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追徴課税とは?計算方法をわかりやすく解説!【個人・法人対応】

2023.07.20

税務調査で無申告を指摘された場合、通常の納税額に加えて、追徴課税も納付することになります。この追徴課税がいくらになるのか、どのような計算になるのかは気になるところです。 ここでは、追徴課税の計算方法について、具体例を挙げてわかりやすく解説しています。 無申告を続けており、いくら追徴課税がくるか不安を抱えている方は税理士法人松本までお電話ください。



そもそも追徴課税って?

まずは、追徴課税の概要と、どういった場合に追徴課税の対象となるかについて見ていきましょう。

過去に申告漏れなどがあった場合に追加で課税される税金

追徴課税とは、過去の税額が実際よりも少なかったり、申告が漏れていた場合、期限を過ぎて納税や申告したりした場合などに課税される税金のことです。 追徴課税には延滞税や過少申告加算税などいくつかの種類があり、いずれも懲罰的な意味合いを持っています。

追徴課税の種類

追徴課税として加算される税金の種類には、以下のようなものがあります。 延滞税:各税金について、定められた納付期限よりも遅れて納付する場合に加算される税金です。法定納付期限から、全額納付されるまでの日に応じて定められた税率によって計算されます。 無申告加算税:期限を過ぎて提出された申告書にもとづいて加算される税金です。税務調査前に自己申告した場合と、税務調査によって無申告が判明した場合で税率が変わります。また、一定要件を満たしている場合には、期限後の申告であっても加算されない場合もあります。 重加算税:申告漏れや無申告のうち、所得隠しや書類の改ざんなど、悪質であるとみなされる事例に対して加算される税金です。追徴課税の中でも税率が重く、決定すると通常の納税額をはるかに上回る納税義務が生じる可能性もあります。 過少申告加算税:税務調査などで申告漏れや計上ミスなどが判明し、税務署から指摘を受けて修正申告を行なった場合に課税される税金です。 不納付加算税:事業者が支払うべき給与や報酬に対して発生する源泉所得税について、定められた期限内に納付しなかった場合に課税される税金です。期限に遅れたことに気づき自主的に納付した場合と、税務署から指摘を受けて納付した場合とで税額がことなります。

追徴課税の計算方法

上記の追徴課税が決定した場合、税金をいくら払うことになるのでしょうか。いくつかの事例を挙げて、それぞれの計算方法について以下で更に詳しく見ていきましょう。

税務調査で指摘を受けたか、自主申告したかで税率がことなる

追徴課税は、納めるべき税金に対して定められた税率を加算して計算します。納税額によって税率がことなるものもありますが、税務調査で指摘を受けた場合と、自主的に気づいて申告した場合とで大きくことなるものが多くなっています。

【追徴課税の計算事例】税務調査で指摘を受けた場合

税務調査で申告漏れが判明し、100万円の税金を新たに納付する必要がある場合の追徴課税について計算してみましょう。

申告漏れがあり、修正申告する場合

特に悪質だとみなされず、税務調査で申告漏れの指摘を受けた場合、過少申告加算税の課税対象となります。 過少申告加算税の税率は、50万円までは税額の10%、50万円を超える部分は15%となるため、50万円×10%と50万円×15%で、過少申告加算税額は125,000円となります。

無申告が判明した場合

無申告が判明した場合は、無申告加算税の課税対象となります。 無申告加算税の税率は、50万円までは税額の15%、50万円を超える部分は20%となるため、50万円×15%と50万円×20%で、無申告加算税額は175,000円となります。

悪質であるとみなされた場合

悪質であるとみなされた場合は、税率の重い重加算税が課税されることとなります。 重加算税の税率:不納付加算税・過少申告加算税に代えて35%、または無申告加算税に代えて40%となるため、過少申告の場合は100万円×35%で重加算税額は350,000万円、無申告の場合は100万円×40%で400,000円となります。 このように、本来100万円の納付で済む税額が、追徴課税によって最大1.4倍まで大きくなってしまう可能性があるのです。 また、源泉所得税の不納付があった場合には、税額の10%にあたる不納付加算税が課税されます。これらの追徴課税に加え、更に利息のような意味合いで、年2.7%~14.6%の延滞税も加算されます。

税務調査を受ける前に自主的に修正申告した場合

上記の計算は、税務調査で指摘を受けて修正申告した場合の税額です。もし税務調査で指摘を受ける前に計上ミスや申告漏れが判明し、自主的に修正申告をした場合の追徴課税は以下のようになります。

過少申告加算税:課税なし
重加算税:課税なし
無申告加算税:税額の5%
不納付加算税:税額の5%

上記に加えて、納付するべき税額が修正で増えるため、本来の納付期限から追加の税金を全額納付するまでの期間に対して延滞税がかかります。それでも、税務調査で指摘を受けた場合に比べると、自主申告によって課せられる追徴課税は少額であることがわかります。そろそろ税務調査が入りそうと感じている方は一度税理士法人松本までご連絡ください。



追徴課税はどこまで遡って支払う必要がある?

税務調査で指摘される申告の期間は、どこまで遡って行われるのでしょうか。

税務調査で調べられる期間は原則3期分

税務調査で遡って調べられる期間は、直近から3期分となるのが一般的です。上記の計算で判明した税額が前年度のみとした場合、それ以前にも申告漏れが判明すれば、追徴課税は更に重いものとなるでしょう。

最長で7年まで遡って指摘される場合も

また、重加算税の対象となるような悪質性があると判断された場合には、3年よりも前まで遡って調査を受ける場合もあります。 過去の申告で問題が見つかった場合は5年、悪質な問題が見つかった場合は、最長で7年分まで調査される可能性があるでしょう。 重い追徴課税の対象とならないためには ・ミスや申告漏れに気づいたら、できるだけ早く自主的に修正申告を行う ・税務調査で指摘を受ける前に修正する ・問題があるとみなされるリスクを避ける といったポイントを理解して、過去の申告済み書類や帳簿についてこまめにチェックすることが大切です。

まとめ

過去に申告した内容にミスや申告漏れがあった場合、本来納めるべき税金に加えて、追徴課税が課せられることとなります。特に税務調査で悪質性があると指摘を受けた場合は重い重加算税の課税対象となるため注意が必要です。追徴課税を少しでも抑えたいなら、税務調査を受ける前にミスがないかを確認し、自主的に修正を行なうことが大切となります。

無申告のまま、フリーランスのデザイナーに税務調査がやって来た!

2023.07.15

最近では、働き方も多様化し、フリーランスとして働く人も増えています。企業に所属せずに、自分のやりたい仕事を選び、自分の感性をフルに活かしながら自由にデザインができるフリーランスデザイナーの道を選択する人も少なくありません。
自分次第で仕事の幅も広げられるフリーランスデザイナーですが、フリーランスデザイナーとしてクライアントから報酬を受け取っていれば、確定申告を行い、1年間に得た所得を申告し、所定の額の税金を納めなければいけません。もし、確定申告をしていない無申告の状態のフリーランスデザイナーに税務調査が入った場合は、どうなってしまうのでしょうか。
今回は、フリーランスデザイナーの確定申告の必要性と無申告が発覚した場合のペナルティについてご説明します。 確定申告がまだで無申告の状態の方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



確定申告とは

確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間の所得と所得にかかる税金を計算して、期限までに所得税を納税する一連の手続きのことです。確定申告の時期は毎年、2月16日~3月15日までとされています。ただし、最終日が土日や祝日の場合は、休み明けの平日が期限となります。
確定申告が必要な人には、フリーランスなどの個人事業主で事業収入を得ている人や、不動産や株取引などで所得を得ている人などが該当します。ただし、1年間の所得が48万円以下の場合は、確定申告はしなくても構いません。(※住民税の申告は必要な場合があります。)
したがって、フリーランスのデザイナーで年間48万円以上の所得を得ている人は、確定申告を行い、利益が出ている場合は所得税の納税を行わなければならないのです。会社員として仕事をしながら、副業としてデザイナーの仕事をしている場合は、副業の所得が20万円を超える場合に確定申告が必要となります。

