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不動産業者に入る税務調査とは?追徴課税を受けないための対策を税理士が解説

2023.07.14

不動産業者には、住宅やマンションの売買を主に行う不動産販売会社、賃貸の仲介を主にしている不動産仲介会社、賃貸物件や分譲マンションの管理業務を主に行う不動産管理会社などがあります。
これらの不動産業者も、他の業種と同様に税務調査を受ける可能性があります。もし、税務調査が行われた場合、不動産業者ではどのようなポイントをチェックされやすいのでしょうか。
不動産業者に入る税務調査の特徴と、追徴課税を受けないための対策について解説いたします。 税務署より連絡があり、税務調査対応をご希望の方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



不動産業者が税務調査でチェックを受けやすいポイント

不動産仲介・管理会社の場合

不動産の仲介をしたことで得られる報酬に仲介手数料があります。不動産仲介会社では、この仲介手数料が売上となります。土地や建物の売買、賃貸借を仲介して得た仲介手数料は、原則として引き渡しが完了した日に計上します。ただし慣例によって、売買契約が成立した日と引き渡し日の2回に分けて仲介手数料が支払われる場合は、売買契約締結時に受け取った仲介手数料はそのときに売上として計上し、引き渡し日に受け取った残りの仲介手数料は引き渡し日に売上として計上します。不動産仲介会社の税務調査では、売上計上日についてチェックをされるケースが多くなっています。仲介手数料の売上計上時期のルールをしっかりと確認しておきましょう。
また、同族会社の場合は管理料を高く設定している場合があります。家賃収入に対する管理料の相場は5%~10%程度だと言われています。あまりに高い割合を管理料としている場合は、管理の実態が調査され、管理料の割合について是正を求められます。

不動産販売会社の場合

不動産販売会社の場合、販売用として保有している不動産は棚卸資産として分類されます。建売住宅を販売する場合、住宅を建てるために購入した土地の購入費用は、売却が完了するまで支出として計上することができません。売却前に土地の購入費用を経費として処理してしまうと、税務調査時に指摘を受けることになります。土地の入手時期と売却完了時期の決算期がずれている場合には注意が必要です。
その他、次のような項目も不動産業者の税務調査時にはチェックをされることが多くなっています。

・現金の管理状況

現金出納帳と現金残高額にズレがないか、不審な入出金が行われていないかなどについてチェックが行われます。現金での取引をできるだけ避け、金融機関を通した取引を行うようにすることをおすすめします。

・売上の管理状況

家賃などの入金が月をまたいでいる場合の売上が正しく計上されているかのチェックも行われます。

・帳簿と帳票類が合っているか

請求書や領収書などの帳票と帳簿の数字に整合性があるかのチェックもなされるため、月別に分けて保管しておくとよいでしょう。

・プライベートな費用が経費として計上されていないか

同族の不動産業者の場合は特に、社長や家族などのプライベートな飲食代や物品購入代などが交際費などとして計上されていないかなど、プライベートな費用の計上がないかのチェックがなされます。業務に関わりのないところで発生した費用は、経費に計上することはできません。

・人件費が適切な金額となっているか

実際には雇用していないにも関わらず、経費を水増しするために架空の人件費を計上していないかもチェックされるポイントです。また、源泉徴収も適正に行っているかも確認されます。
また、青色申告を行う個人事業主と生計を一にする配偶者や、その他の親族に支払う人件費は事前に届出を行うと、他の従業員の給与と区別し、青色事業専従者給与として扱うことができます。青色事業専従者給与の額は全額、経費として計上することが可能です。そのため、同族会社の場合、経費を増やして所得を圧縮するために、青色事業専従者の給与が適切な額に設定されていない場合があります。税務調査時には青色事業専従者の実働時間や担当業務について細かなチェックが行われます。従業員同様にタイムカードなどを準備して出勤の実態を示す記録を残したり、青色事業専従者が担当した業務の記録をとったりして、担当している業務の内容と就業時間を証明できるようにしておきましょう。

不動産投資家も税務調査の対象に

本業を別に持ちながら、賃貸経営や不動産売買などの不動産投資を行って家賃収入や売買益を得ている不動産投資家も、税務調査の対象となることを忘れてはいけません。不動産投資家が税務調査でチェックされるポイントは、売上の計上が漏れていないかと経費を適正に計上しているかの2点です。
売買益を得たときには正しい時期に売上を計上しているか、家賃収入を得ている場合には家賃が正しく計上されているかがチェックされます。もし家賃が滞納されている場合でも、所有する不動産に賃借人がいれば、滞納家賃分に関しても毎月売上に計上しなければなりません。
また、不動産投資家の場合、プライベートな費用を経費として計上しているケースもあり、交際費などの内容についても細かな確認が行われます。

不動産業者が追徴課税を受けないためには

税務調査によって、売上の計上漏れや経費の水増しなどが発覚した場合、修正申告が求められ、不足分の税額にペナルティ分の税額を加えた追徴課税がなされる可能性があります。
追徴課税を避けるためには、日頃から売上を正しく計上し、適正に経費も処理することが大切です。
しかしながら、税務調査の通知が入ると、たとえ正しく会計処理をしているはずでも不安になる場合も少なくありません。また、正しい知識を持っていなかったことで誤った処理をしている可能性もあります。税理士法人松本には、不動産業界の税務調査に詳しい税理士が在籍しています。税務調査の通知が届いた場合には、ぜひお気軽に税理士法人松本にご相談ください。税務調査当日にも税理士が立ち会い、調査官からの質問にも税理士が代わりに対応することができます。お気軽にお問い合わせください。


まとめ

不動産仲介会社や不動産管理会社、不動産販売会社、そして不動産投資家など、不動産業に関連する会社や個人の税務調査では、売上の計上時期に誤りがないか、正しく売上が計上されているかについて細かくチェックがなされます。また、同族会社が多い業界であることからプライベートな費用が経費として計上されていないか、働いている実態がないにも関わらず青色事業専従者の給与を不正に計上していないかなどについても細かく指摘されるケースが多くなっています。
税務調査によって不正が発覚すると、本来支払うべき額の税金に加えて、過少申告加算税や延滞税などの追徴課税が行われる可能性があります。税務調査にご不安がある場合、または税務調査の通知が届いた場合は、ぜひお気軽に税理士法人松本にご相談ください。


建設業の税務調査で押さえておくべきポイントとは?

