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ホストクラブの税務調査方法とは?税務署の潜入調査実態

2021.08.05

ホストクラブに税務調査が入り、追徴課税で重い税金を課せられる事例は、近年増えてきています。「小さな店だから大丈夫だろう」「税務調査の話は聞くが、うちにまではやって来ないだろう」と考えるのはおすすめしません。
ここでは、ホストクラブに対する税務調査の方法や、税務署が行なう潜入調査の例などを挙げ、指摘されやすい事項や、やってはいけない脱税行為などについて解説しています。

そもそも税務調査とは?

税務調査とは、法人税や所得税を申告している事業に対して、正しい申告や納税が行なわれているかを調べる目的で税務署が実施する調査です。

会社だけでなく、店舗やフリーランスにも実施される

税務調査が実施されるのは、株式会社などの事務所を構える法人だけとは限りません。個人事業主やフリーランス、飲食店や風俗業などにも、税務署は税務調査を行ないます。営業を始めて間もない頃よりも、事業が軌道に乗り始める数年目以降、営業期間が長くなるにつれて、税務調査の対象となる可能性は高くなっていくでしょう。
とはいえ、開店して間もないからといって、税務調査が絶対に来ないとも言い切れません。どのようなビジネスであっても、自分で事業を始めたのであれば税務調査の可能性はあると考えることが大切です。

申告をしていなくても税務調査の対象となる

「申告自体をしていないから、税務署に見つかることもないのではないか」と考えるのもおすすめできません。
税務署では独自の調査ルートを持っており、無申告状態となっている事業者に対しても、調査に訪れる前に対象としてマークしている場合があるからです。
同業者に税務調査が入ってバレるケースや、第三者からの密告など、無申告がバレるケースはさまざまです。
税務調査で無申告を指摘された場合、重い追徴課税の対象となるケースが多いため、大前提として毎年の申告・納税はしっかりと行なうようにしましょう。

税務調査は多くの場合事前に連絡がある

映画やテレビドラマなどで見かける税務調査では、ある日突然事務所や店舗に査察官が訪れて、書類などを押収する「強制捜査」の場面が多いものです。
しかし、よほど悪質で大規模な脱税が疑われない限り、通常の税務調査では事前に連絡があるのが一般的です。
調査で訪問する旨が伝えられ、調査日についてもある程度調整してもらえるため、帳簿のチェックや税理士に相談する準備期間を設けることも可能です。
税務調査は、申告内容に間違いがないか、納税の知識や記帳に関する処理を誤解したまま申告していないか、といった指導をする目的も含まれています。
正しい知識を持って、所得隠しや脱税行為を故意に行なっていない限り、必要以上に怖がるものではないことを理解しておきましょう。

ホストクラブに実施される潜入調査とは?

ホストクラブに限らず、クラブやバーといった深夜営業の店、飲食店や小売店などの店舗営業をしている事業には、税務署の職員が潜入調査を行なうことがあります。

潜入調査の目的は?

ホストクラブやキャバクラなどの営業は、通常深夜の時間帯となることが多いものです。売上や伝票なども現金や手書きなど、ごまかしや操作が疑われやすい状況が多く見受けられます。
店内のようすが外から判断しにくい場合、税務署の調査員が客を装って店内を訪れ、営業方法や売上の計上方法などをチェックすることがあるのです。

潜入調査でチェックされやすいポイント

潜入調査でチェックされるポイントとしては、シャンパンなどの高級酒がどの程度販売されているか、販売金額やサービスの内容などが挙げられます。
お酒が出た場合の販売金額や、従業員やプレイヤーに支払われる給与・報酬の渡し方など、実際に接客を受けながらそれとなくチェックされることもあります。
税務署では、過去に調査対象とした同じ業種の事例やデータを豊富に持っているため、素人ではわからないくらい上手に潜入調査が実施されます。
トイレへ行くふりをして他のテーブルや伝票をチェックする、といった映画のワンシーンのような調査方法が行なわれる可能性もあるでしょう。
外見や職業なども、初めてホストクラブを訪れて違和感のないよう、詐称した経歴で潜入するのです。

税務調査で悪質とみなされないための注意点は?

ホストクラブが税務調査の対象となった場合、注意するべき点には以下のようなものが挙げられます。

意図的な脱税行為はすべてバレていると考える

事前に入念な下調べや潜入調査が実施されていた場合、意図的に行っている売上隠しや脱税行為は、すべて税務署にお見通しであると考えた方がよいでしょう。
「短期間で閉店や名義変更するから、適当にやっても足がつかないだろう」と考えるのはおすすめしません。
税務署では、そのような営業スタイルについても把握していて、早い段階で税務調査対象としてマークするケースもあるからです。

ホストとして働いている場合も正しい申告を

ホストクラブを経営しておらず、従業員ホストとして働いている場合でも、個人事業主として確定申告が必要な場合があります。納税には所得税だけでなく、収入や雇用形態によっては、さまざまな申告・納税の義務があるのです。
税務調査の対象となってしまえば、「税金に関する知識がなかった」という言い訳は通用しません。重加算税などの追徴課税が発生して、多額の税金を徴収されることのないように、早い段階で税理士などへ相談することを強くおすすめします。

ホストクラブの税務調査に対応できる税理士事務所のサポートを受けよう

「未収の回収や営業で忙しく、日々の帳簿管理がままならない」「従業員の入れ替わりが激しく、いちいち見ていられない」といった場合は、ホストクラブやキャバクラなどの水商売の申告や税務調査に多くの取扱実績を持つ税理士事務所へ一度相談してみましょう。
経費や売上の管理方法や過去の修正申告、税務調査が入った場合の対応まで、さまざまなサポートを受けられる税理士事務所なら、安心して営業に専念することができるでしょう。

まとめ

ホストクラブなどの水商売では、税務署が営業実態を掴むため、客を装って潜入調査を実施したり、早くから調査対象としてマークしたりしている場合があります。税務署は過去の豊富なデータから脱税を見つけるポイントなどを熟知しており、無申告状態も含めて、詳細に調査を行なうでしょう。
税務調査を怖れないためには、正しい申告が必須となります。無料相談などを利用して、信頼できる税理士へアドバイスを受けるようにしましょう。

ウーバー(Uber)配達員が税務調査に狙われる!?国税当局が情報提供を求め始めたわけ

2021.07.26

ウーバー(Uber)イーツの普及によって、配達員として働く人が増えてきています。2021年6月に、東京国税局がウーバージャパンに対して、配達員へ支払っている報酬などの情報提供を求めたニュースが新聞各社を賑わせました。国税当局は、ウーバー(Uber)イーツの配達員へ税務調査を始めようとしているのでしょうか。

ウーバー(Uber)イーツの配達員に税務調査はやって来るのか?

ウーバー(Uber)イーツで配達員をしている人に、税務調査がやって来る可能性はそもそもあるのでしょうか。

確定申告の必要がある人には誰でも税務調査の可能性がある

国税庁が税務調査の対象としているのは、株式会社などの法人を経営している事業者か、フリーランス・個人事業主など、個人で事業を営んでいる人が挙げられます。
また、それ以外にも相続や所有している不動産の売買・賃貸収入など、雇用されていることで得る給与以外の収入があり、確定申告の必要がある人も、税務調査の対象となります。
確定申告はもちろん、所得税や法人税、相続税や固定資産税など、何らかの申告が必要な人なら、誰でも税務調査の対象となる可能性があるのです。

ウーバー(Uber)の配達員は個人事業主?

