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期限後申告はいつまで税務署は受け付けてくれるの?

2022.07.06
期限後申告はいつまで税務署は受け付けてくれるの

確定申告の期限後申告について、税務署はいつまで受け付けてくれるのでしょうか。
忙しくて書類の作成をついつい後回しにしていたり、期限の日付を間違えたりして、うっかり申告期限を過ぎてしまうケースもあるでしょう。
ここでは、期限後申告を受け付けてもらえる期間や、期限を過ぎていても申告することで得られるメリットなどについて紹介します。期限後申告する際のポイントについても解説していますので、心当たりのある方は参考にしてください。
無申告の状況で税務署から連絡があった方はすぐに税理士法人松本へご連絡ください。



期限後申告を受け付けてくれる期間

申告期限を過ぎても税務署が受け付ける期間は原則「5年」

確定申告の期限を過ぎてから申告しようとする場合、税務署が期限後申告として受け付けてくれる期間は、原則として5年間です。
無申告の状態を長期間続けていて、税務調査によって所得隠しなどの指摘を受けた場合には、7年まで遡って申告を求められる場合もありますが、悪意のない無申告である場合、遡れる期間は5年となります。

通常の申告期限はいつまで?

通常の確定申告は、毎年2月16日から3月15日までです。開始日や期限日が土日や祝日となる場合は、その翌日が開始・期限となります。 この期間中に、前期1月~12月の1年分の申告書類を作成し、提出して税金を納付しなければなりません。

期限後申告をした場合のメリットは?

払い過ぎた税金が戻ってくる場合がある

確定申告は、収入があった場合だけでなく、損失が出た際に還付申告をおこなうことで、払い過ぎた税金を還付してもらえる場合があります。 株式投資や先物取引などで利益が出ず、損失となっている場合には、青色申告で損失を申告すれば3年間繰り越しすることが可能です。
こうした還付や繰り越しは、期限後申告であっても要件を満たしていれば受けることができます。

無申告加算税が軽減される

期限後申告で納めるべき税金が発生する場合、期限通りに申告している人に対して、期限後申告ではペナルティとしていくつかの税金が加算されます。 無申告加算税はその1つで、15~20%の税率となりますが、期限後であっても自主申告した場合には、5%まで軽減することが可能です。
また「申告期限後1ヵ月以内」「申告期限内に税金を納付している」といった一定の条件を満たしている場合には、無申告加算税の適用を免れることができる場合もあります。

無申告のペナルティやリスクを低減できる

申告期限を過ぎてから期限後申告をするまでの間、申告するつもりがあったとしても、申告書類を提出するまでは無申告の状態となります。
無申告を長期間続けている、税務調査が入るまで自主申告をしていないという場合、無申告加算税や延滞税のほかに、重加算税も適用されてしまう可能性があります。重加算税は税額に対して35~40%もの税率となるため、可能であれば適用を避けたいところです。
また、連続して期限後申告をした場合、青色申告の承認が取り消されてしまいます。こうしたリスクを低減するためにも、期限後申告は自主的におこなった方がよいのです。
もちろん、期限内に申告するのがもっともおすすめであることは言うまでもありません。

期限後申告する際に押さえておきたいポイント

忙しくて申告期限に間に合わなかった場合

申告期限から1ヵ月たっておらず、すでに税金は納付していて今回がはじめての期限後申告である場合、無申告加算税がかからず申告できるかもしれません。延滞税は日割りでかかってくるため、できるだけ早く申告しましょう。
税理士法人松本では期限後申告の対応も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。



無申告状態が長期間続いている場合

長期間申告をしていない場合、税務署で無申告の状態であることを把握されていたり、税務調査の対象としてリストアップされていたりする可能性が高まります。 最長で5年間までさかのぼって申告することができるため、申告していない期間については、すべて書類を提出しましょう。 税務調査で指摘を受けてから申告すると、税率の高い重加算税の課税対象となりやすく、納める税金も高額となります。 売上や経費が確認できる書類を揃え、収支をまとめた結果毎期赤字となっている可能性もあり、この場合は税金の還付が受けられる可能性もありますが、申告しなければ無申告の状態であることと違いはないため、5年の間に申告漏れがないか、一度確認してみることをおすすめします。

過去の損失を申告していなかった場合

株式の取引やアフィリエイト、FXなどで損失が出ていた場合でも、期限後申告をすることで税金の還付や、損失の繰り越しなどが可能となります。ほかの事業で出た損失についても、5年間に申告漏れがなかったかをチェックしてみるとよいでしょう。

期限後申告について不安なら専門家へ相談を

「1日も早く期限後申告をしたいが時間がない」「正しい申告書類を作れる自信がない」「どのくらい税金がかかるのかわからない」といった場合には、確定申告や期限後申告、税務調査などのサポートに強い税理士事務所へ相談してみましょう。
期限後申告や税務調査の取り扱い実績を多く持っている税理士事務所では、あらゆるケースに対応できるプロの税理士から、初回無料などでアドバイスを受けることが可能です。自分で準備するよりも早く、かつ適正で正しい申告にくわえて節税対策や事前の心構えなども聞くことができるため、不安な場合は専門家の力を借りた方が負担は大きく軽減されます。

まとめ

期限後申告は、原則として最長5年間までさかのぼって申告することが可能です。条件によっては無申告加算税や重加算税もかかることなく、税金の還付を受けたり、損失を繰り越して当期にあてたりすることもできます。税務調査が入る前にできるだけ早い段階で、必要なら専門家の手も借りて期限後申告を済ませましょう。

YouTuberの収入情報は国税庁や税務署の電子商取引専門調査チームが常に情報収集している?