2023.07.13

建設業は、税務調査が入りやすい業種の1つです。建設業に税務調査が入りやすい理由としては、建設業の会計処理方法が他の業種とは異なり、独自の方法で行われていること、また曖昧な会計処理を行っている会社が多いことなどが関係していると考えられています。
建設業の税務調査では、どのような点の指摘を受けやすいのでしょうか。
今回は、建設業の税務調査におけるポイントをご紹介します。 これから税務調査が入り、税理士の立ち会いを依頼したい方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



建設業の売上計上までの流れとは

建設業の税務調査では、正しく申告しているかを確認するために、売上を計上するまでの流れをチェックされます。建設業が代金を獲得するまでには、複数の段階があります。税務調査では、このそれぞれの段階において、お金の動きを正しく表す書面や記録が残っているかを細かく確認し、不正な申告が行われていないか、申告されている所得額に問題がないかを調査していきます。
建設業が売上を立てるまでの主な流れは、以下のとおりです。
1. 工事の見積書を発行する
2. 発注者から工事の注文書を受領する
3. 工事の注文請負書を発行する
4. 工事請負契約書を作成し、契約を締結する
5. 工事を開始する
6. 工事完了後、引き渡しを行う
7. 工事代金の請求書を発行する
8. 発注者から工事代金が支払われる

建設工事の売上を計上するタイミングは、6の工事完了後のタイミングです。
(※一部引き渡しや工事が長期間になるため、上記とは異なる計上基準がいくつか存在します。)
売上を計上する際に、特に注意しなければならないのが未成工事支出金です。未成工事支出金とは、まだ完成していない工事にかかった材料費や外注費などの費用のことです。建設業では、工事に長い時間がかかります。注文を受けて、工事を開始してもその年度に工事が完了しないことも度々あるため、他の業種のように1年で業績を計算しにくいという特徴があります。したがって、建設業では工事が会計年度の前に完了していない場合、工事にかかった費用は未成工事支出金として次年度に繰り越すことになるのです。

建設業の税務調査で指摘されやすいポイント

建設業の税務調査で指摘されやすいポイントには、次のようなものがあります。

・未成工事支出金を損金に計上していないか

先ほど説明したように、まだ終わっていない工事にかかった材料費や外注費などの費用である未成工事支出金は、工事を開始した年度中に損金で落とすことはできません。工事原価は、工事が完了し、引き渡しを終えてから損金として計上できるものです。しかしながら、建設業者の中には未成工事支出金を工事開始事業年度に合わせて計上している場合があります。未成工事支出金が計上されると、売上から差し引くことができる経費が多くなるため、利益操作につながるとみなされます。そのため、建設業の税務調査では、まだ工事が終わっていないにもかかわらず、工事原価が今期の損金として計上されていないかのチェックが行われます。

・売上を引き渡しのタイミングで計上しているか

建設業において、売上は引き渡しのタイミングで計上するものです。決算期日ギリギリに工事が終わり、実際には翌期に請求書を発行したとしても、売上自体は引き渡しの日時で計上しなければなりません。反対に、工事が完了して引き渡しをしているにもかかわらず、請求書を発行していないケースも注意が必要です。
また、追加工事が行われた場合も、売上は本体工事の完了時に計上しなければなりません。追加工事が完了したタイミングで売上を計上した場合、利益を少なく見せかけ、課税額を抑えるための操作をしたとみなされる可能性があります。
建設業の税務調査では、売上のタイミングについても書類を確認しながらチェックされることが多くなります。正しく売上を計上していることを証明するためには、請求書の発行日だけでなく、工事完了日や引き渡しの日付も明確に記録し、すぐに確認できるようにしておきましょう。

・従業員に支払った人件費を外注費として計上していないか

建設業の税務調査では、外注費もチェックされやすいポイントです。外注費とは、本来、会社外の法人や個人と業務請負契約を結んだ際に相手方に支払われる費用です。
しかし、建設業の会社の中には、雇用契約を結んだ従業員に支払う給与を外注費として計上している場合があります。給与として計上した場合、給与には消費税はかかりませんが、外注費として計上すると、外注費には消費税がかかります。支払った消費税分は自社が納める消費税額から差し引くことができるようになっています。税金として納める消費税を抑えることができるため、本来は給与として計上すべき費用を外注費と計上している会社があるのです。
このような場合は、税務調査において消費税が追徴課税され、所得税の源泉徴収漏れが指摘されるでしょう。

・プライベートな費用を経費扱いにしていないか

建設業者の中には、社長がプライベートで楽しんだ飲食費用やゴルフ費用を経費として計上している場合があります。また、プライベートで使用する物品の購入費用を交際費として計上しているケースもあります。
経費として計上できる費用は、事業に関連して使用した費用のみです。プライベートな用途に用いる物品の購入や遊興費は、経費には計上できません。特に中小企業や家族経営の建設業者などでは、社長や役員の経費が曖昧になっている場合があり、税務調査ではこの点も細かく指摘されやすいポイントです。

まとめ

建設業は、税務調査が入りやすい業種だと言われています。建設業の税務調査では、未成工事支出金を次年度の損金として計上しているか、売上計上のタイミングを工事完了日に合わせているか、給与を外注費として計上していないか、プライベートな出費を経費として計上していないかの4つのポイントが指摘されやすい傾向にあります。建設業の会計は、複雑でありかつ独特な方法で行われますが、税務調査で指摘されやすいポイントをしっかりと押さえ、日頃から正しく帳簿付けを行うようにしましょう。
また、税務調査の通知が入った場合は、税理士法人松本までお気軽にご相談ください。建設業界の税務調査に詳しい担当者が税務調査に立ち会い、税務署の調査官の指摘にも的確に対応させていただきます。



卸売業、小売業の税務調査は売上の計上漏れや棚卸資産計上がチェックされやすい!?

2023.07.13

卸売業者は、生産者から仕入れた商品を小売業者に販売し、小売業者は生産者や卸売業者から仕入れた商品を消費者に販売します。いずれも仕入れた材料を加工して販売するのではなく、商品と仕入れたものをそのまま加工することなく販売するという共通点があります。
そのため、卸売業と小売業では仕入れ、売上、在庫である棚卸資産の関係はわかりやすいという特徴があります。卸売業・小売業の税務調査では売上の計上漏れ、棚卸資産の計上が適正に行われているかという点がチェックされやすいポイントとなっています。
今回は、卸売業・小売業の税務調査の特徴についてご説明します。 すでに税務調査が入っている方は税理士法人松本までいますぐお電話ください。



卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいポイント①売上の計上漏れ

卸売業・小売業の税務調査でまずチェックをされやすいポイントが、売上の計上漏れです。売上の計上漏れがあり、売上額を過少に申告している場合にはそれだけ所得額が少なくなり、課せられる税金も少なくなります。そのため、卸売業・小売業に限らず、どの業種においても売上の計上漏れは、税務調査において厳しくチェックされます。
卸売業・小売業の税務調査における売上の計上漏れのチェックには次のような特徴があります。


<卸売業の場合>

卸売業の場合は、法人税事業概況説明書に月々の売上と仕入れ額が記載されています。税務調査が行われる際、調査官はこれらのデータを使って原価率を算出します。原価率は、売上原価を売上高で割ることで簡単に算出することができます。もし、売上が正しく計上されていない月があった場合、売上が少ない分、その月の原価率は高くなるため、売上を過少に申告したのではないかと疑いをもたれる可能性があります。


<小売業の場合>

小売業では、現金で取引が行われることが多いため、売上を低く計上しようと思えば容易に売上を操作できてしまいます。そのため、小売業の税務調査では売上の計上漏れを細かくチェックします。POSレジを導入している場合は、POSレジのデータが帳簿上のものと一致しているかどうかのチェックがなされます。
また、小売業ではポイントカードなどによる割引を実施しているケースもあり、ポイントによる割引をした場合の売上処理が正しく行われているかについても、税務調査ではチェックされやすいポイントです。


卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいポイント②棚卸資産計上

卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいポイントの2つ目は、棚卸資産計上が適正に行われているかどうかという点です。棚卸資産とは一般的にいう在庫のことであり、卸売業・小売業では、販売するために保有している商品在庫が棚卸資産に該当します。


期末の棚卸資産について

売れた商品の仕入れにかかった費用である売上原価は、会計上、費用として計上されます。売上原価の計算式は次のように表すことができます。
売上原価=期首の棚卸資産+当期商品仕入れ高-期末棚卸資産
会計上では、売上と売上原価は同じ期に計上する必要があります。もし、商品を仕入れたものの売り切れずに期末に在庫として残ってしまった場合は期末の棚卸資産として扱い、その分は仕入れ高に計上することはできません。もし、期末の棚卸資産分を仕入れ高に計上してしまうと、売上原価は高くなります。つまり、経費として計上する額が多くなり、不正に会計処理をしているとみなされる可能性があります。
期末の棚卸資産を正しく計上しているかは、税務調査時に確認される可能性が高いポイントです。棚卸伝票とのチェックが行われる場合もあるため、税務調査の前には棚卸伝票と在庫の数量も差異がないか確認しておきましょう。


卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいその他のポイント

卸売業・小売業の税務調査では、売上の計上漏れがないか、棚卸資産計上が正しく行われているかの2点について細かくチェックが行われる可能性が高くなります。また、この2点のポイント以外にも卸売業・小売業の税務調査では次のようなポイントがチェックされやすくなります。


・広告宣伝費を適正に計上しているか

小売業の場合、広告宣伝に多額の費用をかけている場合も多く、正しく計上しているかどうかのチェックが行われます。


・システムやアプリの費用を適正に計上しているか

卸売業・小売業では、売上や在庫の管理などにシステムやアプリを導入していることが多いでしょう。システムの導入費用や入れ替えを行った際の費用、システム維持のための費用などが適正に計上されているかどうかも税務調査で指摘されやすいポイントです。


・倉庫や店舗の増設・出店などに関わる費用を適正に計上しているか

卸売業では新たに倉庫を建設したり、小売業では新たな店舗を開設したり、既存店舗の改装を行ったりすることがあります。これらにかかった費用を適切に計上しているかという点についても、税務調査ではチェックされやすくなります。


まとめ

卸売業・小売業では、仕入れた商品を加工せずにそのまま販売するために、仕入れ、売上、棚卸資産(在庫)の関係性がわかりやすいという特徴があります。卸売業・小売業を対象にした税務調査では、売上の計上漏れがないか、棚卸資産の計上が適正であるかについて、細かくチェックをされることが多くなっています。
税務調査によって、売上の計上漏れや棚卸資産の計上ミスなどで所得を過少に申告していたことが発覚する可能性もあります。納入すべき税額を本来よりも少なく申告した場合は、違反行為として過少申告加算税の支払いが科せられる場合があります。
税務調査が行われる際には、税務署から事前の通知が行われることが一般的です。税理士法人松本では、卸売業・小売業の税務調査に詳しい税理士が税務調査当日に立ち会い、調査官の質問にも適切に対応しています。もし、税務署から通知が来た場合には、早めに税理士法人松本までご連絡ください。



収入をごまかしている一人親方に税務調査はやって来る!

2023.07.13

収入をごまかし、実際よりも安い収入で確定申告すれば、それだけ納めるべき税金の額も減らせます。そのため一人親方の中には、収入を正しく申告していない方も少なからずいるようです。税務署では、納税者が正しく納税を行っているかどうかを調べるために税務調査を行っています。収入をごまかしていれば、いずれ税務署から疑いの目を向けられ、一人親方も税務調査の対象になる可能性があります。収入をごまかしていることが税務調査でバレた場合、どのようなことが起きるのでしょうか。
今回は、なぜ収入をごまかしている一人親方に税務調査が来るのか、そして不正がバレた場合にどのようなペナルティが発生するのかについてご説明します。 すでに税務署より税務調査の連絡がきており、自身での対応では難しいと考えている方は税理士法人松本までお電話ください。



収入をごまかしている一人親方が税務調査の対象になる理由

一人親方は個人事業主です。会社に所属しているわけではないため、自分で1年間の収入と経費を計算して確定申告をしなければなりません。自分自身が申告を行うため、やろうと思えば簡単に収入を低く申告したり、経費を多く申告したりして所得額を低く見せかけることができてしまいます。しかし、税務署はさまざまな面から情報を収集しているため、いつまでも不正な申告を続けることは不可能です。一人親方の不正は次のような経緯でバレることが多くなっています。


一人親方は税務調査の対象となりやすい傾向に

国税庁が発表している「事業所得を有する個人の1件あたりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」の中には、土木工事やタイル工事、冷暖房設備工事など一人親方に関連する複数の業種が含まれています。したがって、一人親方に関連する業種は不正が行われやすい業種として税務署からマークされているのです。


依頼主の調査から発覚する

一人親方が仕事をする際には必ず依頼主がいるはずです。依頼主が支払ったお金について申告をしていれば、一人親方に報酬が支払われたことが判明します。依頼主側から報酬を支払った申告がされているにもかかわらず、一人親方からの申告がない場合、申告漏れがあると疑われるでしょう。


第三者からのリーク

一人親方が収入をごまかしているという情報を掴んでいる何者かが、その情報を税務署にリークする場合もあります。所得を正しく申告し、正しく納税している人が、収入をごまかして納税逃れをしている人に対して良くない印象を抱くのは当然のことでしょう。第三者による税務署への情報提供は、思っている以上に多いのです。


資産状況からバレる

税務署は、調査対象者の資産状況を調査することができます。所得申告は少ないものの銀行口座に多額の金が入金されていたり、高額な不動産を購入していたりする場合などは、税務調査の対象となるでしょう。


一人親方の税務調査で指摘されることが多いポイントとは

一人親方が税務調査を受けた場合、指摘されやすいポイントは次のとおりです。


売上を正しく計上しているか

収入をごまかす場合、売上を正しく計上せずに、実際よりも低い金額を計上したり、実際には受け取っている報酬があるにもかかわらず、売上には計上していなかったりといった不正が行われる可能性があります。
税務調査では、取引先へ発行した請求書や入金の状況などを精査しながら、売上に不正がないかのチェックが行われます。


消費税の納税逃れのために売上を調整していないか

売上が1,000万円を超えると、一人親方であっても消費税の課税事業者に該当します。消費税が課税されることを避けるために、売上高を1,000万円以下に調整する人もいます。そのため、売上が本当に1,000万円を超えていないのかについて、取引先に調査に行くなどの反面調査が行われる場合があります。売上が1,000万円超えているが、消費税を払いたくないので売上を抜いて申告している場合は税理士法人松本までまずはご相談ください。