ウーバー(Uber)で配達員の仕事をしている人は、配達の収入だけで生活している人もいる一方で、副業やアルバイト感覚で、別の本業を持ちながら働いている人も多いでしょう。
ウーバー(Uber)では、配達員との契約関係は業務委託であり、配達員に支払われるのは給与ではなく報酬と位置付けています。ウーバー(Uber)イーツの配達員を個人事業主として配達業務を委託し、その業務に対する報酬を支払うという形がとられているのです。
つまり、ウーバー(Uber)イーツの配達員をしている本人がアルバイト感覚であったとしても、厳密には個人事業主として事業所得を得ていることになります。

報酬と給与の違いって?

給与と報酬のもっとも大きな違いは「雇用契約の有無」にあります。報酬とは、労働などの業務を提供し、その対価として得た収入のことです。給与も広い意味では報酬ととらえることができますが、給与は支払う側と受け取る側の間に雇用契約が結ばれている場合に発生します。
ウーバー(Uber)と配達員の間には雇用契約は結ばれておらず、配達業務を個人へ委託する形をとっているため、給与ではなく報酬となるのです。ウーバー(Uber)に限らず、雇用契約によらない何らかの報酬を得ている人は、どこかの会社に雇用されていたとしても、一定以上の収入があれば確定申告が必要となります。
ウーバー(Uber)の配達員を本業としているか、またはフリーランスとして別の本業を持ち、副業として配達員をしている場合は、毎年の確定申告は必ず必要となるものです。
こうしたことから、ウーバー(Uber)配達員のもとへ税務調査がやって来る可能性があるかないかといえば「ある」と結論付けることができるでしょう。
とはいえ、ウーバー(Uber)配達員全員に税務調査がすぐにやって来るわけではありません。ウーバー(Uber)イーツの配達員をしている人が税務調査の対象となるのは、どのようなケースなのでしょうか。

ウーバー(Uber)配達員が税務調査の対象となりやすいケース

ウーバー(Uber)で配達員をしている人のもとへ税務調査がやってくる可能性が高まるケースには、以下のようなものが挙げられるでしょう。

確定申告の必要があるのに無申告を続けている

ウーバー(Uber)イーツの配達員として報酬を得ており、上記で挙げたような確定申告の必要がある条件にあてはまっているにも関わらず、無申告状態となっているケースです。
ウーバー(Uber)に限らず、まず無申告状態を続けているというだけで、個人であっても税務調査の対象となる可能性があることは、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
国税庁では、無申告を続けている人の情報を独自のルートで見つけることが可能です。第三者からの密告や、取引のある得意先へ税務調査が入って無申告が発覚するケースなども少なくありません。
無申告状態から税務調査の対象となった場合、重い追徴課税の対象となる可能性も高まります。自分は確定申告の必要があるのか判断がつかない場合には、一度税理士などの専門家へ相談してみるとよいでしょう。

ウーバー(Uber)配達員として多額の報酬を得ている

国税庁では、ウーバー(Uber)イーツの配達員を含むシェアリングエコノミー事業に対して、税務調査を拡大強化していく方針を打ち出しています。今回のウーバージャパンへの報酬情報提供依頼も、その一環であると考えられるでしょう。
いってみれば、ウーバー(Uber)配達員は国税当局から目を付けられやすい職業の1つとみなされているともいえます。
ウーバー(Uber)イーツの配達員を本業として多額の報酬を得ている場合はもちろん、副業として一定以上の収入を得ている人も、適切な申告ができているかチェックしましょう。

ウーバー(Uber)以外の事業で調査対象となるケースも

ウーバー(Uber)配達員として得ている報酬がわずかでも、本業や副業の業種によっては、別の角度から調査対象となるケースも考えられます。
民泊など別のシェアリングエコノミーを本業としている、暗号資産(仮想通貨)投資や海外取引、現金による売買といった取引も、税務調査の対象となりやすいものです。
このほかにも、消費税の納税義務がある事業者や過去に税務調査の対象となった経験を持つ人など、さまざまなケースが考えられます。
申告や納税状況について、確認や指導が必要とみなされれば、配達員としての報酬がわずかであっても調査対象となる可能性があるでしょう。

まとめ

国税当局がウーバー(Uber)へ配達員の報酬情報を提供するよう求めた事実は、国税当局がシェアリングエコノミー事業に対して管理を強化しようとしている動きの一環ととらえることができます。配達員をしているというだけで必ず調査対象となるわけではありませんし、正しく申告を行なっていれば、税務調査自体は必要以上に怖れるものではありません。不安なら税理士などの専門家からアドバイスを受けるなどして、2021年の確定申告は正しい申告を行なうことをお勧めします。

追徴課税はいくらになる?税理士が計算の仕方を解説!【個人・法人対応】

2021.07.20

税務調査で無申告を指摘された場合、通常の納税額に加えて、追徴課税も納付することになります。この追徴課税がいくらになるのか、どのような計算になるのかは気になるところです。
ここでは、追徴課税の計算方法について、具体例を挙げてわかりやすく解説しています。

そもそも追徴課税って?

まずは、追徴課税の概要と、どういった場合に追徴課税の対象となるかについて見ていきましょう。

過去に申告漏れなどがあった場合に追加で課税される税金

追徴課税とは、過去の税額が実際よりも少なかったり、申告が漏れていた場合、期限を過ぎて納税や申告したりした場合などに課税される税金のことです。
追徴課税には延滞税や過少申告加算税などいくつかの種類があり、いずれも懲罰的な意味合いを持っています。

追徴課税の種類

追徴課税として加算される税金の種類には、以下のようなものがあります。
延滞税:各税金について、定められた納付期限よりも遅れて納付する場合に加算される税金です。法定納付期限から、全額納付されるまでの日に応じて定められた税率によって計算されます。
無申告加算税:期限を過ぎて提出された申告書にもとづいて加算される税金です。税務調査前に自己申告した場合と、税務調査によって無申告が判明した場合で税率が変わります。また、一定要件を満たしている場合には、期限後の申告であっても加算されない場合もあります。
重加算税:申告漏れや無申告のうち、所得隠しや書類の改ざんなど、悪質であるとみなされる事例に対して加算される税金です。追徴課税の中でも税率が重く、決定すると通常の納税額をはるかに上回る納税義務が生じる可能性もあります。
過少申告加算税:税務調査などで申告漏れや計上ミスなどが判明し、税務署から指摘を受けて修正申告を行なった場合に課税される税金です。
不納付加算税:事業者が支払うべき給与や報酬に対して発生する源泉所得税について、定められた期限内に納付しなかった場合に課税される税金です。期限に遅れたことに気づき自主的に納付した場合と、税務署から指摘を受けて納付した場合とで税額がことなります。

追徴課税の計算方法

上記の追徴課税が決定した場合、税金をいくら払うことになるのでしょうか。いくつかの事例を挙げて、それぞれの計算方法について以下で更に詳しく見ていきましょう。

税務調査で指摘を受けたか、自主申告したかで税率がことなる

追徴課税は、納めるべき税金に対して定められた税率を加算して計算します。納税額によって税率がことなるものもありますが、税務調査で指摘を受けた場合と、自主的に気づいて申告した場合とで大きくことなるものが多くなっています。

【追徴課税の計算事例】税務調査で指摘を受けた場合

税務調査で申告漏れが判明し、100万円の税金を新たに納付する必要がある場合の追徴課税について計算してみましょう。

申告漏れがあり、修正申告する場合

特に悪質だとみなされず、税務調査で申告漏れの指摘を受けた場合、過少申告加算税の課税対象となります。
過少申告加算税の税率は、50万円までは税額の10%、50万円を超える部分は15%となるため、50万円×10%と50万円×15%で、過少申告加算税額は125,000円となります。