無申告のフリーランスデザイナーに税務調査が入る可能性

税務調査とは、納税者が正しく所得を申告し、納税を行っているかを調べる税務署の調査です。税務調査は法人だけを対象にして行われるものではなく、フリーランスで働く人や個人事業主なども対象となります。
税務調査には、強制調査と任意調査の2つがあります。強制調査とは脱税の疑いがある納税者を対象としたもので、事前の通知なく、強制的に行われる税務調査です。一方、任意調査とは脱税の疑いがない法人や個人を対象として行われる税務調査です。任意調査の前には税務署から調査日時についての通知がなされます。税務調査当日には、所得や経費を示す帳簿書類の提示や提出が求められ、調査官から事業内容や売上状況、経費の内容等について質問がなされます。
フリーランスのデザイナーが確定申告をしない無申告の状態だった場合、申告をしていなければ税務署も情報を把握できないため、税務調査の対象になることはないのではと思うかもしれません。しかし、フリーランスのデザイナーとして仕事をしていれば、クライアントが存在し、クライアントはデザインに対する報酬を支払っています。取引先であるクライアントに税務調査が入れば、取引先としてデザイナーの名前が判明し、支払われた金額も明らかになります。取引先が多ければ多いほど、クライアントが税務調査を受ける確率は高くなり、フリーランスデザイナーへの報酬支払いが発覚する可能性も高くなります。

税務調査で無申告が発覚した場合のペナルティとは

税務調査によって無申告が発覚した場合、申告をしなかったことや税金を支払わなかったことに対するペナルティが科せられます。
無申告のペナルティは、無申告加算税というものです。
無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分には20%の割合を乗じて計算した金額となります。無申告の場合は、正しく確定申告を行い、税金を納付していた場合に支払うべき金額も納めていないことになるため、本来の税額に加えて無申告加算税を支払わなければなりません。また、無申告が発覚した場合には、支払いが遅れたことに対するペナルティである延滞税も課税されます。
無申告後、遅れて確定申告を行うことを期限後申告と言います。期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日が納付期限となるため、その日に全額を納めなければなりません。
税務調査が入った年だけでなく、長年にわたって無申告状態を続けていた場合、無申告年分の税金とペナルティとして科せられる無申告加算税・延滞税を加えた額はかなりの額になります。かつ、その税額分をまとめて一度に支払わなければならなくなるため、フリーランスのデザイナーにのしかかる負担は大きくなるでしょう。

税務調査が入る前に確定申告を

確定申告を忘れてしまっていた場合でも、税務調査が入る前に自主的に期限後申告をした場合には、無申告加算税の税率が免除されるケースや無申告加算税の税率が軽減されるケースがあります。フリーランスデザイナーで確定申告をしていない場合は、できるだけ早く確定申告を済ませることをおすすめします。
確定申告が初めての方の場合などは、会計処理についての知識がなく、確定申告に必要な書類の作成等に不安を感じる方もいるでしょう。そんな場合はぜひ、税理士法人松本までご相談ください。過去にさかのぼって申告が必要な場合も、経験豊富な税理士が適切なアドバイスを行います。税務調査によって無申告を指摘され、多額のペナルティを支払わなければならなくなる前に早めにご相談ください。



まとめ

フリーランスデザイナーとして、仕事をして年間48万円以上の所得を得ている場合、確定申告が必要です。法人だけでなく、フリーランスとして仕事をしている個人も税務調査の対象となります。もし、税務署の税務調査によって確定申告をしていない無申告の状態が発覚した場合は、納税すべき額の税金に加えて、ペナルティである無申告加算税と延滞税を一度に納付しなければならなくなります。数年にわたって無申告を続けていた場合、その額はかなりの額に上る可能性があります。
このような事態を避けるために、税務調査が入る前にできるだけ早く確定申告を行うことをおすすめします。確定申告の手続きに不安を感じる場合は、お気軽に税理士法人松本までご相談ください。


無申告ドライバーに税務調査が?!忙しくて確定申告を忘れていた…

2023.07.15

長距離トラックのドライバーや宅配ドライバーなど、個人事業主としてドライバーの仕事をしている人は、確定申告が必要です。昨今ではコロナ禍での行動様式の変化や、インターネット通販の普及によって運搬する荷物の量が急増していることもあり、忙しすぎて確定申告を忘れてしまった方やつい確定申告の期限が過ぎてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、運送業は税務調査の対象となることが多い職種です。もし、確定申告をしていない無申告のドライバーに税務調査が行われた場合、どのような問題が生じるのでしょうか。
今回は、無申告のドライバーに税務調査が入った場合のリスクについて詳しくご説明します。すでに税務調査が入っているドライバーの方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



個人事業主は確定申告が必要

確定申告とは、1年間の所得と所得税額を計算し、必要な書類を提出したうえで納税を行う手続きのことを言います。日本では申告納税制という制度をとっており、所得を得た人が自ら申告し、納税する仕組みとなっています。
確定申告では毎年2月16日から3月15日までの間に、前年の1月1日から12月31日までの所得を申告し、所得税の納税を行います。企業に勤めるドライバーの場合、年収2,000万円を超えていない人や副業等で20万円以上の所得がない人は、会社が給与から所得税を源泉徴収しているため、個人が確定申告をする必要はありません。しかし、個人事業主としてドライバー業務に従事している場合、年間48万円以上の所得を得ている人は確定申告をして、所定の所得税を納税しなければなりません。


税務調査とは

税務調査とは、納税者が正しく所得を申告し、正しい額の納税を行っているかを税務署が調査するものです。税務調査の対象は企業等の法人だけではありません。個人事業主等の個人も調査対象に含まれます。
税務調査には2つの種類があり、1つは脱税が疑われる場合に行われる強制調査、もう1つが脱税の疑いがない場合に行われる任意調査です。一般的に行われる任意調査の場合、税務調査が行われる際には事前に税務署から連絡が入り、税務調査の日時等が知らされます。税務調査の通知があった場合には、税務調査に必要となる書類や帳簿を準備し、調査当日には税務調査官からの質問に回答しなければなりません。


ドライバーに税務調査が多い理由

ドライバーは、税務調査が行われやすい職種として知られています。なぜ、ドライバーは税務調査の対象になりやすいのでしょうか。
令和1年に国税庁が発表した「事業所得を有する個人の1件あたりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」の中には、5位に特定貨物自動車運送、7位に貨物系車両運送、8位にダンプ運送が入るなど、ドライバーに関連する業種が3つもランキング入りしています。
これは、ドライバーには正しく確定申告をしていない人が多いことを表しています。税務調査は税金が正しく納められているかを調べる調査であり、不正が多い業種であれば税務署から調査の対象として選ばれやすいということは、自明の理であると言えるでしょう。


ドライバーの税務調査時の注意点

確定申告時、所得として申告する額は収入から仕事にかかった費用を差し引いた額です。ドライバーの必要経費として考えられるのは、ガソリンや軽油等の燃料代、高速道路の通行費用、車両修理や整備の費用、エンジンオイル・タイヤ等の消耗品の費用、駐車場代金、車検費用、業務で使用する携帯電話代等の通信費用、自動車税等の税金、自賠責保険や任意保険等の保険料などです。
税務調査では、経費が正しく計上されているかのチェックがなされます。もし、自動車の保険料ではなくドライバー自身の生命保険料や交通違反をした際の反則金、プライベートな移動のために使用したガソリン代などを経費に計上していた場合は、経費を水増ししたとみなされます。
また、売上の計上漏れがないか、正しい額を計上しているかという点もチェックされるポイントです。売上は、原則として、入金日ではなくサービスを提供した日に計上します。入金のタイミングが年をまたぐ場合などは注意が必要です。


忙しくて確定申告を忘れていた無申告ドライバーの場合

インターネット通販の普及やリモートワークの広がりなどにより、運送業に従事しているドライバーはかつてないほど忙しい時間を過ごしていることでしょう。確定申告をしなければいけないことは知りつつも、忙しすぎて確定申告を忘れてしまった場合でも、確定申告をしなかったことに対するペナルティとして無申告加算税が課せられます。また、納税の期限に遅れたことに対するペナルティとして延滞税の納税も求められます。
つまり、確定申告を忘れてしまうと本来納めるべき税額にペナルティ分の税額も加えられ、多額の税金を支払わなければならなくなってしまうのです。無申告状態が続いているドライバーの方はまずは税理士法人松本の無料相談をご利用ください。



意図的に所得を隠していると認められると脱税に

税務調査により、確定申告の必要性を認識していたにも関わらず意図的に所得を隠蔽し、申告せずにいたことが発覚した場合、悪質性が高いと判断されれば脱税の罪に問われてしまうこともあります。脱税と判断された場合、重加算税の支払いが求められるようになります。重加算税は最も重いペナルティであり、修正申告によって支払うべき税額の35%もしくは40%という高額の追徴が行われることになります。


まとめ

昨今の社会の流れから、これまでにない忙しさを感じているドライバーも多いでしょう。しかし、忙しいからと言って確定申告をせずにいると、税務調査によって無申告や脱税と判断され、重いペナルティを科されてしまう可能性があります。
ドライバーは申告漏れが多い業種として知られ、税務調査の対象として選ばれやすくなっています。もし、税務署から税務調査の通知があった場合には早めに税理士法人松本までご相談ください。特に確定申告をしていない無申告の状態の方は、多額の追徴課税が課される可能性があります。
また、税務調査の前に自主的に申告を行った場合は、ペナルティが軽減される可能性もあります。忙しくて確定申告を忘れてしまっていたドライバーの方もぜひ、お早めにお問い合わせください。


農業の税務調査は売上の計上漏れや外注費の指摘を受けやすい?