経費を正しく計上しているか

所得をごまかす方法には、売上を過少に申告する方法のほかに経費を水増しして計上する方法があります。プライベートで使用した車の移動にかかったガソリン代や、仕事とは関係のない会合で使用した飲食代などは、経費に計上することはできません。税務調査では、経費の正当性についても細かくチェックが行われます。


税務調査で不正が発覚した場合に一人親方に科せられるペナルティとは

税務調査で一人親方が収入をごまかしていたことが発覚した場合は、次のようなペナルティが科せられます。


無申告加算税

無申告加算税とは確定申告を期限内にしなかった場合に科せられるペナルティです。無申告加算税の税額は、納付すべき税額が50万円までは15%、50万円を超える部分については20%となっています。
ただし、申告期限を過ぎていた場合でも税務調査の前に自主的に申告を行うと、無申告加算税の税額が5%~10%に軽減されます。


過少申告加算税

収入や経費をごまかし、本来の所得額よりも少ない金額を申告した場合には、過少申告加算税が課せられます。過少申告加算税は、不足していた税額の10~15%となります。ただし税務調査よりも前に自主的に修正申告を行った場合は、過少申告加算税は課せられません。


重加算税

意図的に収入をごまかし、その額が多く、悪質性が高いと判断された場合は重加算税が課せられます。重加算税は、納付税額の35%または40%に該当する額となります。加算税の中ではもっとも重いペナルティです。


延滞税

期限までに納税しなかったことに対するペナルティとして課せられる税金です。原則として、納付期限の翌日から2か月までの間は年7.3%、その後は14.6%の割合で課税されます。


まとめ

収入をごまかし、納税額を低く抑えようとしている一人親方には、税務調査が入る可能性があります。特に消費税逃れをしようと売上を1,000万円以下に調整しているケースが多く、年収が900万円台の一人親方は税務調査の対象になりやすい傾向があります。
2023年10月から新たにインボイス制度が開始されます。インボイス制度では、消費税の免税事業者はインボイスの発行ができなくなります。そのため消費税課税業者と取引をする際にはインボイスの発行を求められる可能性があり、消費税課税業者として登録した場合、年間売上が1,000万円以下の事業者の場合であっても、消費税を申告納税しなければなりません。
過去の確定申告で正しく申告してこなかった場合は、税務調査の前に自主申告を行うとペナルティが軽減されます。確定申告や今後の税務調査に不安を感じるような場合は、税理士法人松本までお気軽にご相談ください。一人親方の税務調査にも詳しい税理士が適切なアドバイスを行います。


税務調査に入られる確率が高い個人事業主の所得はいくらからなの?

2023.07.08

「個人事業主は税務調査に入られる確率が少ない」と耳にすることがあります。裏を返せば、個人事業主でも税務調査がやって来る可能性は十分にあると言えるでしょう。 ここでは、所得がいくらになれば個人事業主でも税務調査を受ける確率が高まるのか、また税務調査に入られやすい個人事業主の特徴などについて解説しています。 すでに税務調査が入っている個人事業主の方はいますぐ税理士法人松本までご相談ください。



個人事業主へ実施される税務調査の割合は?

まずは、毎年行われている税務調査のデータや割合をもとに、個人事業主への税務調査の実態について見ていきましょう。

国税庁では法人の3%程度に税務調査を実施

国税庁では、所得税の申告件数や消費税に関する税務調査を実施した件数などについて、毎年データを公表しています。 所得税や相続税、消費税など簡易調査を合わせると、例年60万件ほどの税務調査が実施されており、税務調査が実施される確率は「実調率」から読み取ることが可能です。 平成28年度の法人税に対する実調率は3.2%となっており、法人に対しては、3%程度の割合で税務調査が行なわれたことがわかります。

個人事業主への税務調査の割合は?

一方、個人事業主が主な対象となる所得税についての実調率は1.1%となっており、個人事業主へは1%ほどの割合で税務調査が行われたことになります。 この1%の数字を皆さん高いと思いますか、低いと思いますか。
例えば、テレアポの成功率は0.1~10%未満だと言われており、テレアポ初心者~中級者レベルだと0.1~2%程度とのことです。 皆さんも営業の電話を受けて、少しだけ話を聞いてみようかなと思ったことはありませんか。その確率と同じ割合だと思うと、自分に税務調査は来ないだろうと考えてしまうのはとても危険だと思われたことでしょう。
ただし、これはあくまで申告されたものに対しての実調率となっており、申告自体をしていない無申告事業者への調査などは別途実施されていると考えると、データに上がらない税務調査の割合はもう少し高くなると考えられます。

税務署では特定の事業者をマークしている

平成30年の申告所得税件数は2,222万件となっており、税務署の職員や調査にあたる担当者の数には限りがあります。 そのため、申告件数すべてについて、税務署が同等の調査を実施するのは困難なものです。一定の条件に基づいてピックアップされた事業者に対して、より詳しい調査が行われていると考えるのが現実的でしょう。
では、どのような条件に該当する個人事業主が税務調査の対象となりやすいのでしょうか。 すでに税務調査が入っている方はこちらよりお電話ください。お近くの拠点よりお電話させていただきます。



税務署はどんな事業所への調査に力を入れている?

税務署は税務調査の目的として、以下のような点を重視しています。

海外との取引が多い

海外取引を多く行っている事業者は、消費税に対して適正な取引となっているかが注目されやすくなっています。 資産を隠す目的で海外へ移していないか、税金を回避するために国外で設立した会社を利用していないかなど、税金逃れを目的とした不正の取り締まりを強化しているようです。

シェアリングエコノミーに関わっている

民泊事業やフードデリバリー請負など、近年台頭しているシェアリングエコノミーに関わる事業についても、税務署では実態の把握に力を入れています。 適正な届出がなされているか、課税や記帳に関して正しく管理されているかといった観点で、是正の意味合いも含めて調査対象とする事例も多いようです。

富裕層への対応

税務調査を実施するには、数日かけて担当者を派遣して資料をチェックするなど、税務署の方でも手間と時間をある程度かける必要があります。 修正申告や追徴課税の額が大きくなりそうな事業者ほど、税務署としては積極的に調査したいと考えるのが現実であるともいえるでしょう。 多額の資産を保有していたり、急激に売り上げが伸びていたりする事業者などに対しては、大都市圏で専用のチームを設置して調査にあたっているようです。

無申告事業者の把握

計上ミスや修正申告といった申告済みの事業者だけでなく、そもそも申告自体をしていない事業者の把握についても、税務署では強化しています。 何年も無申告となっている事業者の場合、悪質性が認められれば、最大で7年分も遡って課税できるほか、重加算税などの重い追徴課税の対象とできるからです。



税務調査の対象となりやすい個人事業主の特徴は?