2022.04.08

近年、YouTuberは憧れの人気職業として確立されてきています。YouTuberに限らず、ネットオークションやウーバーイーツなど、インターネットを介したサービスを利用するだけでなく、ビジネスや気軽な副業としても定着してきている印象です。こうしたインターネット上の取引は、税務署においてどのように捉えられているのでしょうか。
ここでは、YouTuberをはじめとするインターネットビジネスの収入情報がどこまで税務署に知られているのか、税務調査の対象になる可能性などについて解説しています。 きちんと申告できていない方や税務署より税務調査の連絡がきた方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



YouTuberの収入情報はどの程度把握されているのか

YouTuberの収入について、税務署ではどのように扱われているのでしょうか。

YouTuberの収入は比較的容易に把握されている

結論から言うと、YouTuberの収入情報は実は意外と掴みやすいと言えます。YouTubeでは、収益化できる条件などが公開されているため、税務署でなくてもある程度収入を予想することは可能です。

他のネットビジネスよりもわかりやすいYouTube収入

売れっ子のYouTuberともなれば、有名芸能人並みに収入があり、事務所へ所属してTV出演やタイアップ広告などの仕事を受けている場合もありますが、そうしたインフルエンサーと呼ばれるYouTuberは、全体のわずかひと握りに過ぎません。
その他大勢のYouTuberであっても、YouTubeのチャンネル登録者数と投稿している動画の本数、視聴回数などから、およその収入を割り出すことは可能です。YouTubeで確定申告の必要がある程収益が出ているにも関わらず無申告状態にしている場合、既に税務署が調査対象としてマークしている可能性もゼロではないのです。
YouTubeというメディアに露出しているYouTuberという職業は、ある意味他のインターネットビジネスよりも収入がわかりやすいと言えるでしょう。

国税局にはYouTuberを含むインターネットビジネスの専門チームがある

YouTubeに限らず、ネットオークションやシェアリングエコノミーなど、インターネットを介したビジネスに従事している人は増えてきています。特にウーバーイーツなど、気軽な副業として始めている人は多く「実店舗やオフィスを構えているわけではないため、無申告でもバレないのではないか」と考えている人も少なくないようです。国税局が発表しているデータでは、ネット通販やオークションに伴う事案の約7割が無申告となっていることがわかっています。
1件あたりの申告漏れ額も900万~2,000万円前後と大きいため、国税当局では「電子商取引専門調査チーム」を設置し、情報収集や調査に力を入れています。
オンライン取引で収益が見える化しやすい点と、無申告数の多さから国税庁が情報収集を強化していることから、今後YouTuberやウーバーイーツの収益を申告していない人の元へ税務調査がやって来る可能性は高いと言えるでしょう。

確定申告が必要となる収入の目安

YouTuberに限らず、確定申告が必要となる収入の目安は以下のようになっています。

年間の所得が20万円を超えたら確定申告が必要

副業であっても、年間の所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要となります。もしYouTubeによる収益が20万円以上あった場合でも、そこから必要経費や各種控除額を差し引いた額が20万円を下回る場合には、所得税の確定申告はしなくて良い場合もあります。
ただし、YouTube以外のSNSによる広告収入や、ネット通販、アフィリエイトといった収入も含める必要があります。

YouTuberが必要経費として認められる内訳は?

YouTuberの場合、以下のような支出は経費として認められるでしょう。
・動画編集ソフト
・カメラ、ライトなどの撮影機材
・動画で使用した備品、消耗品類
・撮影時にのみ着用した衣装
・その他撮影にかかる通信費、交通費など
しかし、プライベートで使用していないと言い切れない場合には、税務調査の際に経費と認めてもらえない場合もあるため注意が必要です。
また、自宅で撮影している場合は、撮影スタジオとして使用しているスペース分の家賃を按分して地代家賃として計上することも可能な場合があります。
確定申告や会計に関する知識で迷った場合は、YouTuberや個人事業主のサポートに強い税理士へ相談してみると良いでしょう。



確定申告が必要なYouTuberの具体例

最後に、確定申告が必要となるYouTuberのケースについて、いくつか例を挙げて確認してみましょう。(※わかりやすく説明するために控除額は加味しておりません。)

例1:

本業はサラリーマンで、インターネットビジネスの副業をしている。
YouTubeの年間所得が5万円、ネット通販の年間所得が18万円~23万円
副業で20万円以上の所得があるため、確定申告が必要です。

例2:

個人事業主として、実家でYouTuberを専業にしている。YouTubeの年間所得が35万円
個人事業主の場合、YouTubeで得た所得は事業所得として確定申告が必要となりますが、年間の所得が48万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要となります。
確定申告が不要なケースでも、申告することで税金の還付が受けられる場合があります。自身に現在確定申告が必要となるか、所得の計算方法がわからない場合は、税理士事務所の無料相談などを利用してアドバイスを受けてみましょう。

「バレないだろう」と無申告状態を放置していても、税務署がすぐに指摘して来ることはありません。税務調査では3年以上前まで遡って調査し、追徴課税することができるため、税務調査の連絡が来た頃には多額の課税が発生していたというケースも決して珍しくないのです。

まとめ

インターネットビジネスは電子送金が基本のため全て記録が残ります。また再生回数等である程度予想ができてしまうため誤魔化すことは難しいものです。YouTubeによる収益やその他インターネットによる収入が年間どの位になっているか、所得がいくらになるかによって、確定申告が必要かどうか決まります。
最近はとくにインターネットビジネスの調査に国税庁が力を入れているため、無申告を放置していても良いことはありません。逆に言えば、正しい申告ができていれば、税務署を必要以上に怖れる必要もないのです。
不安な場合はネットビジネスや個人事業主の確定申告のサポートに実績を持つ税理士に相談するなど、早めに正しい申告を行うようにしていきましょう。

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請求書がない?!資料を紛失したまま税務調査に対応する方法とは?