2023.07.15

今、農業を営んでいる個人や法人に対する税務調査が増えていることをご存じでしょうか。農業で得た収益やかかった費用などを正しく申告せず、どんぶり勘定で確定申告を行っていると、税務署から所得隠しの疑いをもたれてしまう可能性があります。
今回は、農業従事者への税務調査が増えている背景と、農業の税務調査において指摘されやすい計上漏れや外注費など、確定申告時に注意すべき点をご紹介します。 税務調査が入り1人での対応に不安を抱えている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



農業の確定申告の仕方

農業による所得は、事業所得の中の農業所得に該当します。農業所得を得ている人は確定申告を行い、1年間の所得額を申告して然るべき所得税を納付する義務があります。農業の税務調査についてご説明する前に、まずは確定申告について確認しておきましょう。

農業所得とは

農業所得は、農業で得た利益です。農業による収入金額から農業のためにかかった経費を差し引いて計算をします。青色申告を行うと、青色申告特別控除額も収入から差し引くことが可能です。

農業の収入

農産物を販売して得た金額のほか、小作料受取金や出荷奨励金・補助金・交付金などを受け取った場合にはその額も収入に含めて計算をします。

農業の必要経費

農産物のタネや苗の購入代金、肥料や農薬の代金、農機具を購入した場合の代金、人を雇っている場合には給与などの人件費、農地の固定資産税、農地を借りている場合は地代、農機具やビニルハウスの燃料費、防虫ネットやマルチ、縄などの費用などが経費に該当します。

税務調査とは

税務調査とは、納税者が正しく所得を申告し、正しく税金を納めているかを調べる、税務署による調査です。脱税の疑いがある場合には突然調査が入る強制捜査が行われますが、正しく納税しているかを調査する場合に行われるのは任意調査です。任意調査の場合は、急に調査が行われることはなく、税務署から調査の前に事前通知が行われます。

農業の税務調査が増えている理由とは

これまで、農家は長い間、農協を通して農産物を出荷していました。しかし現在では、農協を介さずに、農産物を道の駅やインターネット販売などで消費者に直接的に販売する人が増えています。その結果、農家や農業法人の中には、道の駅やネット通販での所得を申告しなかったり、わざと所得が低いように見せかける所得隠しを行ったりといった、不正な申告を行うケースが目につくようになってきました。
農協を通して出荷をしていた時代は、確定申告時には農協に出荷額などのデータがあったため、農家の所得額を把握しやすい状況でした。しかし、農協を介さずに自主ルートで販売するようになると、各個人や法人が農産物の販売によってどのくらいの所得を得ているのかを把握するのが難しくなってきたのです。
そのため、これまでは税務調査が行われることが少なかった農業の分野も正しく納税することが求められるようになり、積極的な税務調査が行われるようになってきたわけです。

農業の税務調査で指摘を受けやすいポイント

農業の税務調査で指摘を受けやすいポイントは、売上の計上漏れと外注費の取り扱いの仕方です。

売上の計上漏れについて

過去の報道によると、農業の税務調査では売上を過少に申告した例として次のようなものが紹介されています。
・道の駅で得た販売額を実際よりも少なく申告していた
・インターネット通販によって得た金額を計上していなかった
・売上金額を少なく記載したウソの明細書を使って、売上を過少に申告していた
・確定申告時に必要となる帳簿の記載が行われておらず、どんぶり勘定で申告していた

外注費とは

農業の税務調査においては、外注費についても指摘を受けることが多くなっています。外注費を多く計上すれば利益を圧縮することができるため、所得を低く抑えるために外注費を操作しているケースが少なくないからです。実際には作業を外注している実績がないにもかかわらず、外注費を支払ったように見せかけているケースや、外注費を一旦支払った形をとった後に、個人口座に支払った額を振り込ませているケースなどが発覚しています。
また、農業法人の役員や従業員が行った農作業に対して賃金を支払う場合、これは外注費ではなく給与とみなされる可能性があります。本来、外注費とは専門の技術者など外部の法人や個人と請負契約などを結び、外部に委託した業務に対して支払われる費用です。したがって、法人に所属している役員や雇用契約を結んでいる従業員が行った業務に対して支払われる費用は、一般的に給与として扱われます。
外注費と給与では、課せられる税金に違いがあります。外注費には消費税がかかり、納付すべき消費税の額から外注費にかかった消費税分を差し引くことができます。一方、給与の場合は消費税がかからないため、外注費のように納付すべき消費税の額を減らすことはできません。また、給与の場合は所得税の源泉徴収が必要となります。 このように本来は給与として扱うべき経費を外注費として処理した場合、源泉所得税と消費税に関わる部分で問題が生じてきます。税務調査によって外注費の指摘を受け、本来は納めるべき源泉所得税を納付していなかったり、消費税の納付額が不足していたりすることが発覚すると、正しい税額に加算税や延滞税を加えた額の税金を納付するよう求められるリスクがあります。雇用関係にある人や、法人の役員に支払う費用の取り扱いには注意が必要です。

まとめ

農業も多様化し、これまでの農協へ出荷するというやり方だけでなく、道の駅での販売やインターネット通販での販売など、農作物の販路が拡大してきています。そのため、農協以外に出荷して得た農業所得が正しく申告されていなかったり、必要経費を不正に計上していたりというケースが多く見受けられ、農家や農業法人への税務調査が増えています。確定申告の際には、農協への出荷以外で得た収入も正しく計上し、外注費の扱い方にも注意をしましょう。 任意調査の場合は、いきなり税務調査が行われることはありません。もし、税務調査の通知があった場合はすぐに税理士法人松本にご相談ください。税務調査に詳しい税理士が調査の日時に立ち会い、税務調査官からの質問にも適切に対応いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。



税務調査とは?調査内容や流れ、対象になりやすいケースまで解説!

2023.07.15

会社や個人事業主として経営をしている場合、税務調査という言葉を1度は耳にした経験があるのではないでしょうか。自分のところにもやって来るのか、それはどんな時に来るのか、どのような点が指摘されるのかなど、気になることは多いものです。
この記事では、税務調査とはどのようなものなのか、調査の流れに加え、調査の対象となりやすいケースと事前の対策について解説しています。税務調査に関する疑問を網羅した内容となっていますので、今後の参考としてお役立てください。税務署から連絡が来て、税務調査にこれから入るという方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務調査とは?

税務調査とは、税務署に提出された申告内容が正しいかどうかを帳簿書類などで確認し、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合に、納税者に対して是正を求める目的があります。
税務調査は、法定化された調査手続きを遵守するとともに、納税者の主張を正確に把握し、的確な事実認定に基づいて行われるものです。


国税局や税務署が納税者の適正な申告納税を実施しているか確認する調査

税務調査とは、所得税や法人税、相続税など、毎年提出される申告書について、その内容が適正な申告となっているか、適正な納税かを調べる目的で実施されるものです。
税務調査は国税局査察部や国税庁の管轄である税務署によって行われ、その統計やデータは毎年国税庁のホームページで公表されています。
税務調査の対象となるのは、株式会社などの企業やフリーランス、個人事業主のほか、副業をしているサラリーマンも含まれます。相続税の税務調査も含めると、対象となる範囲はかなり広くなると言えるでしょう。
税務調査には、事前通知のうえ納税者が協力するかたちで行う「任意調査」と、事前通知なく強制的に実施される「強制調査」の2種類に大きく分けられます。
税務調査のほとんどは、事前に調査する旨の内容が伝えられる任意調査です。強制調査では事前の通知なく、抜き打ち的に突然調査員が訪れます。強制調査は、悪質性が疑われる場合に、夜逃げや証拠隠滅を防止する目的で通知なく行われるものです。


国税局や税務署からの税務調査は拒否できるか?

強制調査はある日突然調査員がやって来て、強制的に調査を実施できるものであるため、対象者は拒否することができません。
任意調査の場合も「任意」と呼ばれているものの、正当な理由なく拒絶することは法律で罰則の対象とされているため、基本的には拒否できないものと理解しておきましょう。
拒否や拒絶はもちろん、調査の妨害行為なども罰則の対象となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処される可能性があります。
国税通則法 第128条


税務調査は怖い?怖くない?