無申告が判明した場合

無申告が判明した場合は、無申告加算税の課税対象となります。
無申告加算税の税率は、50万円までは税額の15%、50万円を超える部分は20%となるため、50万円×15%と50万円×20%で、無申告加算税額は175,000円となります。

悪質であるとみなされた場合

悪質であるとみなされた場合は、税率の重い重加算税が課税されることとなります。
重加算税の税率:不納付加算税・過少申告加算税に代えて35%、または無申告加算税に代えて40%となるため、過少申告の場合は100万円×35%で重加算税額は350,000万円、無申告の場合は100万円×40%で400,000円となります。
このように、本来100万円の納付で済む税額が、追徴課税によって最大1.4倍まで大きくなってしまう可能性があるのです。
また、源泉所得税の不納付があった場合には、税額の10%にあたる不納付加算税が課税されます。これらの追徴課税に加え、更に利息のような意味合いで、年2.7%~14.6%の延滞税も加算されます。

税務調査を受ける前に自主的に修正申告した場合

上記の計算は、税務調査で指摘を受けて修正申告した場合の税額です。もし税務調査で指摘を受ける前に計上ミスや申告漏れが判明し、自主的に修正申告をした場合の追徴課税は以下のようになります。

過少申告加算税:課税なし
重加算税:課税なし
無申告加算税:税額の5%
不納付加算税:税額の5%

上記に加えて、納付するべき税額が修正で増えるため、本来の納付期限から追加の税金を全額納付するまでの期間に対して延滞税がかかります。それでも、税務調査で指摘を受けた場合に比べると、自主申告によって課せられる追徴課税は少額であることがわかります。

追徴課税はどこまで遡って支払う必要がある?

税務調査で指摘される申告の期間は、どこまで遡って行われるのでしょうか。

税務調査で調べられる期間は原則3期分

税務調査で遡って調べられる期間は、直近から3期分となるのが一般的です。上記の計算で判明した税額が前年度のみとした場合、それ以前にも申告漏れが判明すれば、追徴課税は更に重いものとなるでしょう。

最長で7年まで遡って指摘される場合も

また、重加算税の対象となるような悪質性があると判断された場合には、3年よりも前まで遡って調査を受ける場合もあります。
過去の申告で問題が見つかった場合は5年、悪質な問題が見つかった場合は、最長で7年分まで調査される可能性があるでしょう。

重い追徴課税の対象とならないためには
・ミスや申告漏れに気づいたら、できるだけ早く自主的に修正申告を行う
・税務調査で指摘を受ける前に修正する
・問題があるとみなされるリスクを避ける
といったポイントを理解して、過去の申告済み書類や帳簿についてこまめにチェックすることが大切です。

まとめ

過去に申告した内容にミスや申告漏れがあった場合、本来納めるべき税金に加えて、追徴課税が課せられることとなります。特に税務調査で悪質性があると指摘を受けた場合は重い重加算税の課税対象となるため注意が必要です。追徴課税を少しでも抑えたいなら、税務調査を受ける前にミスがないかを確認し、自主的に修正を行なうことが大切となります。

国税庁が狙いやすい税務調査の対象先はどんなところ?

2021.07.15

国税庁が実施している税務調査は、株式会社などの法人から個人事業主まで、すべての事業者を対象に毎年一定の件数が実施されています。どんな業種に就いていたとしても、営業を続けていれば税務調査の対象となる可能性はありますが、対象にされやすい業種があるのも事実です。
ここでは、国税庁が税務調査の対象としやすい業種について、ランキング形式でご紹介しています。なぜ狙われやすいのかについての理由も解説していますので、税務調査についての理解を深める際に役立ててみてください。

国税庁が税務調査の対象として選ぶ業種の特徴

国税庁では、税務調査の対象として力を入れている業種の特徴について、統計データの中でもいくつか例を挙げて公開しています。そうした業種の中には、以下のような特徴を持つ事業者が多いです。

現金取引が多い業種

納品や請求時に振込や手形といった形式を取らず、現金取引を多く採用している業種は、収支を記帳する際に履歴が残りにくく、改ざんもしやすいものです。そのため、国税庁から税務調査の対象として狙われやすくなります。
売上や仕入に限らず、日払いや即日払いなど、人件費を現金手渡しなどにしている業種も含まれるでしょう。

深夜営業が多い業種

夜間や深夜に営業している店舗や業種は、日中に営業している業種に比べると、営業時間や休業日数、勤務しているスタッフの人数などをごまかしやすいといえます。
掃除や棚卸しで休業していると見せかけて営業していたり、闇取引の温床として悪用されていたりする可能性も考えられるため、夜間や深夜営業の業種も調査対象にされやすいでしょう。

海外取引が多い業種

貿易取引や海外投資、外国料理や外国雑貨店など、海外との取引が多く発生する業種も、国税庁からマークされやすくなっています。
海外からの請求や海外送金といった取引は、基本的に消費税の課税対象となりません。そのため、消費税の納付逃れを目的としていないか、厳しくチェックされやすいのです。
特に消費税の納付義務が発生する売上1,000万円以上に近い事業者は、より狙われやすくなるでしょう。
また、経営者が外国籍で来日して間もないなどの場合、日本国内の税法に関して、正しい理解がないまま取引を続けている可能性が疑われるケースも考えられます。

アナログな会計処理を行っている業種

記帳や会計管理を手書きの帳面で行っていたり、申告書類や資料に手書きのものが多く含まれていたりする場合、業種を問わず狙われる場合もあります。
経営者や従業員の高齢化が進んでいる業種や、昔ながらの個人商店などに多く見られるケースで、顧問税理士をつけずに申告を続けている場合は注意が必要です。
法人税や所得税、相続税など、税法についてはこまめに改定が行われています。新しい税法や申告時の規定などに関する知識が古いと、間違った申告をしている可能性があるため、是正や指導の目的で税務調査対象となる場合があるでしょう。

比較的新しいビジネスに関わる業種

昔ながらの業種とは逆に、近年台頭してきた新しいビジネスモデルに関わる業種も、税務調査対象として狙われやすくなっています。
具体的には、民泊や業務委託のフードデリバリーなど、いわゆるシェアリングエコノミー事業に関わる業種や、暗号資産(仮想通過)、海外不動産投資といった事業が挙げられます。情熱をかけて正しくビジネスを行っている事業者がいる一方で、法の目をくぐった取引も横行しやすくなっているからです。
また、こうした新興事業は、開業や起業して間もないうちに急激に売上が伸びるケースも多くなります。税務調査による指摘で修正対象となる課税金額が大きくなる可能性が高い場合、国税庁も税務調査対象として力を入れやすくなるでしょう。

税務調査の対象となりやすい業種ランキング

上記をふまえたうえで、国税庁が発表している平成30年の統計から、不正が発覚した割合の高い業種をランキング形式で以下に紹介していきます。

1位:バー・クラブ

バーやクラブといった深夜に酒を提供する業種では、実に7割以上で申告の不正が発覚しています。こうした過去のデータがあるからこそ、国税庁でも力を入れて調査を続ける理由となっているのです。
もちろん、意図的に不正を行っていなくても、どんぶり勘定や入れ替わりの激しい従業員の給与管理漏れなど、単純なミスによる可能性も考えられるでしょう。