2022.03.18

「取っておいたはずの請求書がない」「請求書を紛失してしまった」など、保管しておかなければならない請求書や領収書を紛失してしまった場合、税務調査時に指摘されたらどのように対応したらよいのでしょうか。
ここでは、請求書や領収書を紛失した場合の対処法や、請求書や資料を紛失したまま税務調査に対応する際の方法について解説しています。 請求書などの資料を捨ててしまい、どうしたらよいか不安を抱えている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



請求書や領収書がない場合の対処法

支払いをしたのに、その時の請求書が見つからない!といった場合は、以下のような対処法をお勧めします。

取引先へ再発行を依頼する

請求書や領収書について、取引先へ再発行を依頼できるようであれば、再発行してもらうとよいでしょう。再発行を依頼しなくてもよいように、原本だけでなく、メールによるデータ添付なども利用することをお勧めします。メールに添付されたデータであれば、メール自体を削除してしまわない限り、印刷して保管することも可能です。
ただし、スーパーやコンビニなどのレシートを紛失した場合には、再発行は難しいでしょう。

取引と支払いが確認できる書類を揃えておく

請求書の再発行が依頼できないケースや、そもそも請求書を取らずに支払いをしていた場合には、請求書に代わる書類が残っていないかを確認してみましょう。
請求書の代わりとして使うためには、書類に以下の内容が記載されている必要があります。
・取引先名
・取引日
・名目
・金額

上記内容が確認できる書類であれば「業務完了確認書」「支払依頼書」など、請求書の名称でなくても、請求書類とすることが可能です。
また、請求書と領収書のいずれかを紛失しても、どちらかが残っている場合には、証拠書類としてどちらか一方だけでも問題とならないケースもあります。

支払い明細を作成する

銀行の入出金明細だけでも支払いの事実を証明することはできますが、厳密に「この取引に対しての支払いである」という証明には弱い場合があるため、請求書や領収書が再発行できない場合には、併せて支払い明細も作成しておくとよいでしょう。
銀行の入出金履歴などと共に、支払い日と支払い名目などをリストにまとめた明細を作成し保管することで、より信頼性を高められます。

申告後に請求書や領収書を紛失したことが発覚した場合

請求書や領収書を紛失していることが申告後に発覚した場合には、どのように対処するべきなのでしょうか。

ごく一部であれば再発行や代替書類で対応できる

申告した経費の中のごく一部が紛失しているのであれば、上記で挙げた再発行や支払い明細などを作成することで対応できる場合があります。
ただし、金額が大きい、支払ったことのない取引先である、名目が不明など、不審な点が多ければ、たとえ1枚でも税務調査で問題視される可能性は高まってしまいます。
その辺りの見極めが自身で判断できない場合は、税理士などへ相談してみるとよいでしょう。



請求書や領収書を紛失したまま税務調査に対応する方法

請求書や領収書を紛失したまま税務調査を受けることになった場合は、以下のように対応しましょう。

できるだけ書類を揃える

紛失している書類については再発行できないか、できない場合は明細を作成できるか、請求書に代わる書類がないかなど、できる限り書類を揃えるように努めましょう。それ以外の書類についても月別や科目別に見やすく整理し、ファイリングして管理するなど、税務調査がスムーズに進むようにしましょう。書類を紛失した場合に限らず、税務調査や調査官へ協力する姿勢は大切です。

修正申告をする

経費計上した後に書類が見つからない場合、税務調査前に修正申告を行えば、追徴課税を軽くすることができます。大量に請求書を紛失していて、多額の経費を雑損失などへ振り替えるといった帳簿操作をすると、脱税や所得隠しなど悪質性を疑われる可能性もあるため、慎重に過去のデータをチェックする必要があります。

不安な場合は税理士へ相談を

修正申告する場合も税務調査に対応する場合も、税務や法律に関する知識が深くないと、どう対応するのが適切であるのか判断がつかないことが多いでしょう。
税務調査や日頃の帳簿、書類管理について不安や悩みを抱えているなら、税務調査対応などに強い税理士へ相談してみるのも1つの方法です。
税理士には守秘義務があるため、細かいところまで相談しても、外部に漏れる心配はありません。
書類の準備方法や必要である書類の揃え方、管理方法や紛失した場合の対処法まで、ケースに応じてアドバイスをもらうこともできます。
安心して日々の営業に専念するためにも、初回の無料相談などを利用して、信頼できる税理士事務所を見つけておくとよいでしょう。
修正申告が必要な場合でも、税理士へ依頼した方が安心です。適正な申告に加えて、節税の観点からも、より良い対処法を教えてもらうことが可能です。

まとめ

請求書や領収書を紛失した場合は、再発行を依頼できる場合は再発行してもらうのがもっとも安心な方法となります。再発行が難しい場合は、代わりとなる書類を揃える、または入出金履歴に対応する支払い明細を作成するなどして、整合性が確認できるような状態にしておくことが大切です。
大量の請求書や領収書を紛失してしまった場合には、経費計上を諦めて、既に申告した内容について修正申告した方が、ペナルティが軽減される場合もあります。
書類を紛失したまま税務調査を受けることとなった場合、できるだけ書類を揃えるように努め、修正申告が必要と判断される場合は、修正することとなるでしょう。
修正申告の判断がつかない場合や、書類の揃え方がわからない場合、税務調査での対処法がわからない場合には、税理士事務所へ相談してみましょう。

税務調査の結果、国税庁発表の申告漏れ業種にプログラマーが1位にランクイン!

2022.03.14

税務調査で申告漏れが発覚した業種として、令和3年に国税庁が発表したデータでプログラマーが1位にランクインしたことをご存じでしょうか。
前年のランク外からトップに躍り出た業種となったプログラマーは、どのような点が申告漏れとして指摘されることとなったのでしょう。
ここでは、国税庁が発表している令和2事務年度のデータより、申告漏れの原因やプログラマーがランクインした理由、申告漏れの指摘を受けやすい事由などについてわかりやすく解説しています。 まだ確定申告が完了していない方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



国税庁発表のデータでランクインしたプログラマー

国税庁では、税務調査を行った件数や申告漏れの多かった業種などについて「所得税及び消費税調査等の状況」として、毎年統計を発表しています。令和2年度のデータについては令和3年11月に発表されており、2022年2月現在最新のデータとなっています。

令和2年の税務調査の状況は?