「強制調査」「ペナルティ」「懲役または罰金」などと聞くと、税務調査に対して恐怖感を覚える人も少なくないでしょう。しかし、多くの税務調査は穏やかに進みますし、調査する側の税務署もむやみに営業をストップさせるような調査をしたり、威嚇するような態度を取ったりしてはならないという制約が課されています。
そもそも税務調査は、申告をしている人なら誰のもとにもやって来る可能性があるものです。適正な申告や納税していれば、むやみに怖がるものではないと理解しておきましょう。


税務調査の頻度や確率はどのくらい?

税務調査がどんな時に来るのかは、明確な時期が示されているわけではありません。しかし、通常は3~5年に1度程度調査されると言われています。
法人の場合、開業後10年以内に1度は調査を受けるとも言われていますが、もっと早く申告初年度でくるケースや、10年以上経過してから調査対象となるケースなどさまざまです。
また、法人だけでなくフリーランスや副業のサラリーマンも調査対象となる可能性があります。
営業の妨げとならないような配慮はされるものの、最低でも3年分は遡って調査されるため、帳簿や書類を管理している部署にとってはそれなりの負担となるでしょう。

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税務調査で対象となりやすい会社や個人事業主のケースとは?

税務調査は会社や個人事業主として経営をしている場合は誰にでも訪れる可能性がありますが、対象となりやすいケースがあるのも事実です。税務調査を受けやすい時期や業種などについて解説しましょう。


税務調査が増える時期は?

税務署でも、繁忙期には税務調査件数は減少します。通常の業務が落ち着き、調査に人員を投入できる時期に比例して、調査件数も増えるのです。
具体的な時期としては、確定申告の提出期限前後や、人事異動が実施される7月頃までは税務署の繁忙期となります。そのため、人事異動が落ち着く夏から秋、冬にかけて、税務調査は多くなる場合が多いでしょう。
実際に調査対象となる企業などを訪問して行う任意調査は「実地調査」と呼ばれます。実地調査が行われていなくても、税務署内で申告内容を確認し、実地調査をするべきか判断する「準備調査」の対象となっている場合もあるのです。
税務調査の連絡を受ける頃には、事前にある程度の情報を掴まれている場合も多いため、基本的に嘘や不正は見抜かれると思っていた方がよいでしょう。
また、繁忙期や人事異動時期であっても、割合は少なめですが実施されている税務調査もあります。


税務調査の対象となりやすい業種はある?

会社でも個人でも、どんな業種でも税務調査の可能性はありますが、過去のデータから不正や申告漏れなどの件数が多い業種の場合は、調査対象にされやすい可能性があるでしょう。
調査対象とされやすい業種には、飲食店や風俗店、IT関連業、建設業などが挙げられます。FXやデイトレード、仮想通貨など、投資で生計を立てている人も要注意です。これらの業種に携わっている場合は、1度税理士などの専門家からアドバイスを受けることをおすすめします。



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税務調査の対象となりやすい申告内容はある?

調査対象になりやすい業種以外にも、現金取引が多く入出金履歴を辿りにくいケースや、消費税の課税対象とならない海外との取引が多いケースなどは、不正を働きやすいため念入りに調査されるでしょう。急に売上がUPした企業や、売上と経費のバランスがおかしい、前年度と計上額が大幅に異なるといったケースも要注意です。税務署が利用しているデータベースで異常値としてピックアップされることがあるため、調査の対象にされやすいでしょう。


税務調査はどんな感じ?実際の流れを解説

実際に税務調査が来た場合には、どのような流れで進んでいくのでしょうか。ほとんどのケースで実施される任意調査を例に挙げて、一般的な流れを解説していきます。


税務署から事前通知~日程の決定

任意調査では、税務調査で訪問する旨の電話連絡を事前に受けることとなります。いつ頃電話連絡があるかについては一概には言えませんが、ある程度準備できる余裕は持たせてもらえることが多いようです。
税務署の方でも、せっかく訪問したのに調査に必要な書類やデータがなかったり、担当者が不在だったりすれば、時間と人員が無駄になってしまいます。
責任者が通院や遠方出張しているなど、やむを得ない事情の場合は、ある程度日程調整にも応じてもらえるでしょう。


訪問~税務調査開始

調査日当日は、2~3人の調査員がやって来ます。調査前には、申告内容の確認で税務調査を行うこと、実施期間や担当者の紹介などの説明を受けて開始されます。
1日の調査時間は午前中から夕方頃までで、お昼には休憩時間も設けられるのが一般的です。調査期間中は税務署からの質問に答える必要があるため、代表や経理責任者は同席する必要があります。
調査は静かに行われ、時には和やかに談笑しながら進むケースもありますが、調査は既に始まっているため、しっかりと対応しましょう。


1~3日程度で調査後、後日結果の連絡を受ける

調査期間は1~3日間となることが多く、調査が終わったら1ヵ月前後で結果の連絡を受けることとなります。
基本は指摘された箇所について修正申告となるケースが多く、悪質でなければ重加算税の対象となることもありません。
正しく申告できていれば、意外とあっけなく終わって拍子抜けする場合もあるでしょう。しかし、緊張して必要以上に怖がるなどして挙動不審な態度を取ると「何か隠しているのでは」と疑われる原因となりかねないため注意が必要です。


税務調査で注意したいポイントは?

税務調査中に注意したいポイントとしては「調査を妨害しない」「毅然とした態度で臨む」の2点が重要です。
調査官といえども人間ですから、会話や受け取り方の相性などが異なる場合もあります。ありもしない疑いなどをかけられて、つい感情的に対応しそうになるケースもあるでしょう。
逆に、質問に簡潔にわかりやすく説明できなかったり、ごまかしたりしてしまうと、虚偽の発言や申告をしていると疑われてしまうかもしれません。
感情的になって調査を妨害することなく、かつ正しいことは毅然と主張できることが大切です。対応に自信がない場合は、税理士などの専門家からサポートを受けるとよいでしょう。
書類の抜けや漏れなど、基本的なミスなどがないかも要チェックです。税務調査前にミスが見つかった場合は、指摘を受ける前に修正申告する方法もあります。


税務調査の連絡・事前通知が来たらどうすればいい?

税務調査の連絡や、事前通知と呼ばれる連絡が税務署から実際に入った場合、どのように対応すればよいのかについて解説します。

重要な内容はメモを取りながら聞くことが大切

税務調査で訪問したい旨の電話連絡が税務署から入った場合、税務調査の対象となっていて実地調査を受けることが既に決まっており、その件に関する事前通知であると考えられます。
事前通知の電話では、以下に挙げる内容について口頭で伝えられるため、しっかりとメモを取っておくとよいでしょう。
●税務調査で訪問する予定の日時
●訪問場所
●訪問する調査員調査官の氏名及び所属
●調査の対象となる期間
●調査する書類やデータ類

上記以外でも、気になった点はメモを取ったり、意味がわからない名称内容などは質問したりしても構いません。
外出先での電話や相手が早口であるなど、うまく聞き取れない場合には、聞き直して正確な情報を控えるようにしましょう。


訪問日程を調整したい場合の対応方法

訪問日程について、都合が悪ければ調整可能であることは前章で説明した通りですが、いつ頃ならよいのか、税理士や経理担当などと調整が必要な場合は、即答できない場合もあるでしょう。これから税理士を探す場合も税理士に同席を依頼したい旨を伝え、税務調査に強い税理士を探しましょう。
その場合は、一旦日程について確認して折り返す旨を伝えて電話を切り、確認でき次第営業時間内に折り返すようにするとよいでしょう。
日程調整だけでなく、税務調査を受ける上うえで不安な点などがあれば、対象税目や対象期間などと併せて、立ち会いを依頼する税理士へ伝えることをおすすめします。


税務調査のチェックポイントは!?


税務調査では、どのような点をチェックされるのでしょうか。税務調査の流れに沿って、重要となるチェックポイントを解説していきます。


経営者の人格がチェックされている!