上記をふまえると、税務調査の対象となりやすい個人事業主には、以下のような特徴があると考えられます。

起業・開業後3年以上が経過している

起業や開業後経過した年月が長くなるほど、税務調査の対象となる確率は高まります。数年経過して気の緩みがないか、会計処理を間違ったまま理解していないかといった点以外に、原則として最低3年までは遡って調査できる点も無関係ではないでしょう。
もちろん、3年が経過する前に税務調査が入るケースもあれば、10年以上調査の対象とならないケースもあります。
とはいえ、開業後3年が経過していたら、過去の申告や資料などについて、改めてチェックしてみるとよいでしょう。

売上高が1,000万円を超える

売上高が1,000万円を超えると、個人事業主であっても消費税の納付義務が発生します。1,000万円以上が所得税の課税対象となると同時に、消費税についても調査対象となるため、税務調査に入られる確率は高まるでしょう。
また、1,000万円に少し満たない額での申告が続いている事業者についても、実際は消費税の納付義務があるのではないか、という観点から、調査の対象となりやすくなると予想されます。

海外投資やシェアリングエコノミーに関連する売上が多い

海外との取引といえば、従来までは輸出入や不動産投資などが主な事業となっていましたが、近年ではオンラインを利用して、さまざまな業種で海外取引が利用されています。 民泊事業やデリバリーの請負などで海外の企業と収支の取引がある暗号資産などの取引で、急激に大きな利益が出ているといった場合には、適正な申告ができているかを把握する目的で調査対象となる可能性もあるでしょう。

無申告事業者

無申告である実態は金融機関への情報照会や取引先への税務調査で発覚するほか、第三者からの密告などで判明することも多いものです。
これまで無申告を続けてきた場合は、本当に申告の必要がないのかも含めて、税理士などの専門家へ相談してみることをおすすめします。

税務調査に入られない対策も大切

ずっと無申告状態の場合は早急に確定申告を

ずっと無申告を続けていたけど「結婚することになり状況が変わった」「確定申告書控えの提出を求められた」「副業先に税務調査が入った」など、年齢を重ねるにつれ、環境が変化していきます。
また、2023年10月からはインボイス制度も始まります。インボイス制度が始まるにあたり、1000万円以上もらっている売上先から適格請求書発行事業者の登録番号を求められることもあります。このまま無申告を続けず、適切に確定申告を行いましょう。
期限後申告をすべて自分で行うのが不安な方は期限後申告もまとめて対応できる税理士法人松本までお気軽にご相談ください。


適正な経費計上を心がける

架空経費や外注費の計上はしていませんか。架空経費は重加算税の対象になる可能性が極めて高い内容です。早急に修正申告をし、加算税の負担を最小限に抑えるようにしましょう。
個人事業主は、仕事とプライベートの境目があいまいになりがちです。税務調査において、個人的な費用が経費に計上されていないかチェックされます。 住んでいる自宅の家賃を全額経費計上したり、プライベートと兼用で乗っている車両の費用やガソリン代も全額経費にしている方も見受けられます。 プライベートと兼用の場合は全額を経費計上することができず、一部を経費計上したい場合は、プライベートと事業の比率を合理的な基準により計算することが必要です。
税務調査で質問された時に困らないよう、家事按分比率を適切に定め、経費計上できる経費、できない経費をしっかり把握し、適正な申告を行うようにしましょう。

意外と大事な税理士署名

確定申告書に税理士の署名がある個人事業主の場合は、税理士の署名がない申告書を提出している個人事業主よりも税務調査が入りにくいと言われています。
理由としては、税理士が署名をしているということは、意図的な脱税の可能性が低く、申告内容のミスや申告漏れが少ないと税務署に判断されるためです。 要するに専門家のお墨付きがある確定申告書という見方をされるわけです。 だからと言って、税理士の署名があるから税務調査が絶対に入らないわけではありません。

まとめ

個人事業主が税務調査に入られる確率は全体としては多くはありませんが、所得税の課税対象となる売上が1,000万円に近いか、それ以上の場合は調査対象となる確率が高まります。 それ以外にも、税務調査に入られやすい特徴で挙げた点に心当たりがある場合は、税理士事務所などでアドバイスを受けてみるのがよいでしょう。

こちらの記事は幻冬舎GOLD ONLINEにも掲載されております。


脱税はバレる?脱税するとどうなる?その後の流れについて解説

2023.07.05

脱税や所得隠しというと、映画やドラマなどで大手企業や富裕層に国税庁の調査が入るイメージがあります。しかし、こうしたセンセーショナルなものでなくても、税務署から調査が入って申告漏れや脱税を指摘されるケースは多いのです。
ここでは、脱税や所得隠し、申告漏れなどが発覚する経緯や、その後の流れなどについて解説しています。 税務署から申告漏れや架空経費について指摘されている方は税理士法人松本までご相談ください。



脱税や所得隠し、申告漏れがバレてしまう理由は?

税務署内では、過去に調査対象とした膨大な脱税や所得隠しのデータを蓄積しています。ちょっとした隠ぺい工作などが簡単にバレてしまうのはこのためです。脱税や申告漏れ、所得隠しなどがバレやすい手口として、以下のようなものが挙げられます。

売上計上日の操作

決算月に計上するべき売上を意図的に翌月へ繰り越したり、納品書や請求書の日付をずらしたりといった行為は、売上の不正操作が疑われやすいものです。
金融機関への入出金状況や運送会社などへの履歴確認と併せて、取引先の調査などからも、日付の操作は発覚します。
金額が大きかったり、決算に関連する月に日付の相違があったりする場合、単純な入力ミスや思い違いなのか、意図的な操作なのかについて、税務調査で更に詳しく調べられることとなるでしょう。

売上額の過少申告

実際は営業していたのに休業していたように見せかける、営業時間を短く偽り、売上額を少なく計上するといった行為も、税務署の調査対象となれば発覚しやすいものです。
税務署では、調査対象となった店舗の営業時間を確認する目的で顧客として潜入したり、仕入れと実際の在庫との相違をチェックしたりするなど、さまざまな手法で隠ぺいや帳簿操作を暴くのです。

現金取引や海外取引が多い業者はチェックが厳しくなることも

銀行やクレジットカードなどの履歴に残らない現金による取引や、消費税の対象とならない海外取引を多く行っている事業者も注意が必要です。税務署では、こうした取引に対して税務調査の対象とすることが多く、チェックもより厳しいものになります。
取引先の企業が税務調査対象となって発覚するケースや、第三者からの通報、密告によって調査が始まるケースなどもあるため、不正を行ないやすい取引であるほど、正しい申告が重要だと考えた方がよいでしょう。

こうした取引以外にも、架空の接待費や交通費の計上、生活費の経費計上といった些細な不正でも、ひとたび税務調査が入れば指摘を受けて修正申告となり、追徴課税の対象となるケースもあります。
では、申告自体をしていない「無申告」の場合でも、税務調査の連絡が来るケースはあるのでしょうか。

税務署は無申告の事業者をどうやって調査している?