令和2年度はコロナ禍であったこともあり、全体的な調査件数は例年よりも少なくなっていましたが、高額な申告漏れや悪質な所得隠しが疑われる事業者への調査は強化傾向にあったようで、所得税の実地調査で申告漏れが発覚した額は前年比より53%もアップしていました。
こうした状況もあり、例年ではランク外であった業種からも多くの申告漏れが発覚したようです。

例年ランクインの業種が圏外となったケースも

プログラマーのように、ランク外からランクインした業種もあれば、例年トップクラスの申告漏れを記録していた業種であるにも関わらず、令和2年度にはランク外となった業種もあり、風俗業がそれにあたります。
風俗業に従事する個人事業主は1年間で急速に適正な申告が浸透したとは考えにくく、コロナの影響によって利益が大幅に落ち込んだ結果、ランクインするほど多額の申告漏れが発生した件数が減少したと予想されます。

プログラマーが申告漏れ業種1位になった理由は?

令和2年度のプログラマーが申告漏れ業種で1位になった理由としては、暗号資産の販売ソフトなどの開発に携わったプログラマーが、ソフト販売に関わる利益について、2億円もの所得漏れがあったといったニュースもあり、こうした高額の申告漏れが影響していると予想されます。
それ以外にも、プログラマーは在宅勤務も多く、コロナ禍の影響を受けにくかった点なども挙げられるでしょう。
なお、令和2年の申告漏れ業種2位は牛肉の畜産業、3位は内科医、4位にキャバクラと続いています。

申告時にプログラマーが気をつけるべき点は?

申告漏れ業種の1位にランクインしたプログラマーは、今後も税務署からマークされやすい業種となる可能性があります。プログラマーに限ったことではありませんが、申告の際に気をつけるべきポイントとして、以下にいくつか紹介します。

売上の計上漏れ、経費の水増し計上は要注意

税務調査では、売上の申告漏れがないか、経費の水増しをしていないかについて、とても細かくチェックされます。 所得税申告の際の基本的な計上科目であるため、ミスや漏れも起こりやすくなります。申告前に何度もチェックし、計上漏れや二重計上などがないようにしましょう。 特にプログラマーという職業の場合、税務署では仕入などの経費はほぼ発生しないという見解を持っていることが多いものです。 接待費や仕入などが高額となっている場合、使途や用途について細かく質問されたり、調査対象に選ばれやすくなったりする可能性があるでしょう。

税務調査で指摘されやすい売上の「期ズレ」とは

税務調査では、売上の期ズレについても指摘されやすいでしょう。期ズレとは「本来とは異なる年度での売上計上」が発覚した場合に呼ばれる名称です。
昨年に購入したパソコンを計上せず、翌年に計上したと聞けば「それは明らかなミスだ。そんなことは起こらない」と思うかもしれません。
しかし、事業所得において売上を計上すべき時期に関する理解が充分でないと、知らず知らずのうちに売上計上時期を間違えてしまっているケースがあるのです。
例えば、物の引渡しがない役務提供を12月までに完了し、翌月の1月末に支払いを受けたとします。その売上を入金があった1月に立ててしまうと期ズレとみなされてしまいます。
これは入金は起こっていなくても、役務の提供を完了した日に売上を計上しなければならないからです。
事業所得の総収入金額の収入すべき時期については、国税庁に詳しく記載がありますので、参考までにご確認ください。
国税庁サイト:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/01.htm
プログラマーが税務調査の対象となった場合、売上の期ズレや経費の用途は特にチェックされると覚えておきましょう。

確定申告が不安な場合は税理士へ相談して対策を

経費をどこまで計上して良いのか、レシートの管理や支払い明細の作成方法、売上の期ズレとみなされないための記帳の仕方など、会計や税務の知識がないと、なかなか適正に申告するのは難しく、手間も時間もかかったうえに、適正に申告できていないケースも少なくありません。
税務調査の対象とならないか、自身の過去の申告内容に不安がある、今後のことを考え、今のうちにしっかりと申告納税できるようにしておきたいと考えるなら、信頼できる税理士へ相談しましょう。
税理士の中でも、個人事業主やプログラマーなどの小規模経営者の顧問、税務調査対応などの取扱実績が多い税理士事務所を選んで相談するのがお勧めです。
税務署ではどこを重点的にチェックされるか、どういった記帳方法が望ましいかといったサポートが得られるだけでなく、税務調査となった場合の対応についても安心して任せることが可能です。



まとめ

国税庁発表のデータでは、令和2年度の申告漏れ業種の1位はプログラマーでした。
コロナ禍となったこともあり、影響を受けにくい業種の1つであるプログラマーの申告漏れが目立ったと予想されます。
プログラマーの申告内容では、売上の期ズレや経費の用途などを重点的にチェックされることとなるでしょう。特に売上の期ズレは収入すべき時期に基づいて申告する必要があります。
不安な場合は税理士へ相談するなどして、ペナルティを受けることのないよう適正な申告に努めましょう。


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無申告のままクレジットカードを使いすぎていたら税務調査が来た?!

2022.02.08

確定申告をせずにクレジットカードを利用していると、税務調査がやって来る…そんなことが本当にあるのでしょうか。クレジットカードを使用していることが税務署にバレてしまうのか、クレジットカードの利用が税務調査と関わりがある理由も気になるところです。
ここでは、無申告のままクレジットカードを使った場合の税務調査との関係や、対処法などについて解説しています。無申告状態から抜け出すための方法についても紹介していますので、無申告に関する知識やクレジットカードを利用する際の参考としてお役立てください。収入は無申告の状態でクレジットカードを多額に毎月利用している方で不安を抱えている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



クレジットカードが及ぼす申告への影響は?