税務調査が始まると、まずは事業の概要などに関する経営者へのヒアリングが行われることが多いでしょう。
この時にチェックされているのは、実は事業の概要だけではありません。事業について説明する経営者の雰囲気や人となりなどについても、見られていると思った方がよいでしょう。
話し方が大雑把だったり、適当だったりしないか、語気を強めたり、攻撃的な話し口調だったりしないかなどを調査官は見ています。
ただ話しているだけでも、その人の実直さや誠実さ、いい加減さなどは滲み出るものです。多くの調査対象先へ訪問している税務調査のプロであれば、事業についてヒアリングしながら、人格についておよその判断はつけられると考えた方がよいでしょう。


帳簿やデータの管理方法や状態もチェック対象に

ヒアリングの次は、いよいよ書類やデータのチェック、閲覧といった本格的な調査へと入っていきます。この時に、数字の動きを見られるのはもちろんですが、ファイリングや並び方などの管理方法や、書類の状態などもチェック対象となっています。
見やすいように月別に並べられているか、上下逆さまになっていたり、バラバラになっていたりしないかといった点もチェックされていると思った方がよいでしょう。
書類を出してくるのに時間がかかる、探しても出てこなかった、といった場合、証拠の隠ぺいや不正を働いていると疑われてしまう可能性もあります。
こうしたリスクを避けるためにも、書類やデータはすぐに出せるよう整えておくことが大切です。


従業員や家族とのやり取りが見られている場合も

書類や直接の会話に加えて、経営者と従業員や家族とのやり取りがチェックされている場合もあります。
従業員や家族の証言と経営者の証言に食い違いがある、書類と従業員の意見が異なるなど、辻褄の合わないことは疑われる可能性が高まってしまいます。


ほかにもある!その他のチェックポイント

上記で挙げた点以外にも、取引先の一覧にない企業や銀行からの粗品、カレンダーがあれば、隠している取引の存在があるのでは、と疑われる場合があるでしょう。
プライベートの出費と経費が混同されていないか、消費税の納税を不正に免れていないか、といった点もチェックされる可能性が高いと言えます。
経費と証明できるレシートや領収書は必ず保管して、すぐに提出できるようにしておきましょう。

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領収書が無い場合はどうすればいいのか?

税務調査では、会話の内容や書類の状態を見られることに加え、領収書がない、ゴソゴソ探してすぐに出てこない、といった行動はマイナスになりやすいことは上記で説明した通りです。
もし調査前に領収書がないことが発覚した場合は、諦めずに以下の点を確認しましょう。
●再発行が可能か
●出金伝票で対応できるか
●支払証明書など、領収書に代わる書類が出せるか

これらの対処が可能であれば、領収書がなくても認めてもらえる場合があります。領収書による証明ができないと、経費として認められない可能性があるだけでなく、消費税の控除もなくなってしまう可能性があるため、しっかり管理とチェックをしておきましょう。

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税務調査を怖がらないための対策とは?

税務調査を必要以上に怖れないためには、日頃から調査に備えた対策を取っておくことが大切です。以下を参考に、税務調査対策が取れているかチェックしてみましょう。


帳簿や書類の整理を行う

請求書や領収書などは月別にまとめ、見やすいようにファイリングしておきましょう。紛失している書類があれば再発行できるものは手配して、極力抜けや漏れのないように整えることが大切です。書類と帳簿のデータが合致しているかどうかも確認しましょう。


勘定科目はここをチェック!

帳簿上の勘定科目では、人件費や交際費は必ず調査でチェックされることとなります。人件費を操作していないか、タイムカードと伝票の担当者に相違がないか、架空人件費を計上していないかなどがチェックされます。
交際費は私的な支出を経費にしていないか、領収書がないのに経費計上していないかといった点も確認されるでしょう。
人件費と交際費以外にも、消費税の課税事業者を免れるための帳簿操作をしていないか、売上の過少申告や仕入費用の操作がないかなども見られることとなります。
見落としがちなのが、印紙税の貼付漏れです。契約書や領収書などに貼付が必要な収入印紙が抜けていた場合、通常の3倍の印紙税を支払うこととなります。件数によっては多額となるため、貼付漏れがないかもチェックしましょう。
書類と銀行の入出金履歴と帳簿が合っているか、といった基本的なポイントから、タイムカードや交際費のレシート内訳など、細部にわたって調査される場合もあります。ここで挙げた以外にも、さまざまな科目が調査される可能性があるでしょう。


無申告の方は1日も早い確定申告を

申告内容が正しいかどうかを確認する税務調査ですが、申告自体をしていない無申告事業者には、特に厳しい調査を実施しています。そのため「申告しなければ調査されることもないだろう」と考えるのは間違いです。
税務調査で無申告を指摘されれば、重加算税など重い追徴課税の対象となってしまいます。それが何年も遡って適用されることとなれば、多額の税金を一括で支払わなければならなくなるでしょう。
現在無申告の状態であるなら、一刻も早く確定申告を行うことをおすすめします。無申告からの確定申告をサポートしている税理士事務所もあるため、恥ずかしがらずに相談してみましょう。



こんなにある!税務調査対策を税理士へ依頼するメリット

無申告の場合も、毎年申告している場合も、税理士へ依頼した方が多くのメリットを得ることができます。
顧問を依頼している税理士がいる場合、税務調査の連絡や質問も、税理士のもとへ問い合わせてもらうことができます。税務署の疑問に対して税理士が明確に対応できれば、実地調査自体が回避できる可能性もあるのです。
税務調査は1度だけでなく、営業を続けていればその後何度も調査対象となる可能性があります。税理士へ依頼していれば、毎期の申告で大きなミスをしたり、勘違いで科目の入力ミスをしたりして指摘を受けるリスクも減らせます。そのうえ、節税対策についてもアドバイスがもらえるため、結果的に支出を大きく抑えることができるでしょう。


まとめ

税務調査では、基本的には申告内容や納税額が適正であるかを調査する目的で行われるため、正しく申告できていれば怖がる必要のないものです。とはいえ、自分の力だけでは、緊張せず明確に説明や対応するには限界があるでしょう。不安な場合は税金の専門家である税理士のサポートを受けて、税務調査に怯えることなく事業を続けていきましょう。


税務調査では何が必要なの?調査で慌てないために準備しておく資料とは?

2023.07.15

税務調査を受けることとなった場合、資料は何が必要となるのでしょうか。税務調査前に慌てないためにも、事前に用意しておくべき資料について把握しておきたいところです。帳簿のどんな内容をチェックされるかなども気になるでしょう。
そこで、ここでは税務調査で必要とされる資料や書類には何があるのか、帳簿の内容で確認や点検が必要な箇所はどこかなどについて解説します。
初めての税務調査で不安を抱えている方へおすすめの対策についても紹介していますので、税務調査について知りたい際の参考としてお役立てください。 税務調査が入っており、いますぐ相談したいという方は下記より税理法人松本までご連絡ください。



そもそも税務調査とは?

まずは、税務調査とはそもそもどのようなものなのか、簡単に確認していきましょう。

税務調査は「強制調査」と「任意調査」に分けられる

税務調査とは、国税庁や税務署などが毎年申告された内容を確認し、適正な申告がなされているかをチェックする調査のことです。
税務調査には、国税局査察部によって行われる「強制調査」と、管轄の税務署によって行われる「任意調査」に大きく分けることができます。

税務調査のほとんどは事前に通知を受ける「任意調査」

強制調査は、いわゆる「マルサ」と呼ばれるもので、ある日突然査察部が訪問し、書類や資料などを強制的に押収していく調査となります。
その一方で、任意調査は事前に調査日や調査の目的などについて通知を受けてから行われる調査となっており、ほとんどの税務調査がこれに該当します。
強制調査は証拠隠滅を防ぐ目的で、多額の脱税や悪質なケースに限って行われますが、任意調査は確定申告を行った事業者すべてが対象となります。

任意調査は事前に書類の準備や帳簿チェックが可能

強制調査では、何の前触れもなく強制的に調査されるため、書類を準備する余裕もありませんが、任意調査では事前に調査日の連絡があるため、それまでに書類を準備したり、漏れや抜けがないかをチェックしたりすることも可能です。
なお、任意調査といえども、調査を受けるかどうかを任意で決められる訳ではないため注意が必要です。税務調査の連絡を受けたら、調査日について多少の調整はできるものの、基本的に必ず協力しなければなりません。

【事前準備】税務調査には何が必要?

税務調査に必要とされる書類や資料には、以下のようなものがあります。

総勘定元帳

すべての取引が勘定科目ごとに記載された帳簿です。

現金出納帳

日々の入出金をまとめた現金出納帳も、税務調査に必要な帳簿資料となります。残高が一致しているか、実際の残高と一致しているかなど事前にチェックしておきましょう。

買掛帳・売掛帳

買掛金と売掛金に関する取引をまとめた帳簿です。締め支払いや入金などに規則性があるか、取引先の条件の違いなどについて明確に説明できるようにしておきます。

請求書及び領収証(売上・仕入)

請求書や領収証、見積書や納品書など、売上や仕入に関連する書類です。売上の場合は請求書や領収証の控えを、仕入の場合は原本を月別、取引先別に見やすくファイリングします。

経費関連の資料

管理費や通信費、接待費交際費のレシートなど、経費関連の資料もファイリングして準備しましょう。
記帳漏れがないか、資料に抜けがないかをチェックします。

棚卸表

期末棚卸に関する明細表は、税務調査の際に詳しくチェックされやすい資料の1つです。在庫が一致しているか、当日までに再度確認しておきましょう。

給与関連資料

源泉徴収票や賃金台帳など、給与に関する資料も必要です。
このほか、各種契約書類や議事録、会社概要なども準備が必要です。取り扱っているサービスによっては、消費税課税区分一覧表も求められる場合があります。上記の資料はそれぞれ最低3年分が必要となるため、事前に用意しておきましょう。

税務調査ではどんな質問を受けるの?