無申告の事業者について、税務署では以下のような手法で把握に努めています。

取引先への調査

自分自身は無申告で営業を続けていても、仕入れや売上を申告している取引先があれば、そこからの情報をもとに調査の手が伸びるケースもあります。
個人・法人を問わず、取引先が税務調査を受ければ、取引の際に交わした契約書類や個人情報をもとに、無申告の可能性がありそうな業者を洗い出すこともできるでしょう。

タレコミ・密告など

第三者によるタレコミや密告で、無申告が見つかるケースも少なくありません。恨みを買うような心当たりがなかったとしても、申告していないことをどこかでうっかり口に出していれば、ひそかに快く思わない人が通報する可能性もあります。
税務署でも、すべてのタレコミや密告に関して、平等に時間をかけて調査するわけではありません。中には、偽の情報やいわゆる「ガセネタ」が含まれている可能性もあるからです。
しかし、過去の蓄積されたモデルケースから可能性の高いタレコミを見分けて、調査対象とされてしまえば、かなり細かい部分まで調べられてしまうでしょう。
金融機関や役所に限らず、携帯電話や公共料金、住宅の契約・支払状況まで、税務署はあらゆる機関へ情報提供を求めることが可能です。
1度の無申告であれば、事業者に何らかの事情があって申告が遅れている可能性も考えられます。無申告の状態を何年も続けているほど、調査の対象となる可能性は年々高まると考えるべきでしょう。

税務署に脱税・申告漏れ・所得隠しがバレた場合はどうなる?

無申告や脱税、所得隠しなどが税務署にバレると、多くの場合以下のような流れを取ることとなります。

税務調査の連絡が入る

映画やドラマなどで、突然何の連絡もなく国税の査察官が調査にやって来るシーンを目にすることがありますが、多くの税務調査では、個人・法人を問わず事前に税務署より連絡を受けるケースがほとんどです。
事前連絡では税務調査で訪問したい旨を伝えられ、都合の良い日程についても、ある程度調整してもらうことができます。
税務署でも「訪問したのに担当者不在で調査が進まなかった」「資料が不足していて訪問が無駄になった」という事態は避けたいと考えています。調査自体を拒否することはできませんが、1週間程度であれば、過去の申告をチェックしたり、税理士などへ相談したりする猶予も作ることができるでしょう。

税務調査に要する期間は数日程度

税務調査で訪問を受ける期間は、3日前後であるのが一般的です。税務調査の担当者が2~3名で事務所を訪れ、パソコンや過去の請求書といった資料をチェックするほか、通帳やクレジットカードの明細なども確認されることがあります。
この間、通常の営業や取引に支障が出るケースもあるため、日程調整をしてもらえる場合は、繁忙期を避けるようにするとよいでしょう。

連絡なしに突然調査が入るケースもある

税務調査は事前の連絡があるのが基本とはいえ、中には突然調査員がやって来るケースもゼロではありません。
こうした場合、税務署ではかなりの確立で多額の脱税が行われていると考える証拠を掴んでいる事が多く、証拠隠滅を防ぐために連絡なく調査に訪れます。こうした調査では修正申告に加え、重い追徴課税は免れないと考えた方がよいでしょう。

まとめ

たとえ脱税や申告もれ、所得隠しについて税務署が把握していたとしても、勘違いや計算ミスといった可能性もあるため、正しい納税を指導する目的で調査が行われるケースが多いものです。
とはいえ、調査を受けてから課税されれば、通常よりも多くの税金を納めなければならなくなります。過去の申告書類で不安な点がある場合は、税務調査対応に実績を持つ税理士事務所の無料相談などを受けてみるとよいでしょう。




廃業後でも税務調査が来るって本当?どう対策すればいいの?

2023.06.28

会社が既に廃業後であっても、税務調査が来る可能性はあるのでしょうか。個人事業主が法人化した後に来る税務調査で、個人事業についての税務調査の対象となる可能性について気になる方も多いでしょう。
ここでは、廃業後に税務調査が来る可能性や、廃業後に必要となる手続きについてわかりやすく解説しています。税務調査の対策についても紹介していますので、廃業後の税務調査についての基礎知識としてお役立てください。廃業後に税務署より税務調査の連絡がきた方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



廃業後でも確定申告は必要なの?

「廃業したのだから、確定申告は必要ないだろう」と考えがちですが、以下のようなケースでは、廃業後であっても確定申告が必要となります。

廃業した年度が黒字だった場合

会社や事業を廃業する場合、一般的には経営不振であったり、大きな損失が出たりといった赤字計上が原因となることが多いものです。
しかし、赤字になっていないのに廃業するケースもあります。体調不良や経営者の高齢化、後継者の不在といった理由で廃業する場合もあるでしょう。
税務上で赤字となっている場合、廃業後に税申告する必要は基本的にはありませんが、廃業した年度が黒字だった場合は申告・納税が必要となります。

赤字でも申告が必要となるケース

廃業した年度が赤字でも、確定申告が必要となるケースが実はあります。会計的には赤字であったとしても、税法上で黒字となっていれば、申告しなければならないからです。
各種控除や繰越など、廃業した年が税法上黒字となるかどうかは、実際に申告する準備をしてみないと判断がつかないことも多いでしょう。

廃業後に税務調査が来ることはある?

たとえ廃業後であっても、以下のような理由から税務調査が来る可能性はあります。

廃業による不正を防ぐため

税務調査は廃業の有無に関わらず、どのような事業者のもとにもやって来る可能性があると考えるべきです。「廃業すれば税務調査は行われない」となれば、大きな黒字を上げた後に即廃業しようと考える業者も出てくるでしょう。
こうした不正を防ぐ目的もあり、廃業後であっても税務調査が来る可能性は少なくないのです。

法人化する前の個人事業分が無申告であった場合

個人事業主として営んでいた事業が拡大するなどして、どこかのタイミングで法人化する場合もあるでしょう。
法人化すると、申告時期は決算月から2ヵ月以内となり、通常の確定申告の時期とは異なります。
法人化して会社としての申告はしていても、それ以前に個人事業主として確定申告をする必要があった場合に、これを見落としていて無申告となっていると、税務調査で指摘されることとなるでしょう。
個人事業を廃業して法人化した場合であっても、税法上確定申告が必要な所得が出ていれば、申告しなければならないのです。

会社廃業後の申告が適切でなかった場合

個人事業の確定申告だけでなく、会社を廃業した場合の申告が適切でなかった場合も、税務調査の対象となりやすいでしょう。
会社を廃業した場合、通常の申告時期とは異なり、会社の清算処理時が確定申告のタイミングです。
廃業後の申告時期がズレている、または無申告状態となっていれば、適正な申告をするよう指導するのも税務調査の目的となります。
減価償却や廃業時経費計上など、適切な申告となっていないケースも調査されやすくなるでしょう。

廃業後の税務調査に備えて取るべき対策は?