クレジットカードの利用については、以下の点が確定申告に影響する可能性があります。

知らない間に使いすぎてしまう

クレジットカードの利用は、現在手元に現金がなくても利用可能で、引き落としも1か月ほど先となるため、大変便利なものです。
しかし、便利であるがゆえに使いすぎてしまい、支払いが困難となってしまうケースも少なくありません。
収入に見合わないカード利用は、ビジネスを破綻させる原因にもなってしまいかねません。知らず知らずのうちにカードの利用額が大きくなり、収入でまかないきれずに赤字になってしまう場合もあるのです。

使用額によっては、申告の際に所得があるとみなされる

クレジットカードで多額の利用をしていると、売上に対して経費が大きいアンバランスな収支となる可能性があります。
税務署では、同業者などと比較して収支のバランスが異常な事業者をピックアップすることが可能です。また、銀行口座の履歴やクレジットカードの使用歴についても、調査目的での閲覧が可能です。
申告している売上に対して、クレジットカードの利用額が多い場合「別に隠している所得があるのではないか」「脱税をしているのでは」と疑われてしまう可能性が高まるのです。

無申告でも収入を疑われる場合も

収入を少なく申告している可能性を疑われるのと同様に、申告の必要がない無申告状態であっても、クレジットカードの利用分は所得があるとみなされる場合もあります。
継続してクレジットカードを使えている、ということは、それだけの支払いができていることになり、その分所得があることの証明となるからです。
こうした場合も、正しい申告・納税を行っていない可能性を疑われ、税務調査の対象となるケースがあるでしょう。

クレジットカードの利用額をごまかすことはできない

現金による取引とは異なり、クレジットカードでの取引は、いつどこにどれだけ使った、という明細がしっかりと残ります。
クレジットカードの利用明細を見るだけでも、どのような生活レベルでどんな暮らしをしているのかがわかってしまうのです。
収入に見合わない額のショッピングやカード利用をしている場合、無申告であっても所得隠しを疑われて、税務調査で指摘される可能性が高いでしょう。
ひとたび税務調査で修正の指摘を受ければ、重加算税などの追徴課税がペナルティとしてついてしまい、通常申告時よりも多額の納税をしなければならなくなってしまいます。
税務調査では、最低でも過去3年、場合によってはそれ以上遡って調査されるため、その分の延滞税も入れると、納税額は更に膨らんでしまうでしょう。

過去の確定申告が間違っていた場合はどうすればいい?

既に申告を済ませた内容に誤りがあった、または無申告状態を抜け出したい場合には、どのようにすればよいのでしょうか。

期限を過ぎていても、過去の分まで修正申告できる

過去に申告した内容に誤りがあった場合でも、気づいた時点で修正申告をすることが可能です。
遡って修正申告できる期間は、原則として5年前までとなります。その間に間違いを見つけたり、申告自体をしていなかったりした場合でも、修正申告は可能です。
なお、修正申告は実際よりも売上を少なく計上した、経費を多く計上しすぎていたといった場合に加え、逆に売上を多く計上していた場合でも修正することができます。(※こちらは所得税及び復興特別所得税の更正の請求と言います。)

税務調査で指摘される前に修正申告するとペナルティが軽い場合がある

自主的に修正申告するケースだけでなく、税務調査がやって来て、税務署から指摘を受けて修正申告する場合もあるでしょう。
指摘を受けてから修正するよりも、調査が入る前に、自主的に修正申告した方が、追徴課税の税率が軽くなるなど、ペナルティを減免することが可能です。
自主申告で減免されるペナルティは、原則として以下のようになります。

過少申告加算税:本来の税額よりも少ない額を申告していた場合に課せられる税金です。税務調査の指摘で修正した場合、納めるべき税金の10%または15%が過少申告加算税として課税されます。

過少申告加算税を税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。
※平成29年1月1日以後に法定申告期が到来するもの(平成28年分以後)については、調査の事前通知の後にした場合は、50万円までは5パーセント、50万円を超える部分は10パーセントの割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかります。
※確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります。
国税庁 確定申告を間違えたとき

このほか、無申告加算税や重加算税、不納付加算税など、納税義務を怠ると、重いペナルティが課せられることとなってしまいます。
悪質な場合には刑事罰の対象となり、逮捕や懲役刑、罰金刑の可能性も高まります。実際よりも少ない額での申告や無申告は、放置していてもよいことはないのです。

無申告への対応実績がある税理士へサポートを依頼する

無申告や過去の申告を修正したい場合には、税務調査や修正申告、無申告からの申告などに強い税理士事務所へ相談して進めるとスムーズです。
ご自身で税務署に相談しながら進めることもできますが、税務署の職員さんがこの申告で良いと言ったから申告を実施しても、税務調査になり、調査の結果、修正申告が必要になっても申告をしたご自身の責任のもと申告をしたこととなり、責任はあくまで自分自身にあることは理解しておきましょう。
税務調査の事前連絡が入った場合でも、調査で指摘される前に修正申告できれば、ペナルティを軽くすることも可能です。
現在無申告や間違った申告を抱えていて不安な場合は、一度税理士事務所の無料相談などを利用してみるとよいでしょう。



まとめ

クレジットカードを使いすぎていたり、申告した収入よりも多額の使用履歴がある場合、税務調査の対象となったり、調査で指摘を受けてペナルティが課せられる可能性があります。過去何年分かを遡って確定申告することもできるため、税理士のサポートを受けるなどして、早めに申告を済ませておくとよいでしょう。
また、クレジットカードの使い方で悩んでいる場合に、お金のプロである税理士へ相談してみるのも1つの方法です。

茨城、土浦の税務調査のご相談は税理士法人松本へお気軽にご相談ください!

2022.01.05

茨城、土浦で税務署から税務調査の連絡が来てしまったら、対応を依頼できる税理士を見つけることはできるのでしょうか。税務調査で指摘を受けやすいポイントや、税務調査を税理士のサポートなしで受けた場合のデメリットなども気になるところです。
ここでは、税務調査で指摘されやすいポイント、税理士のサポートなしで税務調査を受けた場合のデメリットを解説し、茨城、土浦で税務調査対応の依頼ができる税理士事務所についてご紹介しています。 いますぎ税務調査について相談したい方は下記より税理士法人松本までお電話ください。



税務調査で指摘されやすいポイントって?