税務調査では、経理責任者と経営者の同席が求められるのが一般的です。経理的な質問には経理責任者や顧問税理士などが答え、会社や事業の概要などについては、経営者が答えることとなります。
とはいえ、税務調査では質疑応答の時間はそう長くはありません。調査中のほとんどの時間は書類の確認やチェックに使われ、必要に応じて質問に答えるのが一般的です。

税務調査で確認されやすい主な項目

税務調査でどのような質問を受けるかは、税務署がどの部分に対して詳しく確認したいと考えているかによっても異なりますが、ざっとピックアップしただけでも以下のようになります。

・会社概要・事業概要
・イレギュラーな取引に関する説明
・人件費に関する説明(給与設定、勤務時間、従業員の担当業務など)
・関連会社がある場合の利益の流れや外注費に関する説明
・接待交際費などの詳細
・契約書や領収証への収入印紙の貼付があるか
・罰金などが損金処理されていないか
・海外送金や海外での人件費などに関する詳細
・旅費交通費が適正に処理されているか

これ以外にも、消費税区分や値引き、多角経営している場合には事業ごとの説明など、事業によって質問は多岐にわたります。
また、損金不算入や期末資産の計上など、会計に関する質問にも、日頃から答えられるように処理しておくことが大切です。

税務調査をスムーズに終わらせるためにも、税理士へ対応を依頼しよう

税務調査となってから慌ててチェックしていては、質問された時にオロオロしてしまいます。
前年度からの仕訳を踏襲して漫然と会計処理を行っていると、いきなり突っ込まれた時に正しい帳簿内容であるにも関わらず、曖昧な説明になってしまい疑われる可能性もあるでしょう。
税務調査に専門家を入れずに対応することは可能ですが、疑いが晴らせずに多額のペナルティを課せられるリスクは避けたいものです。
税務署も調査はスムーズに終わらせたいと考えていますから、税務調査の対応に強い税理士へサポートを依頼することをおすすめします。



まとめ

税務調査では、総勘定元帳や現金出納帳、管理費の資料など、さまざまな書類を準備する必要があります。 また、経理的な質問やイレギュラーな取引に関する説明を求められるケースもあるため、スムーズに税務調査を終わらせ、追徴課税のリスクを減らすためにも、税務調査対応に強い税理士へ相談するようにしましょう。


国税庁が狙いやすい税務調査の対象先はどんなところ?

2023.07.15

国税庁が実施している税務調査は、株式会社などの法人から個人事業主まで、すべての事業者を対象に毎年一定の件数が実施されています。どんな業種に就いていたとしても、営業を続けていれば税務調査の対象となる可能性はありますが、対象にされやすい業種があるのも事実です。
ここでは、国税庁が税務調査の対象としやすい業種について、ランキング形式でご紹介しています。なぜ狙われやすいのかについての理由も解説していますので、税務調査についての理解を深める際に役立ててみてください。現在、税務調査がすでに入っており、不安を抱えている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



国税庁が税務調査の対象として選ぶ業種の特徴

国税庁では、税務調査の対象として力を入れている業種の特徴について、統計データの中でもいくつか例を挙げて公開しています。そうした業種の中には、以下のような特徴を持つ事業者が多いです。

現金取引が多い業種

納品や請求時に振込や手形といった形式を取らず、現金取引を多く採用している業種は、収支を記帳する際に履歴が残りにくく、改ざんもしやすいものです。そのため、国税庁から税務調査の対象として狙われやすくなります。
売上や仕入に限らず、日払いや即日払いなど、人件費を現金手渡しなどにしている業種も含まれるでしょう。

深夜営業が多い業種

夜間や深夜に営業している店舗や業種は、日中に営業している業種に比べると、営業時間や休業日数、勤務しているスタッフの人数などをごまかしやすいといえます。
掃除や棚卸しで休業していると見せかけて営業していたり、闇取引の温床として悪用されていたりする可能性も考えられるため、夜間や深夜営業の業種も調査対象にされやすいでしょう。

海外取引が多い業種

貿易取引や海外投資、外国料理や外国雑貨店など、海外との取引が多く発生する業種も、国税庁からマークされやすくなっています。
海外からの請求や海外送金といった取引は、基本的に消費税の課税対象となりません。そのため、消費税の納付逃れを目的としていないか、厳しくチェックされやすいのです。
特に消費税の納付義務が発生する売上1,000万円以上に近い事業者は、より狙われやすくなるでしょう。
また、経営者が外国籍で来日して間もないなどの場合、日本国内の税法に関して、正しい理解がないまま取引を続けている可能性が疑われるケースも考えられます。

アナログな会計処理を行っている業種

記帳や会計管理を手書きの帳面で行っていたり、申告書類や資料に手書きのものが多く含まれていたりする場合、業種を問わず狙われる場合もあります。
経営者や従業員の高齢化が進んでいる業種や、昔ながらの個人商店などに多く見られるケースで、顧問税理士をつけずに申告を続けている場合は注意が必要です。
法人税や所得税、相続税など、税法についてはこまめに改定が行われています。新しい税法や申告時の規定などに関する知識が古いと、間違った申告をしている可能性があるため、是正や指導の目的で税務調査対象となる場合があるでしょう。

比較的新しいビジネスに関わる業種

昔ながらの業種とは逆に、近年台頭してきた新しいビジネスモデルに関わる業種も、税務調査対象として狙われやすくなっています。
具体的には、民泊や業務委託のフードデリバリーなど、いわゆるシェアリングエコノミー事業に関わる業種や、暗号資産(仮想通過)、海外不動産投資といった事業が挙げられます。情熱をかけて正しくビジネスを行っている事業者がいる一方で、法の目をくぐった取引も横行しやすくなっているからです。
また、こうした新興事業は、開業や起業して間もないうちに急激に売上が伸びるケースも多くなります。税務調査による指摘で修正対象となる課税金額が大きくなる可能性が高い場合、国税庁も税務調査対象として力を入れやすくなるでしょう。

税務調査の対象となりやすい業種ランキング

上記をふまえたうえで、国税庁が発表している平成30年の統計から、不正が発覚した割合の高い業種をランキング形式で以下に紹介していきます。

1位:バー・クラブ

バーやクラブといった深夜に酒を提供する業種では、実に7割以上で申告の不正が発覚しています。こうした過去のデータがあるからこそ、国税庁でも力を入れて調査を続ける理由となっているのです。
もちろん、意図的に不正を行っていなくても、どんぶり勘定や入れ替わりの激しい従業員の給与管理漏れなど、単純なミスによる可能性も考えられるでしょう。

2位:外国料理店

外国料理店でも、半数近い割合で過去に不正が発覚しています。
外国料理店では海外取引の多さや、外国籍の経営者の知識不足といった点が挙げられます。

3位:大衆酒場・小料理屋

大衆酒場や小料理屋といった業種でも、ほぼ変わらない割合で不正が見つかっていることがわかっています。
大衆酒場や小料理屋では、「これくらいならバレないだろう」といった意識が働き、些細な不正が積み重なっているケースもあるでしょう。

4位:その他飲食店

その他飲食店でも、不正発覚の割合は4割を超えています。営業している件数の多さもありますが、飲食店全般に関わりのある事業者は注意した方がよいでしょう。

5位:自動車修理工場

自動車修理では、3割近くで不正が発覚しています。自動車修理では車という資産があるため、伝票を抜いてもお客様からの振込履歴などの後が残りやすい業種のため、調査対象とされやすいケースも多いでしょう

6位:土木建築業者

土木建築関連の事業でも、3割近い不正が見つかっています。土木建築事業では日雇いや請負場所がバラバラであるなど、人件費や取引先に関する点などに注意が必要です。
なお、7~10位は以下の通りです。
7位:パチンコ業
8位:職別土木建築工事
9位:一般土木建築工事
10位:管工事

1件あたりの不正額が大きい業種も要注意

輸入業や機械製造、レンタル業や再生資源に関わる業種などが、1件あたりの不正額が大きな業種として挙げられています。
上記ランキングに入らない業種でも、1件あたりの不正額が多額となる業種は、国税庁からマークされやすくなるでしょう。
参考サイト:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要

まとめ

国税庁では、過去の統計データから、不正が発覚しやすい業種や不正額が多額となりがちな業種を絞り、調査体制を強化しています。「これくらいはバレないだろう」「うちはちゃんとやっているから」と過信せず、心当たりがある場合は、しっかりとアドバイスが受けられる税理士へ、問題がないか1度相談してみることをおすすめします。