2位:外国料理店

外国料理店でも、半数近い割合で過去に不正が発覚しています。
外国料理店では海外取引の多さや、外国籍の経営者の知識不足といった点が挙げられます。

3位:大衆酒場・小料理屋

大衆酒場や小料理屋といった業種でも、ほぼ変わらない割合で不正が見つかっていることがわかっています。
大衆酒場や小料理屋では、「これくらいならバレないだろう」といった意識が働き、些細な不正が積み重なっているケースもあるでしょう。

4位:その他飲食店

その他飲食店でも、不正発覚の割合は4割を超えています。営業している件数の多さもありますが、飲食店全般に関わりのある事業者は注意した方がよいでしょう。

5位:自動車修理工場

自動車修理では、3割近くで不正が発覚しています。自動車修理では車という資産があるため、伝票を抜いてもお客様からの振込履歴などの後が残りやすい業種のため、調査対象とされやすいケースも多いでしょう

6位:土木建築業者

土木建築関連の事業でも、3割近い不正が見つかっています。土木建築事業では日雇いや請負場所がバラバラであるなど、人件費や取引先に関する点などに注意が必要です。
なお、7~10位は以下の通りです。
7位:パチンコ業
8位:職別土木建築工事
9位:一般土木建築工事
10位:管工事

1件あたりの不正額が大きい業種も要注意

輸入業や機械製造、レンタル業や再生資源に関わる業種などが、1件あたりの不正額が大きな業種として挙げられています。
上記ランキングに入らない業種でも、1件あたりの不正額が多額となる業種は、国税庁からマークされやすくなるでしょう。
参考サイト:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要

まとめ

国税庁では、過去の統計データから、不正が発覚しやすい業種や不正額が多額となりがちな業種を絞り、調査体制を強化しています。「これくらいはバレないだろう」「うちはちゃんとやっているから」と過信せず、心当たりがある場合は、しっかりとアドバイスが受けられる税理士へ、問題がないか1度相談してみることをおすすめします。

税務調査に入られる確率が高い個人事業主の所得はいくらからなの?

2021.07.08

「個人事業主は税務調査に入られる確率が少ない」と耳にすることがあります。裏を返せば、個人事業主でも税務調査がやって来る可能性は十分にあると言えるでしょう。
ここでは、所得がいくらになれば個人事業主でも税務調査を受ける確率が高まるのか、また税務調査に入られやすい個人事業主の特徴などについて解説しています。

個人事業主へ実施される税務調査の割合は?

まずは、毎年行われている税務調査のデータや割合をもとに、個人事業主への税務調査の実態について見ていきましょう。

国税庁では法人の3%程度に税務調査を実施

国税庁では、所得税の申告件数や消費税に関する税務調査を実施した件数などについて、毎年データを公表しています。
所得税や相続税、消費税など簡易調査を合わせると、例年60万件ほどの税務調査が実施されており、税務調査が実施される確率は「実調率」から読み取ることが可能です。
平成28年度の法人税に対する実調率は3.2%となっており、法人に対しては、3%程度の割合で税務調査が行なわれたことがわかります。

個人事業主への税務調査の割合は?

一方、個人事業主が主な対象となる所得税についての実調率は1.1%となっており、個人事業主へは1%ほどの割合で税務調査が行われたことになります。
ただし、これはあくまで申告されたものに対しての実調率となっており、申告自体をしていない無申告事業者への調査などは別途実施されていると考えると、データに上がらない税務調査の割合はもう少し高くなると考えられるでしょう。

税務署では特定の事業者をマークしている

平成30年の申告所得税件数は2,222万件となっており、税務署の職員や調査にあたる担当者の数には限りがあります。
そのため、申告件数すべてについて、税務署が同等の調査を実施するのは困難なものです。一定の条件に基づいてピックアップされた事業者に対して、より詳しい調査が行われていると考えるのが現実的でしょう。
では、どのような条件に該当する個人事業主が税務調査の対象となりやすいのでしょうか。

税務署はどんな事業所への調査に力を入れている?

税務署は税務調査の目的として、以下のような点を重視しています。

海外との取引が多い

海外取引を多く行っている事業者は、消費税に対して適正な取引となっているかが注目されやすくなっています。
資産を隠す目的で海外へ移していないか、税金を回避するために国外で設立した会社を利用していないかなど、税金逃れを目的とした不正の取り締まりを強化しているようです。

シェアリングエコノミーに関わっている

民泊事業やフードデリバリー請負など、近年台頭しているシェアリングエコノミーに関わる事業についても、税務署では実態の把握に力を入れています。
適正な届出がなされているか、課税や記帳に関して正しく管理されているかといった観点で、是正の意味合いも含めて調査対象とする事例も多いようです。

富裕層への対応

税務調査を実施するには、数日かけて担当者を派遣して資料をチェックするなど、税務署の方でも手間と時間をある程度かける必要があります。
修正申告や追徴課税の額が大きくなりそうな事業者ほど、税務署としては積極的に調査したいと考えるのが現実であるともいえるでしょう。
多額の資産を保有していたり、急激に売り上げが伸びていたりする事業者などに対しては、大都市圏で専用のチームを設置して調査にあたっているようです。

無申告事業者の把握

計上ミスや修正申告といった申告済みの事業者だけでなく、そもそも申告自体をしていない事業者の把握についても、税務署では強化しています。
何年も無申告となっている事業者の場合、悪質性が認められれば、最大で7年分も遡って課税できるほか、重加算税などの重い追徴課税の対象とできるからです。

税務調査の対象となりやすい個人事業主の特徴は?

上記をふまえると、税務調査の対象となりやすい個人事業主には、以下のような特徴があると考えられます。

起業・開業後3年以上が経過している

起業や開業後経過した年月が長くなるほど、税務調査の対象となる確率は高まります。数年経過して気の緩みがないか、会計処理を間違ったまま理解していないかといった点以外に、原則として最低3年までは遡って調査できる点も無関係ではないでしょう。
もちろん、3年が経過する前に税務調査が入るケースもあれば、10年以上調査の対象とならないケースもあります。
とはいえ、開業後3年が経過していたら、過去の申告や資料などについて、改めてチェックしてみるとよいでしょう。

売上高が1,000万円を超える

売上高が1,000万円を超えると、個人事業主であっても消費税の納付義務が発生します。1,000万円以上が所得税の課税対象となると同時に、消費税についても調査対象となるため、税務調査に入られる確率は高まるでしょう。
また、1,000万円に少し満たない額での申告が続いている事業者についても、実際は消費税の納付義務があるのではないか、という観点から、調査の対象となりやすくなると予想されます。

海外投資やシェアリングエコノミーに関連する売上が多い

海外との取引といえば、従来までは輸出入や不動産投資などが主な事業となっていましたが、近年ではオンラインを利用して、さまざまな業種で海外取引が利用されています。
民泊事業やデリバリーの請負などで海外の企業と収支の取引がある暗号資産などの取引で、急激に大きな利益が出ているといった場合には、適正な申告ができているかを把握する目的で調査対象となる可能性もあるでしょう。

無申告事業者

無申告である実態は金融機関への情報照会や取引先への税務調査で発覚するほか、第三者からの密告などで判明することも多いものです。
これまで無申告を続けてきた場合は、本当に申告の必要がないのかも含めて、税理士などの専門家へ相談してみることをおすすめします。

まとめ

個人事業主が税務調査に入られる確率は全体としては多くはありませんが、所得税の課税対象となる売上が1,000万円に近いか、それ以上の場合は調査対象となる確率が高まります。
それ以外にも、税務調査に入られやすい特徴で挙げた点に心当たりがある場合は、税理士事務所などでアドバイスを受けてみるのがよいでしょう。

脱税・申告漏れ・所得隠しをしたらどうなっちゃうの?