税務調査で指摘されやすいポイントには、以下のようなものが挙げられます。


一定の業種は厳しい税務調査を受けやすい

税務調査は、全ての納税者が適正な申告や納税ができているかを確認し、必要に応じて指導することが目的となっています。
そのため、会社や個人事業主を問わず、確定申告が必要な全ての事業者が税務調査の対象です。
とはいえ、その中でも一定の業種にあてはまる場合は税務調査の手が特に厳しくなりやすい傾向があります。その理由としては、税務調査によって不正が発覚する割合の高い業種があるからです。
法人はバーやクラブ、外国料理店、建設業の一般土木建築工事、職別土木建築工事など、個人はプログラマーやキャバ嬢、風俗嬢が税務調査で不正発見の割合が高い業種として、例年上位に位置づけられています。
なお、令和2年度のデータでは、新型コロナウィルスの影響で美容業や医療関連サービス業も厳しく調査された業種として発表されています。


海外取引や現金取引、インターネット取引の多い事業も要注意

国税庁や税務署では、金額の操作がしやすいことを理由に現金取引が多い業種はより厳しく調査する傾向にあります。
また、近年海外との取引が多い業種やインターネット取引についても、税務調査の目を光らせているようです。
海外取引については、国内で発生しているはずの利益を海外へ意図的に移転していないか、といった点がチェックされやすくなっています。
また、Uber Eats(ウーバーイーツ)や仮想通貨、その他インターネットによる投資についても、多額の利益を得ていながら無申告や不正が多発している事から、税務調査対象として強化していると国税庁から発表されています。
貿易業やシェアリングエコノミー、サラリーマンの副業などは、バレないだろうと思っていても、既に税務署が把握している可能性が高いと考えるべきです。


こんな取引は要注意!税務署は売上や経費の操作を見抜くプロ

売上を前年や翌年にずらして課税を抑える「期ズレ」や外注費の水増し、プライベートの買い物や旅行を経費にするなど、誰もが思いつきそうな帳簿の操作は、税務調査で必ず指摘を受けると思っておいた方がよいでしょう。
毎年膨大な量の申告をチェックし、同業者との比較や独自のシステムによる数値の割り出しなどをしている税務署は、売上や経費の虚偽を見抜くプロであるといえます。


税務調査対応は税務調査対応に強い税理士へ相談するのがおすすめ

税務署の内部事情に精通しているか、税務の専門的な知識と経験がない限り、厳しい追及を受ければ正しい申告であったとしても毅然と振舞えない可能性があります。
こうした点を踏まえると、税務署と同等以上の知識を持った税務調査の専門家である税理士に対応してもらうのがよいでしょう。


税理士へ税務調査対応を依頼しなかった場合のデメリット

税理士へ税務調査対応を依頼せず、自力で税務調査に対応する事は可能です。しかし、以下のようなデメリットがある事は知っておきたいところです。


専門用語や税務の知識がないと多額の追加納税となるケースがある

税務調査では、本当に間違っている点について指摘を受けるだけでなく「これは外注費の水増しにあたらないか」「この売上計上は期ズレではないか」といった、解釈によっては不正と受け取られかねない取引について指摘を受けるケースも珍しくありません。
こうした指摘や確認に対して、税法や会計の知識がないと、反論することも難しいものです。
知識や経験があれば毅然と対応できるところを、専門家のサポートなしに税務調査を受けた場合、確信が持てないばかりに追徴課税となるリスクが高まってしまいます。


経営者や個人事業者の精神的な負担が大きい

税務調査(任意調査)の連絡を受けた時点で「何か間違いがあったのだろうか」「多額の修正申告を迫られたらどうしよう」といった不安で頭がいっぱいになってしまう方もいるでしょう。
通常の営業と並行しながら書類やデータを準備し、調査日当日は同席して質問に応答する必要があるため、営業への支障と精神的な負担は相当なものになる可能性も高いのです。
こうした対応や準備について、税務調査対応に強い税理士へ依頼するだけで、かなりの負担を減らすことができます。


茨城、土浦で税務調査のサポートは税理士法人松本へご相談ください

上記のようなデメリットを避けるためにも、税務調査対応は実績豊富なプロの税理士へサポートを依頼するのがおすすめです。
税務調査対応に特化した税理士法人松本なら、茨城、土浦の税務調査サポートにも対応可能です。
全国規模で税務調査対応の依頼を受け、高い評価を獲得し続けることで更なる依頼が増えているため、税務調査のサポート実績では国内No.1規模を誇っています。
所属している税理士も、元税務署長や元査察官といった税務調査に精通している税理士が多く、税務署から税務調査の連絡を受けてからのご依頼でも対応可能です。初回無料電話相談のご予約はフリーダイヤルから、平日はもちろん土日祝日も対応していますので、一人で悩みを抱えず、まずはお気軽にご相談ください。



まとめ

茨城、土浦で税務調査の連絡を受けた場合、自力で対応する事も可能ですが、多くの場合は専門用語に太刀打ちできないなど、精神的な負担も大きいデメリットがあります。バーやクラブ、建設業、プログラマーやキャバ嬢などの調査対象となりやすい業種や、顧問の税理士の税務調査対応では不安があるお客様は、ぜひ税理士法人松本の初回無料電話相談をご利用ください。面談ご希望のお客様はオンライン面談にも対応しておりますので、時間の余裕がない時でもスムーズな相談が可能です。


建設業の税務調査はどこが見られやすいのか?注意点を解説!