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太陽光発電事業者にも税務調査のメスが!?所得隠しによる追徴課税を受けないためには…

2023.07.14

ソーラーパネルを設置して太陽光発電を行う太陽光発電事業者が増えています。法人が事業として太陽光発電を行っている場合も、個人事業主として太陽光発電を行っている場合も、太陽光発電によって発電した電気を売り、利益を得ている場合には確定申告が必要です。
しかし、太陽光発電事業者の中には正しく申告をしていないケースが多くみられるようになってきため、昨今では太陽光発電事業者を対象とした大掛かりな税務調査が行われるようになっています。もし、売電による所得を申告せずに、適正な納税を行っていない場合は所得隠しと捉えられ、追徴課税が行われる可能性もあります。
今回は、太陽光発電事業者を対象とした税務調査の例と、税務調査時の注意点などについてご説明します。


太陽光発電事業者を対象とした税務調査の例

2011年の東日本大震災をきっかけに、太陽光発電への注目が高まり、太陽光発電事業者の数が一気に増えました。そのため、太陽光発電事業者を対象とした税務調査も多く行われるようになり、税務調査の結果として所得隠しや申告漏れが発覚した例は少なくありません。太陽光発電事業者の申告漏れ、脱税が発覚した主な例としては、以下のようなものがあります。


200社の太陽光発電事業者を対象とした税務調査で発覚した70億円の申告漏れ

2018年には、個人事業者も含む約200社の太陽光発電事業者を対象とした税務調査が行われました。税務調査により発覚した申告漏れの額は、なんと約70億円にも上るものでした。申告漏れの多くは、収入の一部を適切に計上せずに売上を低く装って所得を低く見せたり、実際には費用が発生していないにもかかわらず、架空の支払手数料を経費として計上して利益を圧縮したりといった手口が用いられていました。また、この税務調査では約70億円のうち約40億円が意図的な所得隠しとして認定されました。


太陽光発電事業者5社による30億円の所得隠し

2020年には太陽光発電事業を行う5社に税務調査が入り、4年間で約30億円もの所得隠しが行われていたことが発覚しました。経費を引いた課税対象額は約19億円であり、約6億円もの追徴課税が課せられました。


その他の太陽光発電事業者の脱税

このほかにも、太陽光発電設備の導入をめぐって架空の外注費を計上し、約1億3,000万円の脱税をしたとして告発された事件や、太陽光発電所の売電権を売却して得た所得を隠して、約1億4,400万円を脱税した疑いで起訴された事件など、太陽光発電をめぐる所得隠しや脱税事件が頻発しています。


太陽光発電事業者には税務署が目を光らせている可能性も

このように、太陽光発電事業者による所得隠しや脱税が後を絶たないことから、太陽光発電事業者は税務署から不正申告や脱税の多い業種であると認識されている可能性があります。太陽光発電事業を行い、利益を得ているようであれば、しっかりと確定申告を行い、正しく納税しなければなりません。税務調査が入り、現在お困りの方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務調査による追徴課税とは

先ほどご紹介した30億円もの所得隠しが発覚した2020年の事件では、6億円の追徴課税が課せられました。太陽光発電事業者だけでなく、申告すべき所得の額に誤りがあり、正しい納税が行われていなかったことが税務調査で発覚した場合には追徴課税が課せられます。
追徴課税とは、不足している税額分にペナルティとして科せられる延滞税や加算税を加えたものです。
延滞税は定められた期限までに納税しなかったことに対するペナルティで、納付期限の翌日から納付された日までの日数を元に計算されるものです。加算税は、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税の4つに分けられます。
脱税があったと税務署に判断された場合には、最も重い重加算税が課せられます。重加算税の税率は過少申告加算税・不納付加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%の税率で課されることになります。
このように、税務調査によって正しく申告していなかったことが発覚した場合には、本来の税額に不足している額を納めるだけでなく、さらにペナルティである延滞税や加算税を加えた追徴課税が課せられるのです。追徴課税には、納付期限の猶予はなく、一括ですぐに支払うことが求められます。


太陽光発電事業者に税務調査が入った場合のポイントは

太陽光発電事業者に税務調査が入った場合は、主に次の点を指摘されることが多くなっています。


太陽光発電システム導入時の付随費用の扱いについて

発電量が10kW以上の能力を持つ太陽光発電システムを導入している場合は、使用目的に関わらず太陽光発電システムは固定資産としてみなされます。また、発電量が10kW以下の住宅用太陽光発電システムを設置している場合は、屋根と一体型の太陽光発電システムは固定資産とみなされ、屋根と一体型ではないシステムは固定資産とはみなされません。
固定資産を計上する場合、太陽光発電システムだけでなく、太陽光パネルを設置するために行った整地費用など、太陽光発電システムの取得に付随した費用も資産として計上しなければなりません。太陽光発電システムの耐用年数は17年を適用するのが一般的であるため、太陽光発電システムの取得にかかった費用は17年にわたって、減価償却費として計上していくようになります。そのため、取得時に必要になった整地費用などを経費として処理してしまうと、経費に計上される額が多くなりすぎてしまい、経費を水増しした所得隠しと疑われる可能性があります。


まとめ

太陽光発電事業をめぐる脱税事件や所得漏れの事件が多く発生しており、税務署では積極的に太陽光発電事業者への税務調査を行っています。もしかしたら、税務調査の対象になるかもしれないとご不安になる場合もあるかもしれません。しかし一般的に、脱税の容疑などがかけられていない場合の税務調査は、事前通知が行われます。もし、税務署から税務調査の通知が入った場合は、税理士法人松本にご連絡ください。税務調査に詳しい税理士が、税務署からの質問などにも的確に対応させていただきます。



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税務調査で指摘されやすい経営コンサルタント料とは?

2023.07.14

所得を正しく申告し、税金を正しく納めているかの調査が行われる税務調査では、昨今、経営コンサルタント料について指摘されるケースが増えています。なぜ、経営コンサルタント料が税務調査で注目されやすいのでしょうか。また、経営コンサルタント料などで、経費の水増しが発覚した場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。
今回は経営コンサルタント料が税務調査で指摘されやすい理由と、経費の水増しが発覚した場合の対処法についてご説明します。架空のコンサルタント料がすでにある方はいますぐ税理士法人松本までお電話ください。



経営コンサルタントとは

経営コンサルタントとは、企業が抱える問題点を調査・分析し、解決に向けた提案を行うサービスを提供する法人または個人です。経営コンサルタントは、企業から依頼を受けてコンサルタント業務を引き受け、サービスを提供することで報酬(コンサルタント料)を得ます。
経営コンサルタントの業務としては経営戦略の見直し・策定、生産効率をアップさせるためのオペレーション業務の改善提案、新規事業の立案、資金調達や投資戦略、M&A戦略の立案など、多岐にわたっています。
経営コンサルタントは大手のコンサルティングファームと呼ばれる企業から、経営戦略や財務部門、マーケティング部門などに特化したコンサルタント会社、個人として経営コンサルタント業務を行っているフリーランスの経営コンサルタントまであり、その種類はさまざまです。


税務調査において経営コンサルタント料の指摘が増えている理由とは

所得税は売上から経費を差し引いた所得額に対して課税されます。そのため、売上を偽装して所得を少なく見せかけるケースや、経費を水増しして売上から差し引く経費の額を増やして所得を圧縮するケースなどが見受けられます。
税務調査においては、売上が正しく計上されているかの調査はもちろん、経費の水増しのために架空請求が行われていないかの厳しいチェックが行われます。
昨今、税務調査では経営コンサルタント料についての指摘がなされることが増えています。その理由は、コンサルタント料は商品の仕入れや什器・備品などを購入した場合と違って、支払いの対価として得た物品が残るわけではない点にあります。目に見えないコンサルタントというサービスであるため、請求書さえあれば経費として計上できてしまうのです。
知り合いの名前を借りて架空の経営コンサルタント契約を結び、架空の経営コンサルタント料の領収書を発行してもらう例なども出ています。また、赤字の会社を利用して、実際には何もしていないにも関わらず架空の経営コンサルタント料の請求書を発行してもらい、経営コンサルタント料を一旦支払った後に現金で経営コンサルタント料の一部を返金してもらうようなケースも出ています。赤字会社は業務を提供せずに経営コンサルタント料としてのお金を手に入れられ、発注側は経営コンサルタント料を経費として計上できるため所得を圧縮して税負担を抑えられます。このような架空の領収書の取引を指南する、いわゆる「B勘業者」と呼ばれる業者もあり、税務調査では経営コンサルタント料には目を光らせているのです。
経営コンサルタント料以外にも広告費やWebコンサルタント料、ITコンサルタント料など、物品ではなく形のないサービスに支払った経費があった場合には、税務調査で指摘を受けやすくなっています。すでに税務調査が入り指摘を受けている場合は税理士法人松本にご相談ください。