2021.07.05

脱税や所得隠しというと、映画やドラマなどで大手企業や富裕層に国税庁の調査が入るイメージがあります。しかし、こうしたセンセーショナルなものでなくても、税務署から調査が入って申告漏れや脱税を指摘されるケースは多いのです。
ここでは、脱税や所得隠し、申告漏れなどが発覚する経緯や、その後の流れなどについて解説しています。

脱税や所得隠し、申告漏れがバレてしまう理由は?

税務署内では、過去に調査対象とした膨大な脱税や所得隠しのデータを蓄積しています。ちょっとした隠ぺい工作などが簡単にバレてしまうのはこのためです。脱税や申告漏れ、所得隠しなどがバレやすい手口として、以下のようなものが挙げられます。

売上計上日の操作

決算月に計上するべき売上を意図的に翌月へ繰り越したり、納品書や請求書の日付をずらしたりといった行為は、売上の不正操作が疑われやすいものです。
金融機関への入出金状況や運送会社などへの履歴確認と併せて、取引先の調査などからも、日付の操作は発覚します。
金額が大きかったり、決算に関連する月に日付の相違があったりする場合、単純な入力ミスや思い違いなのか、意図的な操作なのかについて、税務調査で更に詳しく調べられることとなるでしょう。

売上額の過少申告

実際は営業していたのに休業していたように見せかける、営業時間を短く偽り、売上額を少なく計上するといった行為も、税務署の調査対象となれば発覚しやすいものです。
税務署では、調査対象となった店舗の営業時間を確認する目的で顧客として潜入したり、仕入れと実際の在庫との相違をチェックしたりするなど、さまざまな手法で隠ぺいや帳簿操作を暴くのです。

現金取引や海外取引が多い業者はチェックが厳しくなることも

銀行やクレジットカードなどの履歴に残らない現金による取引や、消費税の対象とならない海外取引を多く行っている事業者も注意が必要です。税務署では、こうした取引に対して税務調査の対象とすることが多く、チェックもより厳しいものになります。
取引先の企業が税務調査対象となって発覚するケースや、第三者からの通報、密告によって調査が始まるケースなどもあるため、不正を行ないやすい取引であるほど、正しい申告が重要だと考えた方がよいでしょう。

こうした取引以外にも、架空の接待費や交通費の計上、生活費の経費計上といった些細な不正でも、ひとたび税務調査が入れば指摘を受けて修正申告となり、追徴課税の対象となるケースもあります。
では、申告自体をしていない「無申告」の場合でも、税務調査の連絡が来るケースはあるのでしょうか。

税務署は無申告の事業者をどうやって調査している?

無申告の事業者について、税務署では以下のような手法で把握に努めています。

取引先への調査

自分自身は無申告で営業を続けていても、仕入れや売上を申告している取引先があれば、そこからの情報をもとに調査の手が伸びるケースもあります。
個人・法人を問わず、取引先が税務調査を受ければ、取引の際に交わした契約書類や個人情報をもとに、無申告の可能性がありそうな業者を洗い出すこともできるでしょう。

タレコミ・密告など

第三者によるタレコミや密告で、無申告が見つかるケースも少なくありません。恨みを買うような心当たりがなかったとしても、申告していないことをどこかでうっかり口に出していれば、ひそかに快く思わない人が通報する可能性もあります。
税務署でも、すべてのタレコミや密告に関して、平等に時間をかけて調査するわけではありません。中には、偽の情報やいわゆる「ガセネタ」が含まれている可能性もあるからです。
しかし、過去の蓄積されたモデルケースから可能性の高いタレコミを見分けて、調査対象とされてしまえば、かなり細かい部分まで調べられてしまうでしょう。
金融機関や役所に限らず、携帯電話や公共料金、住宅の契約・支払状況まで、税務署はあらゆる機関へ情報提供を求めることが可能です。
1度の無申告であれば、事業者に何らかの事情があって申告が遅れている可能性も考えられます。無申告の状態を何年も続けているほど、調査の対象となる可能性は年々高まると考えるべきでしょう。

税務署に脱税・申告漏れ・所得隠しがバレた場合はどうなる?

無申告や脱税、所得隠しなどが税務署にバレると、多くの場合以下のような流れを取ることとなります。

税務調査の連絡が入る

映画やドラマなどで、突然何の連絡もなく国税の査察官が調査にやって来るシーンを目にすることがありますが、多くの税務調査では、個人・法人を問わず事前に税務署より連絡を受けるケースがほとんどです。
事前連絡では税務調査で訪問したい旨を伝えられ、都合の良い日程についても、ある程度調整してもらうことができます。
税務署でも「訪問したのに担当者不在で調査が進まなかった」「資料が不足していて訪問が無駄になった」という事態は避けたいと考えています。調査自体を拒否することはできませんが、1週間程度であれば、過去の申告をチェックしたり、税理士などへ相談したりする猶予も作ることができるでしょう。

税務調査に要する期間は数日程度

税務調査で訪問を受ける期間は、3日前後であるのが一般的です。税務調査の担当者が2~3名で事務所を訪れ、パソコンや過去の請求書といった資料をチェックするほか、通帳やクレジットカードの明細なども確認されることがあります。
この間、通常の営業や取引に支障が出るケースもあるため、日程調整をしてもらえる場合は、繁忙期を避けるようにするとよいでしょう。

連絡なしに突然調査が入るケースもある

税務調査は事前の連絡があるのが基本とはいえ、中には突然調査員がやって来るケースもゼロではありません。
こうした場合、税務署ではかなりの確立で多額の脱税が行われていると考える証拠を掴んでいる事が多く、証拠隠滅を防ぐために連絡なく調査に訪れます。こうした調査では修正申告に加え、重い追徴課税は免れないと考えた方がよいでしょう。

まとめ

たとえ脱税や申告もれ、所得隠しについて税務署が把握していたとしても、勘違いや計算ミスといった可能性もあるため、正しい納税を指導する目的で調査が行われるケースが多いものです。
とはいえ、調査を受けてから課税されれば、通常よりも多くの税金を納めなければならなくなります。過去の申告書類で不安な点がある場合は、税務調査対応に実績を持つ税理士事務所の無料相談などを受けてみるとよいでしょう。

税務調査で個人通帳を見せろと言われた!見せなきゃいけないの?

2021.06.27

税務署から税務調査が入った際、もし個人名義の通帳を見せるように言われたら、必ず見せなければならないのでしょうか。
ここでは、個人事業主に税務調査が入った際、税務署に通帳の提示を求められる可能性や対処法などについて解説しています。

税務調査で個人通帳の提示を求められることはある?

結論から言うと、個人事業主のもとへ税務調査が入った場合、個人名義の通帳や取引履歴を見せるように求められる可能性はあります。ここで重要なのは、個人通帳を見せるように言われるかどうかよりも、その要求を拒否することができるかどうかでしょう。

個人通帳の提示を求められても拒否できるケースって?

税務調査で個人名義の通帳や取引履歴の提示を求められた場合でも、仕事用に使っている通帳と個人名義の通帳をしっかり分けて使っているのであれば、見せる必要はありません。「個人の通帳は事業に使用していません」と伝えて、拒否することも可能です。

株式会社の税務調査でも個人通帳の提示を拒否できるケースは?