2021.09.01

一般的に、建設業は税務調査を受けやすい業種の1つとされています。建設業に携わる個人事業主や経営者が税務調査を受けた場合、どのような点を指摘されやすいのでしょうか。ここでは、建設業が税務調査の対象となりやすい理由や税務調査で見られがちなポイント、やってはいけない行為や注意点などについてわかりやすく解説しています。 税務調査がはじまっている方は税理士法人松本までご相談ください。



建設業が税務調査の対象となりやすいって本当?

税務調査はあらゆる業種が対象となり、規模や売上高とは関係なく、税務調査を受ける可能性は誰にでもあるものです。
しかし、統計的に見て税務調査を受けやすい業種があるのも事実で、建設業はその1つといわれています。

建設業が調査対象になりがちな理由

建設業が税務調査対象となりやすい理由には、以下のようなものが挙げられます。

・取引あたりの売上額が大きい
小売業やサービス業といった業種に比べると、建設業は1回あたりの売上額が大きい特徴があります。家やマンション、商業施設などを建設するには、相応の費用がかかるからです。
売上額が大きければ課税対象も大きくなるため、小さなミスでも納税額に大きく影響する可能性があることから、調査対象となりやすい側面があるでしょう。

・外注する業者や人数が多い
建設業では取引額の大きさに比例して、関わる業者や人数も大きくなります。建設に携わる職人はもちろん、建設資材や運搬など、外注する業務も多岐に渡るのが一般的です。
外注業務が増えれば、中抜きや架空請求といった不正も横行しやすくなるため、事実に基づいた申告がなされているか、チェックや指導を目的として調査対象となる場合もあります。

・支払いや入金にバラつきがある
建設工事に関わる業者が増えると、納期や支払、入金期日など会社ごとに取り決めが異なり、工程や請け負った案件ごとに取引先が変わることも珍しくありません。引き渡しまでのスケジュールがタイトな場合、同時期に複数の職人や業者が重なり、どこからどこまでを按分すればよいかの判別が難しいケースもあるでしょう。
こうした点から会計処理も複雑となりがちで、取引ごとの金額も大きく、不正も起こりやすいとなれば、税務署でも注目せざるを得ないわけです。

国税庁の調査統計でもトップ10以内に入る

国税庁では、毎年税務調査を実施した際のさまざまな統計データをホームページ上で公開しています。その中においても建設業は「不正が発覚する割合の高い業種」として、毎年トップ10内に入っているのです。
とはいえ、建設業に関わる人が不正をはたらきやすいということではなく、上記で挙げた売上額の大きさや、会計処理の複雑さによる計上ミスといった理由も多く含まれていると考えられます。
参考:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要

建設業の税務調査で見られやすいポイントと対策

建設業を営む事業者が税務調査を受けた場合、以下の点について指摘を受けやすいでしょう。

現金残高と帳簿の整合性

外注で依頼する職人への支払いや急な資材調達など、建設業では現金による取引も多いものです。現金取引では入出金の履歴を正確に追うことが難しくなるため、事務所で管理している現金の実残高と、帳簿上の現金残高に整合性があるかは、税務調査の際にチェックされやすいでしょう。
対策としては、現金取引を減らして金融機関を利用する、まとまった現金はこまめに入金して履歴に残すといった方法が挙げられます。
取引上、帳簿としっかり現金が合うタイミングが少ない場合は、なぜ実残高と帳簿上の額が合わないのか、指摘を受けた際に正確に説明できるように流れを整理しておきましょう。

経費関連の書類や帳簿類

経費の計上漏れや二重計上などがないかも、税務調査では細かく確認されます。手書きの伝票や使用目的のはっきりしない領収書、名目や金額が同じ請求書などは、調査の際に質問されやすくなります。
場合によっては、取引先へ問い合わせされる反面調査が実施されるケースもあり、今後の取引に支障が出るリスクもあるため、どこに何の目的で使用したものか、私的な支出を経費にしていないかといったチェック体制を整えることが大切です。
書類についても取引先や月別、項目別に整理し、確認しやすい状態で保管するようにしておきましょう。

売上工程の流れ

入金や支払いのタイミングにバラつきがあり、同じような案件でも費用に大きな差があるような場合、その理由について適切な説明をする必要があります。税務署では、さまざまな建設業の申告内容に関するデータを持っているため、不審な点やミスが見つかりやすい点については、あらかじめ把握した上で調査に訪れていると考えた方がよいでしょう。
各社ごとに見積りや発注、請負契約から施工、引き渡しから請求といった流れのわかる工程表を作成し、工程ごとに証明できる書類を添付するなどして、事前に帳簿と照合するといった習慣づけも大切です。

繰り延べや計上漏れ

建設業では施工期間が長期に渡るケースも多く、前年度の売上が翌年以降に振り込まれることも珍しくありません。
場合によっては、多額の売上を立てても入金がない状態で申告することとなりますが、税法上のルールには従う必要があります。税務調査でも、いわゆる「期ズレ」は念入りに確認される項目の1つです。
決算間際には請負中の案件の進捗について細かくチェックし、計上漏れや請求漏れがないかを確認するようにしましょう。

まとめ

建設業では、1回あたりの売上額が大きく、関わる業者や職人なども多いため、少しのミスが課税に大きく影響します。そのため、毎年実施される税務調査でも、建設業は不正が発覚しやすい業種の1つとなっています。
請負から引き渡しまでの期間も長く、現金による取引も多くなれば、会計管理も複雑となりがちです。税務調査の連絡を受けてから慌てることのないように、日頃から実残高と帳簿をこまめに確認し、必要に応じて工程表や書類の整理を行うことが大切です。
しっかりと税法を守って追徴課税のリスクを避け、節税対策を取るためには、税に関する深い知識が欠かせません。これまで税理士へ依頼したことがない、または簡単な依頼しか受けてもらえないという場合は、早めに税務調査に強い税理士へ相談するなどして対策に努めましょう。



コロナ禍で支給される給付金目当てで確定申告をしたら税務調査がくるって本当?