会社や個人事業を廃業後に税務調査が来ることに備え、以下のような対策をとっておくようにしましょう。

帳簿や書類を7~10年は保管しておく

廃業後は、事業に関する書類やデータをすっきり処分したくなるかもしれません。しかし、廃業後に税務調査が来る可能性を考え、法で定められた期間中は書類を保管しておいた方がよいでしょう。
書類を保管するべき年数については、個人事業主であれば5~7年、法人であれば7~10年となっています。
これらの年数は「保管義務」として、法律で定められており、税務調査においても、最大で保管義務のある年数まで遡って調査対象となることもあるのです。
売上や仕入・経費に関連する書類は漏れや抜けのないようにして、科目や月別に整理して廃業後も大切に保管しておくようにしましょう。

無申告期間に気づいたら早急に申告する

廃業後に無申告となっている期間があることに気づいたら、できるだけ早めに申告することが大切です。
確定申告には毎年期限が設けられていますが、期限を過ぎていても申告は可能です。期限までに申告しなかったことで、延滞税や無申告加算税などは課せられる場合がありますが、無申告のまま税務調査が入り、追徴課税を受けることに比べれば軽いものとなります。
無申告の期間がないようにするのはもちろんですが、過去の申告に間違いがないかも念のためチェックしておきましょう。
必要であれば税理士へ相談するなどして修正申告することで、税務調査で指摘を受けるリスクや、税務調査そのものの対象となるリスクを減らすことができるでしょう。

廃業時の手続きや処理に困ったら税理士へ相談しよう

廃業時には、精算手続きのほかにも、廃業時にのみ必要となる会計上の処理などがあります。税法上で赤字となるかどうかの見極めや、個人事業主を廃業して法人化する際の手続きについても、思わぬ誤解やミスで税務調査の対象となるケースは少なくありません。
「廃業後であっても税務調査は来る」という前提で適切に申告・納税ができるよう、不安な点があれば税務調査のサポートに強い税理士事務所へ相談して進めましょう。



まとめ

廃業後であっても確定申告が必要なケースがあり、知らないばかりに無申告となっていたり、申告した内容に誤りがあったりすれば、廃業後に税務調査がやって来る可能性は高まります。
個人事業を廃業する場合も、会社を廃業する場合も、書類は大切に保管し、適正申告・適正納税することが大切です。
脱税行為や所得隠しといった不正がない点を説明できれば、税務調査がやって来ても安心して対応することができるでしょう。
不安な場合は起業や廃業、税務調査などの取扱実績がある税理士事務所の無料相談などを利用し、最後までしっかりと事業を締めくくりたいものです。

隠し口座はバレない?税務署はどこまで銀行口座を調べるのか

2023.06.10

税務署は事業者が持っている銀行口座について、どこまで調べることができるのでしょうか。税務調査で通帳を見せるように言われるケースなどもありますが、隠し口座がバレたり、個人口座の情報を事前に知られる可能性はあるのでしょうか。
ここでは、税務署が銀行口座を調べる方法や、税務調査を受けた際の対処法などについて解説しています。税務署から連絡がきて、自分自身ではどうしたらよいかわからない方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



税務署はどうやって銀行口座を調べるのか?

税務署では、税務調査で事業者や個人事業主に直接通帳や口座についての情報を聞き出す以外に、銀行口座を調べることはできるのでしょうか。

税務署は銀行へ税務調査への協力要請ができる

税務署では、銀行や信用金庫などの金融機関に対して、税務調査の目的で情報提供への協力を要請することが可能です。
調査対象とする事業者や個人事業主が持っている口座の番号や入出金状況、口座の開設年月日やクレジットカードの利用状況など、かなり細かな個人情報まで入手できるようになっています。

税務署の協力要請は金融機関に限らない

税務署が協力を要請できる機関は、金融機関に限りません。市町村の役場や電力会社、水道局や携帯電話の事業所など、幅広い機関において個人情報を照会することが可能です。
今まで1度も確定申告を行ったことがない場合でも、住民票や家族構成、借入状況やいくつ口座を持っていて、残高がどのくらいかといった情報まで、税務署は把握できるのです。

取引先の税務調査で調査対象となる場合も

税務署が特定の事業者を調査対象とした場合、あらゆる機関への協力要請によって、隠せる情報はほとんどないと言ってよい程調べ上げることが可能です。
調査対象となるきっかけとして、取引先の税務調査によって銀行の入出金履歴が閲覧され、そこで取引のある事業者としてマークされて調査対象となるケースもあります。

このように、一度税務署から税務調査の対象事業者とされてしまえば、隠し口座があったとしてもあっさりと洗い出されてしまうと考えておいた方がよいでしょう。

税務調査で通帳を見せるように言われた場合の対処法は?

税務調査に来られた際に、税務署の担当者から「通帳を見せてください」と言われることがあります。この時には、どのような対処をすればよいのでしょうか。

事業と関連性のない口座であれば提示を拒否できる

たとえ税務調査の対象となっている場合であっても、原則として事業と関連のない通帳や口座については、提示するように言われても拒否することができます。
「〇〇の取引について、事業用の口座以外で入出金を行っていないか確認したい」と言われたとしても、事業と切り離して完全にプライベートな口座としてのみ使用している通帳であれば、見せる必要性がないからです。
不正をはたらいていない事を証明するためにあえて提示する、という方法もありますが、事業と関連していると疑われる正当な根拠が税務署から示されない限りは、提示を拒否できることは押さえておくとよいでしょう。

事前に何らかの証拠を掴まれているケースもある

ただし、税務署では税務調査の協力要請という形で、あらゆる機関で調査対象者の情報を閲覧することが可能です。
「個人の通帳を事業用に使用していないか確認したい」と言いつつ、実際には既に何らかの証拠を掴んだうえで調査に訪れている可能性もあります。
もし隠し口座として使っているような通帳などがある場合、提示を拒否すれば隠ぺいや脱税の疑いを持たれ、重加算税などの追徴課税対象となる可能性があるため、税務署に隠せる情報はないと考えておいた方がよいでしょう。

本当に事業と関連がない通帳か確認することが大切

「個人名義でプライベートに使用している口座で、事業には使っていない」と思っている口座であっても、知らず知らずのうちに事業用として使ってしまっている、というケースも考えられます。
現金取引の仕入れに必要な資金を個人の通帳から引き出している、個人で契約している賃貸物件を事業用に使い、その家賃の引き落としを個人口座から行っている、といったような場合、事業用の費用と生活費がごっちゃになってしまっているため、税務調査で指摘を受ければ通帳を見せなければなりません。
重要なのは、個人の名義か屋号、会社の名義であるかではなく、事業用として使用した履歴があるかどうかです。
税務調査でチェックされるのは過去3年間、問題が見つかった場合は5年間まで遡って取引を調査されるため、事業に関連した収支の履歴が本当にないかどうかをよく確認するようにしましょう。

税務調査の対応に困った時はどうすればいい?