個人事業主に限らず、株式会社など法人企業に税務調査が入った場合でも、代表者名義の個人通帳を事業に使っていないのであれば、提示を拒否できます。
自宅の家賃や水光熱代、生活費に使用しているクレジットの引き落としなど、事業と関係のない入出金だけである場合、個人口座は税務調査でチェックするべきものではないからです。

ただし、あくまでも「事業用と個人用の通帳が明確に分けられている場合」に限られます。自分では明確に分けているつもりでも、個人通帳の提示を拒否できないケースはあるのでしょうか。

個人通帳の提示をしなければならないのはどんなケース?

税務調査で個人通帳を見せる必要があるケースには、以下のようなものが挙げられます。

自宅をオフィス使用し、家賃を按分している

個人事業主の場合、自宅兼オフィスのような形で一部を仕事部屋にし、自宅の家賃を按分して地代家賃として計上している人もいるでしょう。この家賃の引き落としを個人口座から行っている場合は、該当する箇所の通帳履歴を提示する必要があります。

売上の一部が個人口座に入金されている

得意先によっては、手数料などの関係で、振込先の銀行口座を指定される場合もあるでしょう。こうした一部の売上が個人口座へ入金されている場合も、求められれば該当部分の通帳を提示する必要があるでしょう。

文房具や備品などを個人口座のカードで支払った

プライベートな買い物のついでに、デビットカードなどを使用してビジネス用の備品や消耗品、文房具、書籍などを購入した場合も、口座取引の履歴確認を求められる場合があるでしょう。

現金取引が多いなど収支の履歴が曖昧な場合

売上や仕入れに現金取引が多く、事業用の口座だけでは取引の確認がしづらい場合や、所得隠しが疑わしいような場合にも、個人通帳を見せるように求められる場合があります。
ポイントとしては「個人名義の銀行から事業に関連する入出金をおこなっていないか」「事業用と個人用で使用する口座を明確に分けているか」が重要となるでしょう。

個人通帳の提示を拒否できるのに提示を求められたら?

事業用と個人用で通帳をしっかり分けて使用しているなら、本来個人用の通帳はプライベートなものであり、税務調査で見せる必要のないものです。
しかし、税務調査にあたる担当者によっては、特に根拠がなくても個人通帳の提示を求められる可能性もあります。

提示する根拠がない場合は拒否できる

税務調査を受けている時は何となく緊張したり焦ったりして、言われたことにはすべて従わなければならないような気持ちになる場合も少なくないでしょう。
とはいえ、提出するべき根拠のないものやあらぬ疑いについては、しっかりと説明した上で毅然とした態度を取ることが大切です。
個人用の通帳は事業用途に一切使っていないことを伝え、それでも提示を求められる場合は「提示するべき根拠はあるのでしょうか」と質問するなどして、根拠がない場合には提示を拒否することもできます。
国税庁でも、調査目的で資料の提示を求める際には、しっかりと根拠を説明した上で調査対象事業者の理解を得るよう努めるといった趣旨の説明がなされています。

国税庁ホームページ:税務調査手続に関するFAQ

個人名義の通帳と、事業との関連性が疑われるような根拠が特にないのであれば、プライベートでのみ使用している銀行口座を見せる必要はないと理解してよいでしょう。

見られても問題ないなら提示した方がスムーズな場合も

とはいえ「個人用通帳を見せてほしい」と税務調査で言われる場合、税務署の方でも何か不明点や疑わしい点があり、その点をクリアにして早く調査を先へ進めたいと考えているケースが多いものです。
あまり頑なに拒否し過ぎることで、かえって疑惑を深めてしまう可能性もあるため、特に通帳を提示しても問題がない場合は、見せた方がスムーズだと言えるでしょう。

根拠の判断が難しい場合は税理士へ相談を

経営者や代表として働いていると、通常の業務や営業で忙しい中、帳簿や取引のすべてを完全に把握するのは難しいケースもあります。
事業と個人の口座はしっかりと分けているつもりでも、もしかしたらうっかり見落としていることもあるかもしれません。特に税務署との交渉においては、税金や会計に関する知識が足りないと、知らないうちに生活費と経費が混同されている場合もあるでしょう。
税務調査が入る場合、比較的丁寧に帳簿を管理している事業者ほど、重箱の隅をつつくような追及にあうことも少なくありません。個人口座と事業との関連性について、根拠の判断が難しい場合や、税務署との交渉に不安を感じるなら、一度税務調査の対応に強い税理士へ相談してみるとよいでしょう。

まとめ

税務調査で個人名義の通帳を見せるように言われても、事業と完全に切り離して使用している口座であれば見せる必要はなく、提示を求められても拒否することが可能です。ただし、うっかり事業用に使っている場合や、税務署から根拠となる関連性について納得できる説明を受けた場合には、個人通帳を提示する必要があります。
個人通帳と事業とが完全に分けられているか、税務調査で指摘を受ける要素がないかなど、少しでも不安な点がある場合は、税理士事務所でアドバイスを受けてみましょう。

隠し口座はバレない?税務署はどこまで銀行口座を調べるのか

2021.06.10

税務署は事業者が持っている銀行口座について、どこまで調べることができるのでしょうか。税務調査で通帳を見せるように言われるケースなどもありますが、隠し口座がバレたり、個人口座の情報を事前に知られる可能性はあるのでしょうか。
ここでは、税務署が銀行口座を調べる方法や、税務調査を受けた際の対処法などについて解説しています。

税務署はどうやって銀行口座を調べるのか?

税務署では、税務調査で事業者や個人事業主に直接通帳や口座についての情報を聞き出す以外に、銀行口座を調べることはできるのでしょうか。

税務署は銀行へ税務調査への協力要請ができる

税務署では、銀行や信用金庫などの金融機関に対して、税務調査の目的で情報提供への協力を要請することが可能です。
調査対象とする事業者や個人事業主が持っている口座の番号や入出金状況、口座の開設年月日やクレジットカードの利用状況など、かなり細かな個人情報まで入手できるようになっています。

税務署の協力要請は金融機関に限らない

税務署が協力を要請できる機関は、金融機関に限りません。市町村の役場や電力会社、水道局や携帯電話の事業所など、幅広い機関において個人情報を照会することが可能です。
今まで1度も確定申告を行ったことがない場合でも、住民票や家族構成、借入状況やいくつ口座を持っていて、残高がどのくらいかといった情報まで、税務署は把握できるのです。

取引先の税務調査で調査対象となる場合も

税務署が特定の事業者を調査対象とした場合、あらゆる機関への協力要請によって、隠せる情報はほとんどないと言ってよい程調べ上げることが可能です。
調査対象となるきっかけとして、取引先の税務調査によって銀行の入出金履歴が閲覧され、そこで取引のある事業者としてマークされて調査対象となるケースもあります。

このように、一度税務署から税務調査の対象事業者とされてしまえば、隠し口座があったとしてもあっさりと洗い出されてしまうと考えておいた方がよいでしょう。

税務調査で通帳を見せるように言われた場合の対処法は?