経営コンサルタント料についての確認事項

税務調査で経営コンサルタント料が調査官の目に留まった場合、次のような確認がなされることが多くなっています。
・どのような役務内容でコンサルタントを依頼したのでしょうか?
・どのような経緯で経営コンサルタントを依頼したのでしょうか?
・経営コンサルタント契約を示す契約書はありますか?
・経営コンサルタントから提出された報告書等はありますか?
・経営コンサルタントとの打ち合わせ時に使われた資料はありますか?
・経営コンサルタントによって、経営に具体的な効果はありましたか?
・経営コンサルタントの料金はどのように決定したのでしょうか?
・経営コンサルタント料は銀行振り込みで行っていますか?現金払いの場合、なぜ現金で支払ったのでしょうか?
経営コンサルタントが具体的にどのような業務を提供したのか、その内容については詳しく問われるはずです。また、口頭での回答だけでなく、経営コンサルタント契約を結んだ書類や、実際に経営コンサルタントが行われたことを証明するレポートなどの書類の提出も求められます。
加えて、経営コンサルタント会社の連絡先に電話をしたり、住所のある場所を訪問したり、法務局で該当する会社が登録されているかの確認を行ったりと、経営コンサルタント会社の実態を調べる調査も行われます。


経費の水増し目的で経営コンサルタント料を計上してしまった場合は

実際には発生していない経営コンサルタント料を計上して、経費を水増ししていたことが税務調査で発覚し、意図的に所得を低く見せかける行為であると判断された場合は、所得隠しを行ったとしてペナルティが科せられます。
経費の水増しをしていると、本来払うべき税金が不足していることになります。したがって、所得隠しを指摘された場合には修正申告を行い、正しい所得額を申告し直し、正しい額の納税を行わなければならなくなります。
また、所得隠しと認定された場合には、納税額を意図的に偽装したペナルティとして重加算税の支払いも命じられることとなります。重加算税は、修正申告によって計算された支払うべき納付税額の35%または40%という額になります。


まとめ

経営コンサルタントは、モノではなく形のないサービスの提供を受けるものであることから、経費の水増し目的に計上されやすい項目となっています。そのため、税務調査では経営コンサルタント料を指摘されるケースが多くあります。実際に経営コンサルタントを依頼し、適切なコンサルティングを受けている場合にも、経営コンサルタントの契約書や経営コンサルタント会社から提供された資料などを準備しておくようにしましょう。
もし、架空の経営コンサルタント料を計上し、経費の水増しをしていた場合に税務調査の通知が届いた際は、税理士法人松本にご相談ください。経験豊富な税理士が調査官からの質問にも代わりに対応しますので、安心です。どうぞお気軽にご連絡ください。


税務調査が多い個人のシステムエンジニアが気を付けるポイントとは?

2023.07.14

フリーランスとして活躍するシステムエンジニアが増えている一方で、システムエンジニアを対象とした税務調査も増えています。システムエンジニアが税務調査を受けた場合、どのような点を指摘されることが多いのでしょうか。
今回はフリーランスのシステムエンジニアが税務調査を受けやすい理由と、税務調査を受ける場合に気を付けたいポイントについてご説明します。 税務署より税務調査の連絡がきており、すぐに対応を依頼したい方は税理士法人松本までいますぐお電話ください。



システムエンジニアが税務調査を受けやすい理由

システムエンジニアは、税務調査を受けやすい業種であることをご存じでしょうか。国税庁では、事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種を発表しています。2018年に発表されたデータでは、申告漏れが高額な業種の第4位にシステムエンジニアが入っています。システムエンジニアの1件当たりの申告漏れ所得金額は1,365万円、1件当たりの追徴課税額は176万円となっています。
このようなことから、システムエンジニアは所得を正しく申告していないことが多い業種として認識されており、税務署からも目を付けられているのです。税務調査では、所得を正しく申告し、然るべき税金を正しく納めているかの調査を行います。申告漏れが少ないクリーンな業種を対象に税務調査を行うよりも、申告漏れが多い業種を対象に税務調査を行った方が不正を見つけ出しやすいことは明白です。したがって、申告漏れの多い業種であるフリーランスのシステムエンジニアは、税務調査の対象となってしまうことが多いのです。

フリーランスのシステムエンジニアが税務調査で困らないために、気を付けておきたいポイント

フリーランスのシステムエンジニアは税務調査の対象になりやすいことをご説明しました。普段から正しく売上を計上し、所得を申告していれば、税務調査を受けても困る必要はありません。フリーランスのシステムエンジニアが気を付けておきたい会計処理のポイントをご紹介します。

期限内に確定申告を行う

フリーランスのシステムエンジニアとして仕事をし、48万円を超える所得を得ている場合には確定申告をしなければなりません。会社員としての本業を持ち、副業としてフリーランスのシステムエンジニアをしている場合は、副業の所得が20万円を超える場合に確定申告が必要です。
確定申告をしていない場合、税務調査の対象となる確率が高くなります。昨年は確定申告をしていたのにもかかわらず、今年は確定申告をしていなかったことがきっかけで税務調査の対象となったケースもあります。また、クライアントに税務調査が入り、クライアントの取引履歴などからフリーランスのシステムエンジニアに対する報酬の支払いが判明し、システムエンジニアに対して税務調査が行われたというケースもあります。
確定申告をしていないことが税務調査で発覚した場合、本来の納税額の支払いはもちろん、ペナルティとして無申告加算税や延滞税なども支払わなければならなくなります。また、確定申告の場合は、前年の所得にかかる所得税を2月16日から3月15日までの間に納付することが求められ、納付までに1ヶ月の猶予が与えられます。しかし、無申告による追徴課税が行われると、本来納めるべき所得税額に無申告加算税、延滞税を加えた税額を、申告書の提出日にまとめて一度に納めなければならなくなります。

売上を正しく計上する

売上を過少に申告すると、その分所得が低くなるため課せられる税金の額も低くなります。売上の計上時期を操作したり、売上額を減らしたりする行為は脱税行為となります。売上は原則、取引が発生した時点で計上しなければなりません。

売上が1,000万円を超えた場合、消費税の納税義務が生じる

売上が1,000万円を超えるフリーランスのシステムエンジニアは消費税の課税事業者に該当し、所得税や住民税のほか、消費税も納税しなければなりません。フリーランスのシステムエンジニアの中には、消費税の納税を免れようと売上を1,000万円以下に調整しようとする人がいます。しかし、税務署ではシステムエンジニアにこのような売上調整をしようとする人が多いという事実も把握しており、年収1,000万円以下で確定申告しているシステムエンジニアは税務調査の対象として選ばれやすい傾向にあります。 税務調査対応にお困りになっている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



経費を正しく計上する

フリーランスの場合、仕事のために支払った費用とプライベートで支払った費用を混同して経費に計上してしまうケースがあります。例えばクライアントの打ち合わせをするために必要となった移動の交通費は経費として計上できますが、プライベートな用事で出かけるために使った交通費は経費とはなりません。また、仕事で必要になった書籍や筆記用具などは経費として計上できますが、仕事と関係のない書籍や文房具などの購入費用は経費にはなりません。
とくに、交際費としてプライベートな飲食代を計上しているようなケースは注意が必要です。税務調査では売上の計上漏れについても厳しくチェックされますが、経費が適正に計上されているかも細かくチェックされます。
経費であることを証明するために、領収書などを月ごとに分けて整理しておきましょう。

まとめ

残念なことにフリーランスのシステムエンジニアの申告漏れは多く、このような事情から不正が多い業種としてみなされ、フリーランスのシステムエンジニアは税務調査の対象に選ばれやすくなっています。
売上が1,000万円を超えると、所得税と住民税以外に消費税の納付義務が発生します。そのため、フリーランスのシステムエンジニアの中には売上を操作して1,000万円以下に見せかけ、消費税の納税を免れようと考える人が少なくありません。しかし、税務署ではそのようなフリーランスのシステムエンジニアの傾向も把握しており、年収900万円台のシステムエンジニアは税務調査の対象に選ばれるケースが多くなっています。
もし、確定申告をしていなかったり、正しく所得額を申告していなかったりといった場合には、ペナルティが科せられる可能性があります。心あたりがある場合は、税理士法人松本までご相談ください。税務調査の前に自主的に申告を行うことでペナルティが軽減される可能性もありますので、お気軽にお問い合わせください。


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