみ確定申告した場合は疑われやすい

コロナ禍で支給される給付金の申請には、多くの場合前年度の確定申告書類が必要となります。言い換えれば、長年無申告状態であった人でも、給付金の申請目的で前年度のみ確定申告をすれば申請に必要な書類は揃うため、給付金の申請や給付を受けることはできるでしょう。
しかし、前年度よりも前の年度について無申告であったり、支給を受けて以降の確定申告をしていなかったりする場合には、税務署に無申告であることを疑われやすいのです。
現に、当社にも給付金の申請をして税務調査が入ったお客様からのご相談をいただいております。

無申告が疑われる場合は税務調査の対象に

給付金の申請書類を揃える目的で、1期分のみ確定申告をした状態について、税務署は「この年だけ確定申告しているのは何故だろう」と考えるのは自然なことだといえます。「前年度以前や以降について無申告状態ではないのか」と疑われてもおかしくないのです。
無申告が疑われる事業者がいれば、税務署は税務調査の対象とします。長年にわたって無申告が続いている可能性があると思われれば、早い段階で税務調査の連絡を受けることもあるでしょう。

税務署が給付金目当ての確定申告を見抜くポイントは?

「税務署は忙しいから、個人の申告書類をいちいちチェックしないだろう」と考えたくなるかもしれません。確かに、税務署でもすべての申告書類を細かくチェックするのは難しいでしょう。
しかし、日々さまざまな申告書類に目を通していれば「何か怪しい」「これはおかしい」といった違和感を税務署の担当職員が持つことは、素人よりも難しいことではありません。
無申告や給付金目当てで提出した確定申告書類には、毎年しっかりと申告している書類よりも目立ちやすいものです。
こうした怪しい申告書類を見抜く視点に加え、税務署独自のルートや第三者からの密告などで、不正の疑いがある法人や個人事業主は絞り込まれていきます。

無申告には重いペナルティが科せられる?

無申告の期間が長いと、重加算税などの追徴課税が徴収され、通常の税金よりも多額の納税義務が発生します。税務調査で指摘を受けて修正申告をした場合、支給された給付金を上回る税額を現金で一括払いしなければならないケースもあるのです。

税務調査のリスクを減らすには?

給付金の申請や支給を受けるために確定申告をする際には、以下のような点を守ることで、税務調査のリスクを減らすことが可能です。

無申告の期間があれば遡って申告する

給付金の申請時に確定申告をするのであれば、前年度分に限らず無申告の期間はすべて遡って確定申告しましょう。無申告期間が長ければ重加算税の課税対象とはなってしまいますが、自主申告した場合は税務調査で指摘を受けて課税されるよりも低い税率に抑えられ、追徴課税でもっとも重い重加算税の課税も回避することができます。
そもそも確定申告は給付金とは別物であり、コロナ禍や給付金の申請・支給とは関係なく毎年済ませるべきものです。1人で数年分の確定申告書類を準備するのが難しい場合は、個人の確定申告相談に対応している税理士へ相談するなどして、これを機会に正しい申告と税金の知識を身につけましょう。

虚偽の確定申告をしない

給付金の申請では、コロナウイルスによる影響で売上が減少しているとわかる資料が必要となります。前年同月と比較して、一定の割合で減少していることがわかれば申請可能であるものが多いため、売上があった日付を操作して記帳したいと考える場合もあるでしょう。
しかし、実際に入金された銀行の日付と帳簿上の日付が異なっていたり、実際よりも売上を少なく申告したりする行為は虚偽にあたります。
税務署では個人や法人の銀行口座を調査することもできるため、こうした虚偽の申告が疑われれば、税務調査が入る可能性も高まるでしょう。

まとめ

コロナ禍ではさまざまな給付金や支援金制度が実施されており、多くの場合申請や支給には前年度の確定申告書類が必要となります。
給付金目当てで確定申告をすること自体が税務調査の理由とはなりませんが、前年度よりも前に無申告の期間がある、給付金目当てで不正申告をしているといった疑いを持たれれば、それを理由に税務調査がくる可能性は高いでしょう。
給付金の申請と確定申告は別物であると考え、これを機会に無申告期間をなくして、節税対策や正しい税金の知識を身につけることをおすすめします。