税務調査に来られた際に、税務署の担当者から「通帳を見せてください」と言われることがあります。この時には、どのような対処をすればよいのでしょうか。

事業と関連性のない口座であれば提示を拒否できる

たとえ税務調査の対象となっている場合であっても、原則として事業と関連のない通帳や口座については、提示するように言われても拒否することができます。
「〇〇の取引について、事業用の口座以外で入出金を行っていないか確認したい」と言われたとしても、事業と切り離して完全にプライベートな口座としてのみ使用している通帳であれば、見せる必要性がないからです。
不正をはたらいていない事を証明するためにあえて提示する、という方法もありますが、事業と関連していると疑われる正当な根拠が税務署から示されない限りは、提示を拒否できることは押さえておくとよいでしょう。

事前に何らかの証拠を掴まれているケースもある

ただし、税務署では税務調査の協力要請という形で、あらゆる機関で調査対象者の情報を閲覧することが可能です。
「個人の通帳を事業用に使用していないか確認したい」と言いつつ、実際には既に何らかの証拠を掴んだうえで調査に訪れている可能性もあります。
もし隠し口座として使っているような通帳などがある場合、提示を拒否すれば隠ぺいや脱税の疑いを持たれ、重加算税などの追徴課税対象となる可能性があるため、税務署に隠せる情報はないと考えておいた方がよいでしょう。

本当に事業と関連がない通帳か確認することが大切

「個人名義でプライベートに使用している口座で、事業には使っていない」と思っている口座であっても、知らず知らずのうちに事業用として使ってしまっている、というケースも考えられます。
現金取引の仕入れに必要な資金を個人の通帳から引き出している、個人で契約している賃貸物件を事業用に使い、その家賃の引き落としを個人口座から行っている、といったような場合、事業用の費用と生活費がごっちゃになってしまっているため、税務調査で指摘を受ければ通帳を見せなければなりません。
重要なのは、個人の名義か屋号、会社の名義であるかではなく、事業用として使用した履歴があるかどうかです。
税務調査でチェックされるのは過去3年間、問題が見つかった場合は5年間まで遡って取引を調査されるため、事業に関連した収支の履歴が本当にないかどうかをよく確認するようにしましょう。

税務調査の対応に困った時はどうすればいい?

「不正を行っているつもりはないが、間違えていないとは言い切れない」「税務署から何か聞かれた時に、毅然と対応できる自信がない」といった場合はどうすればよいのでしょうか。

税務調査の連絡が来た時点から対処しても遅くない

税務調査を受ける際には、よほど悪質であるとみなされる問題を税務署が事前に押さえているケースでない限り、基本的には税務調査にやって来る前に事前連絡があります。
1~2週間、場合によっては1ヵ月以上先など、訪問日の調整にも対応してくれることが多いものです。その間に帳簿や申告書類をチェックして、もし間違いや計上漏れなどが判明した場合は、税務調査の前に自主的に修正申告をしてしまった方が、追徴課税を軽くできる可能性が高まります。

不安なら税理士にアドバイスを依頼しよう

税務調査の連絡が来てから過去の申告をチェックしても遅くはないとはいえ、余裕のある状態でしっかりとチェックした方がよいのは言うまでもありません。
税理士の中でも得意な分野がそれぞれあり、日々の帳簿管理を依頼している税理士であっても、税務調査への対応や対策には精通していない場合もあるのです。
これまで税務調査を受けたことがない人や、以前税務調査を受けた際に指摘を受けて修正申告した過去がある人は、一度税務調査に強い税理士事務所の無料相談などを利用してみましょう。

まとめ

税務署では、税務調査の対象とした事業者であれば、調査目的であらゆる機関へ情報提供の協力要請をすることが可能です。個人の口座で行われている入出金履歴はもちろん、戸籍や借り入れ、公共料金や携帯電話の支払い状況など、隠し通せる情報はほとんどありません。
税務調査で間違いを指摘されて追徴課税を受ける前に、税務調査の対応に強い税理士などへ相談し、適正な申告ができる機会にすることをおすすめします。

コロナ禍で支給される給付金目当てで確定申告をしたら税務調査がくるって本当?

2021.05.25

コロナ禍で営業や経営が思うようにいかない個人事業主の方の中には、各種給付金の申請を検討している方も多いことでしょう。
国や地方自治体が実施している給付金の申請には、前年度の確定申告が必要となるケースがほとんどです。給付金の支給を目的に確定申告をした場合、そのことで税務調査がやってくることはあるのでしょうか。

コロナ禍で支給される給付金とは?

コロナ禍で支給される給付金には、以下のようなものがあります。

持続化給付金

コロナウイルスの影響により、前年度に比較して50%以上売上が減少した事業者が申請できる給付金です。個人事業主で100万円、法人で200万円が支給されます。
申請には前年度の確定申告書類のほか、売り上げの減少がわかる帳簿のコピーなどが必要です。
※書類提出期限は2021年2月15日で終了しています。

営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金

緊急事態宣言や蔓延防止措置が発出された地域において、時短営業や休業の要請に従った場合に申請できる協力金です。申請期限や条件、支給額については、各地方自治体によって異なります。
協力金の申請には、営業許可証や誓約書のほか、前年度の確定申告書控えも必要です。

家賃支援給付金

コロナウイルスの影響で売上が減少し、家賃の支払いが困難となっている事業者へ支給される給付金です。
申請には賃貸契約書の写しや売上の減少を証明する書類のほか、前年度の確定申告書控えが必要となります。
このほかにもさまざまな補助金や助成金などがありますが、法人や個人事業主として申請する場合には、基本的に売上や所得を証明する書類の提出が必要です。

給付金の支給目当てで確定申告をしたら税務調査がくるの?

各種給付金を支給するために確定申告をした場合、必ず税務調査がやってくるのでしょうか。

前年度のみ確定申告した場合は疑われやすい

コロナ禍で支給される給付金の申請は、多くの場合前年度の確定申告書類が必要となります。言い換えれば、長年無申告状態であった人でも、給付金の申請目的で前年度のみ確定申告をすれば申請に必要な書類は揃うため、給付金の申請や給付を受けることはできるでしょう。
しかし、前年度よりも前の年度について無申告であったり、支給を受けて以降の確定申告をしていなかったりする場合には、税務署に無申告であることを疑われやすいのです。
現に、当社にも給付金の申請をして税務調査が入ったお客様からのご相談をいただいております。

無申告が疑われる場合は税務調査の対象に

給付金の申請書類を揃える目的で、1期分のみ確定申告をした状態について、税務署は「この年だけ確定申告しているのは何故だろう」と考えるのは自然なことだといえます。「前年度以前や以降について無申告状態ではないのか」と疑われてもおかしくないのです。
無申告が疑われる事業者がいれば、税務署は税務調査の対象とします。長年にわたって無申告が続いている可能性があると思われれば、早い段階で税務調査の連絡を受けることもあるでしょう。

税務署が給付金目当ての確定申告を見抜くポイントは?

「税務署は忙しいから、個人の申告書類をいちいちチェックしないだろう」と考えたくなるかもしれません。確かに、税務署でもすべての申告書類を細かくチェックするのは難しいでしょう。
しかし、日々さまざまな申告書類に目を通していれば「何か怪しい」「これはおかしい」といった違和感を税務署の担当職員が持つことは、素人よりも難しいことではありません。
無申告や給付金目当てで提出した確定申告書類には、毎年しっかりと申告している書類よりも目立ちやすいものです。
こうした怪しい申告書類を見抜く視点に加え、税務署独自のルートや第三者からの密告などで、不正の疑いがある法人や個人事業主は絞り込まれていきます。

無申告には重いペナルティが科せられる?

無申告の期間が長いと、重加算税などの追徴課税が徴収され、通常の税金よりも多額の納税義務が発生します。税務調査で指摘を受けて修正申告をした場合、支給された給付金を上回る税額を現金で一括払いしなければならないケースもあるのです。

税務調査のリスクを減らすには?