2021.05.25

コロナ禍で営業や経営が思うようにいかない個人事業主の方の中には、各種給付金の申請を検討している方も多いことでしょう。
国や地方自治体が実施している給付金の申請には、前年度の確定申告が必要となるケースがほとんどです。給付金の支給を目的に確定申告をした場合、そのことで税務調査がやってくることはあるのでしょうか。 すでに税務調査が入っている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



コロナ禍で支給される給付金とは?

コロナ禍で支給される給付金には、以下のようなものがあります。

持続化給付金

コロナウイルスの影響により、前年度に比較して50%以上売上が減少した事業者が申請できる給付金です。個人事業主で100万円、法人で200万円が支給されます。
申請には前年度の確定申告書類のほか、売り上げの減少がわかる帳簿のコピーなどが必要です。
※書類提出期限は2021年2月15日で終了しています。

営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金

緊急事態宣言や蔓延防止措置が発出された地域において、時短営業や休業の要請に従った場合に申請できる協力金です。申請期限や条件、支給額については、各地方自治体によって異なります。
協力金の申請には、営業許可証や誓約書のほか、前年度の確定申告書控えも必要です。

家賃支援給付金

コロナウイルスの影響で売上が減少し、家賃の支払いが困難となっている事業者へ支給される給付金です。
申請には賃貸契約書の写しや売上の減少を証明する書類のほか、前年度の確定申告書控えが必要となります。
このほかにもさまざまな補助金や助成金などがありますが、法人や個人事業主として申請する場合には、基本的に売上や所得を証明する書類の提出が必要です。

給付金の支給目当てで確定申告をしたら税務調査がくるの?

各種給付金を支給するために確定申告をした場合、必ず税務調査がやってくるのでしょうか。

前年度のみ確定申告した場合は疑われやすい

コロナ禍で支給される給付金の申請は、多くの場合前年度の確定申告書類が必要となります。言い換えれば、長年無申告状態であった人でも、給付金の申請目的で前年度のみ確定申告をすれば申請に必要な書類は揃うため、給付金の申請や給付を受けることはできるでしょう。
しかし、前年度よりも前の年度について無申告であったり、支給を受けて以降の確定申告をしていなかったりする場合には、税務署に無申告であることを疑われやすいのです。
現に、当社にも給付金の申請をして税務調査が入ったお客様からのご相談をいただいております。


無申告が疑われる場合は税務調査の対象に

給付金の申請書類を揃える目的で、1期分のみ確定申告をした状態について、税務署は「この年だけ確定申告しているのは何故だろう」と考えるのは自然なことだといえます。「前年度以前や以降について無申告状態ではないのか」と疑われてもおかしくないのです。
無申告が疑われる事業者がいれば、税務署は税務調査の対象とします。長年にわたって無申告が続いている可能性があると思われれば、早い段階で税務調査の連絡を受けることもあるでしょう。

税務署が給付金目当ての確定申告を見抜くポイントは?

「税務署は忙しいから、個人の申告書類をいちいちチェックしないだろう」と考えたくなるかもしれません。確かに、税務署でもすべての申告書類を細かくチェックするのは難しいでしょう。
しかし、日々さまざまな申告書類に目を通していれば「何か怪しい」「これはおかしい」といった違和感を税務署の担当職員が持つことは、素人よりも難しいことではありません。
無申告や給付金目当てで提出した確定申告書類には、毎年しっかりと申告している書類よりも目立ちやすいものです。
こうした怪しい申告書類を見抜く視点に加え、税務署独自のルートや第三者からの密告などで、不正の疑いがある法人や個人事業主は絞り込まれていきます。

無申告には重いペナルティが科せられる?

無申告の期間が長いと、重加算税などの追徴課税が徴収され、通常の税金よりも多額の納税義務が発生します。税務調査で指摘を受けて修正申告をした場合、支給された給付金を上回る税額を現金で一括払いしなければならないケースもあるのです。

税務調査のリスクを減らすには?

給付金の申請や支給を受けるために確定申告をする際には、以下のような点を守ることで、税務調査のリスクを減らすことが可能です。

無申告の期間があれば遡って申告する

給付金の申請時に確定申告をするのであれば、前年度分に限らず無申告の期間はすべて遡って確定申告しましょう。無申告期間が長ければ重加算税の課税対象とはなってしまいますが、自主申告した場合は税務調査で指摘を受けて課税されるよりも低い税率に抑えられ、追徴課税でもっとも重い重加算税の課税も回避することができます。
そもそも確定申告は給付金とは別物であり、コロナ禍や給付金の申請・支給とは関係なく毎年済ませるべきものです。1人で数年分の確定申告書類を準備するのが難しい場合は、個人の確定申告相談に対応している税理士へ相談するなどして、これを機会に正しい申告と税金の知識を身につけましょう。

虚偽の確定申告をしない

給付金の申請では、コロナウイルスによる影響で売上が減少しているとわかる資料が必要となります。前年同月と比較して、一定の割合で減少していることがわかれば申請可能であるものが多いため、売上があった日付を操作して記帳したいと考える場合もあるでしょう。
しかし、実際に入金された銀行の日付と帳簿上の日付が異なっていたり、実際よりも売上を少なく申告したりする行為は虚偽にあたります。
税務署では個人や法人の銀行口座を調査することもできるため、こうした虚偽の申告が疑われれば、税務調査が入る可能性も高まるでしょう。

まとめ

コロナ禍ではさまざまな給付金や支援金制度が実施されており、多くの場合申請や支給には前年度の確定申告書類が必要となります。
給付金目当てで確定申告をすること自体が税務調査の理由とはなりませんが、前年度よりも前に無申告の期間がある、給付金目当てで不正申告をしているといった疑いを持たれれば、それを理由に税務調査がくる可能性は高いでしょう。
給付金の申請と確定申告は別物であると考え、これを機会に無申告期間をなくして、節税対策や正しい税金の知識を身につけることをおすすめします。

こちらの記事は幻冬舎GOLD ONLINEにも掲載されております。



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