給付金の申請や支給を受けるために確定申告をする際には、以下のような点を守ることで、税務調査のリスクを減らすことが可能です。

無申告の期間があれば遡って申告する

給付金の申請時に確定申告をするのであれば、前年度分に限らず無申告の期間はすべて遡って確定申告しましょう。無申告期間が長ければ重加算税の課税対象とはなってしまいますが、自主申告した場合は税務調査で指摘を受けて課税されるよりも低い税率に抑えられ、追徴課税でもっとも重い重加算税の課税も回避することができます。
そもそも確定申告は給付金とは別物であり、コロナ禍や給付金の申請・支給とは関係なく毎年済ませるべきものです。1人で数年分の確定申告書類を準備するのが難しい場合は、個人の確定申告相談に対応している税理士へ相談するなどして、これを機会に正しい申告と税金の知識を身につけましょう。

虚偽の確定申告をしない

給付金の申請では、コロナウイルスによる影響で売上が減少しているとわかる資料が必要となります。前年同月と比較して、一定の割合で減少していることがわかれば申請可能であるものが多いため、売上があった日付を操作して記帳したいと考える場合もあるでしょう。
しかし、実際に入金された銀行の日付と帳簿上の日付が異なっていたり、実際よりも売上を少なく申告したりする行為は虚偽にあたります。
税務署では個人や法人の銀行口座を調査することもできるため、こうした虚偽の申告が疑われれば、税務調査が入る可能性も高まるでしょう。

まとめ

コロナ禍ではさまざまな給付金や支援金制度が実施されており、多くの場合申請や支給には前年度の確定申告書類が必要となります。
給付金目当てで確定申告をすること自体が税務調査の理由とはなりませんが、前年度よりも前に無申告の期間がある、給付金目当てで不正申告をしているといった疑いを持たれれば、それを理由に税務調査がくる可能性は高いでしょう。
給付金の申請と確定申告は別物であると考え、これを機会に無申告期間をなくして、節税対策や正しい税金の知識を身につけることをおすすめします。

持続化給付金を受給したら、本当に税務調査がやってきた?!

2021.05.11
持続化給付金を受給したら、本当に税務調査がやってきた

新型コロナウイルスの影響で、売上が減少した会社や個人事業主を対象にさまざまな支援や助成が実施されています。そのうちの1つである持続化給付金を受給すると、税務調査の対象となりやすいのでしょうか。
ここでは、持続化給付金を受給すると税務調査がやってくるのか、通常は税務調査の可能性が低いといわれる個人事業主も税務調査の対象となりやすいのかについて解説しています。

持続化給付金を受給したら税務調査が来るケースとは?

2020年10月以降、税務調査が再開されている

結論からいうと、持続化給付金を受給したことで税務調査がやって来る可能性はあります。
実際、私たちのところに持続化給付金がらみの税務調査の相談もいただいております。
以下のようなケースで持続化給付金を受給した場合、税務調査の対象となりやすいでしょう。

ずっと無申告で持続化給付金を受給した場合

持続化給付金の受給要件には、前年度の確定申告書が必要となります。それまでずっと無申告だった人が、持続化給付金の受給要件を満たす目的で前年度分のみ確定申告をおこなった場合、税務調査の対象となる可能性は高いでしょう。
前年より前の年度についても確定申告が必要であるにもかかわらず無申告の状態を続けている人は、既に税務署から調査対象としてマークされているケースもあるのです。無申告は前々年度よりも前にさかのぼって税務調査をされ追徴課税の対象となります。そのため、個人事業主で100万円の持続化給付金を得ていても、給付金を上回る額の税金が課せられてしまうこともあるでしょう。

そもそも、デタラメの確定申告をしている場合

持続化給付金を受給するためには、前年度の確定申告書が必要です。つまり、前年度の確定申告をするため納税が発生することになります。
しかし、ニュースでも報道されていましたが「給付金はもらいたい」が「納税はしたくない」という人が一定数いたのは事実です。
前年の確定申告は給付金の要件なので申告は必要です。でも納税はしたくない。
そこで、売上を100万円、経費も100万円、つまり利益をゼロにして申告していたのです。
このようにデタラメな申告をしていると、誰が見ても明らかに不自然な確定申告になります。
これは税務調査もそうですが、警察からのお尋ねが来ることも考えられるでしょう。

新型コロナウイルスの影響ではないのに受給した場合

毎年確定申告を行っていても、新型コロナウイルスの影響で事業所得が減少したわけではないのに、帳簿を操作して受給したケースも税務調査の対象となる可能性があります。
持続化給付金の申請には「前年同月と比較して売上が50%以上減少している月がある」という要件を満たしていることが必要です。
例を挙げると、帳簿上は6月の売上が前年同月より50%以上減少していても、その前月や翌月に多額の売上が計上されているような場合、なぜそうなったのか指摘を受けやすくなります。
このほかにも、実際の入出金と帳簿の日付に相違がある、銀行口座を通さず現金による取引が多いといった場合にも、不正受給を疑われやすいでしょう。

前年度のみ確定申告を行い、受給後に無申告である場合

持続化給付金の申請要件を満たすためだけに前年度の確定申告を行い、給付金を受給した後に最新の確定申告をしていない場合も、税務調査がやって来る可能性は高まります。
今年やって来なかったとしても、数年後に税務調査の連絡を受ければ、過去に遡って追徴課税の対象となってしまうため、早めに確定申告を済ませることが大切です。

受給がきっかけとなって調査対象となる可能性はある

持続化給付金を受給したという理由1点だけで税務調査の対象となることは考えにくいでしょう。
しかし、給付金を受給した際の書類が疑わしい場合や、無申告の年度がある場合、不正が疑われる取引が多い場合など、複合的な理由で税務調査がやって来る可能性はあります。

税務調査はいつやって来てもおかしくない

そもそも、毎年正しく申告していても、ある日突然税務調査の連絡を受ける可能性は誰にでもあるものです。法人や個人事業主を問わず、一定期間営業を続けている事業者であれば、いつ税務調査が来ても大丈夫なように心づもりをしておくことが大切でしょう。

コロナ禍でも税務調査はやっている?

2020年の4月から10月まで、新型コロナウイルスの影響で、一時的に税務調査がストップしていた時期がありました。10月以降も調査に訪れる職員や滞在時間を縮小するなど、感染対策を強化しながら税務調査が行われているようです。
縮小傾向であるとはいえ、一時的にストップしていた期間を取り戻すべく、調査の件数自体は今後増えていく可能性があります。2018年まで無申告で2019年分のみ給付金申請のために申告を行ない、2020年度分は無申告というような状態である人は要注意です。2020年度分の確定申告の確認作業が落ち着いてくる夏から秋にかけて税務調査が入り、何年分も遡って延滞税や重加算税を支払うことにならないようにしましょう。

税務調査の対策がわからない場合は税理士へ相談を

「正しく確定申告したつもりだけど、間違っているかもしれない」「税務調査が来た時に、どう対応してよいかわからない」という場合は、税務調査対策やサポートを受け付けている税理士事務所へ相談してみましょう。
正しい記帳方法や指摘を受けそうなポイント、資料の準備方法や節税対策など、不安に感じる点についてアドバイスしてもらうことで、焦ったり不安に感じたりするリスクを減らせます。
無申告や個人事業主の会計相談への対応実績があり、規模の小さな事業者でも取り扱い実績の多い税理士事務所を選んで、無料相談などを利用してみるとよいでしょう。

まとめ

持続化給付金を受給した事実だけで税務調査の対象となるわけではありませんが、無申告状態や不正受給を疑われるような場合には、個人事業主や小規模の事業者であっても税務調査がやって来る可能性は高まります。給付金の受給状況と合わせて、その他の取引について指摘を受ける可能性もあり、給付額を超える税金を納めなければならないケースもあるでしょう。
コロナ禍でも税務調査は粛々と実施されているため、少しでも気になる点や悩みがある場合には、税金の専門家である税理士へ早めに相談することをおすすめします。