「不正を行っているつもりはないが、間違えていないとは言い切れない」「税務署から何か聞かれた時に、毅然と対応できる自信がない」といった場合はどうすればよいのでしょうか。

税務調査の連絡が来た時点から対処しても遅くない

税務調査を受ける際には、よほど悪質であるとみなされる問題を税務署が事前に押さえているケースでない限り、基本的には税務調査にやって来る前に事前連絡があります。
1~2週間、場合によっては1ヵ月以上先など、訪問日の調整にも対応してくれることが多いものです。その間に帳簿や申告書類をチェックして、もし間違いや計上漏れなどが判明した場合は、税務調査の前に自主的に修正申告をしてしまった方が、追徴課税を軽くできる可能性が高まります。

不安なら税理士にアドバイスを依頼しよう

税務調査の連絡が来てから過去の申告をチェックしても遅くはないとはいえ、余裕のある状態でしっかりとチェックした方がよいのは言うまでもありません。
税理士の中でも得意な分野がそれぞれあり、日々の帳簿管理を依頼している税理士であっても、税務調査への対応や対策には精通していない場合もあるのです。
これまで税務調査を受けたことがない人や、以前税務調査を受けた際に指摘を受けて修正申告した過去がある人は、一度税務調査に強い税理士事務所の無料相談などを利用してみましょう。税理士法人松本でのLINEと無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。



まとめ

税務署では、税務調査の対象とした事業者であれば、調査目的であらゆる機関へ情報提供の協力要請をすることが可能です。個人の口座で行われている入出金履歴はもちろん、戸籍や借り入れ、公共料金や携帯電話の支払い状況など、隠し通せる情報はほとんどありません。
税務調査で間違いを指摘されて追徴課税を受ける前に、税務調査の対応に強い税理士などへ相談し、適正な申告ができる機会にすることをおすすめします。

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税務調査が不安な保険代理店様へ。税務署が見てくるポイントと対策

2023.06.09

税務調査は税務署による調査で、確定申告が正しく行われているかについての細かなチェックが行われます。もし、税務調査で申告漏れなどが発覚した場合には修正申告が求められ、追徴課税が課せられます。保険代理店は、個人代理店や小規模の代理店も多く、税理士と顧問税理士契約を結んでいるケースは多くないはずです。そのため、税務調査が入った場合の対応法についてご不安を抱いている保険代理店様も少なくありません。
そこで今回は、保険代理店を対象とした税務調査で調査官から指摘を受けやすいポイントについてご説明します。 税務調査が入り、ご不安な思いを抱えている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



保険代理店の税務調査でチェックされやすいポイント

保険代理店の税務調査では、次のような点を見られることが多くなっています。


売上計上のタイミングと計上漏れ

保険代理店の場合、商品は生命保険や医療保険、損害保険などの保険商品です。売上は保険商品の手数料収入になりますが、取り扱う商品が多ければ多いほど、その処理は複雑になるでしょう。
保険代理店の業務は、保険加入者と保険会社の間に立ち、さまざまなサービスを提供することです。保険の加入希望者が保険に加入する際には、加入希望者から保険契約書を受け取り、それを保険会社に送付し、保険会社が処理することで加入手続きが完了し、保険の契約が成立します。したがって、保険契約の開始日が手数料収入の確定日であり、売上の計上日も保険契約の開始日となることに注意しましょう。
また、売上が漏れなく計上されているかも税務調査ではチェックされるポイントです。保険会社からは毎月手数料の明細が発行されているはずです。明細と入金の口座を照合し、計上の漏れがないかを確認しておきましょう。


紹介料の取り扱いについて

保険代理店の場合、提携している不動産会社や取引先などから保険契約者の紹介を受けるケースがあるでしょう。保険契約者の紹介を受け、保険が成約した場合、紹介者に手数料として紹介料を支払うケースがあります。
個人に支払う紹介料は、次の3つの要件を満たさない限り、支払手数料として処理することはできません。
・紹介料が予め締結された契約に基づくものであること
・紹介料を受けるための役務の内容が契約で具体的に明らかにされており、その契約に基づいた役務の提供がなされていること
・紹介料の額が、提供を受けた役務の内容の対価として相当な金額であること
支払手数料として処理できない紹介料は、交際費として取り扱うことになります。
保険代理店の税務調査では、紹介料を適切に計上しているかの点についても細かくチェックがなされます。


リベートを支払っていないか

保険料を割引する行為やキャッシュバックをする行為などは、法律で禁止されています。しかしながら、大口契約をすることで割引やリベートの支払いを求められるケースもあります。帳簿や領収書の内容を照合し、リベートを支払っていないかといった点も税務調査ではチェックされやすいポイントです。


経費の水増しをしていないか

経費を水増しすれば、売上から差し引く経費の額が増えるため、課税額を低く見せかけることができます。そのため、納税者の中には経費の水増しをしているケースも少なくありません。保険代理店の場合、プライベートな飲食費を交際費として計上していないか、プライベートで使用する目的の電化製品などを経費として計上していないかなどのチェックが行われます。また、小規模の事業者の場合、実際には業務に従事していない人に給与を支払っているように見せかける架空人件費の計上をしているケースもあります。比較的規模の小さな事業者が多い保険代理店でも、人件費の計上については厳しくチェックされるでしょう。


税務調査の前にできる対策とは

税務調査が入っても、売上を漏れなく計上し、経費も正しく計上していれば何も恐れることはありません。しかし、保険代理店様の場合、紹介料の取り扱いなどに不安を感じるケースが多いのではないでしょうか。
税務調査を行うのは、税務署に所属する調査官です。帳簿や書類を隅々までチェックして細かな部分の矛盾も見つけ出します。もし、税務調査で申告内容に問題があり、修正申告が必要であると指摘された場合には、不足分の税額の納付だけでなく、ペナルティとして過少申告税の納付も求められます。
しかし、税務調査に入る前に自主的に修正申告を行った場合は、過少申告税の加算は免除されます。税務署から税務調査に入る旨の事前通知を受けた後に自主的に修正申告を行った場合は、過少申告税の免除は適用されませんが、税率が軽減されるというメリットがあります。税務調査の事前通知を受け、税務調査に不安を感じているようであれば、早めに税理士に相談することをおすすめします。


税務調査に強い税理士法人松本とは

税理士法人松本は、国税OBの税理士も多数所属している税務調査のエキスパート集団です。保険代理店様を対象とした税務調査にも対応した経験があり、保険代理店様の税務調査をスムーズに終わらせるためのノウハウも保有しています。
税理士にも専門分野があり、税理士だからと言ってすべての税理士が税務調査に詳しいわけではありません。税務調査の対応を依頼するのであれば、税務調査の実績が豊富な税理士に相談することをおすすめします。
また、税理士の中には顧問税理士契約を結ばなければ税務調査に対応していないところもあります。小規模の保険代理店様の場合、顧問税理士契約までは必要ないけれど、税務調査の対応だけを依頼したいというニーズもあるでしょう。税理士法人松本では、このような声にもお応えし、税務調査のみの依頼にも対応しております。



まとめ

保険代理店に対する税務調査では、売上の計上のタイミングや人件費等の水増し、そしてリベートや紹介料の取り扱いについて指摘がなされるケースが多くなっています。税務調査の当日には、調査官から不審点などについて質問がなされます。専門用語を多用する質問は、内容を理解するのも難しいこともあるでしょう。しかし、税理士が税務調査時に立ち会えば、調査官からの質問にうまく回答できない場合でも、すかさずサポートをしてもらえるでしょう。また、申告内容に不安があるようであれば、事前に修正申告を行うことで過少申告加算税が軽減される可能性があります。
税理士法人松本は、保険代理店様の税務調査対応にも豊富な実績を誇っています。初回の相談は無料で承っておりますので、是非お気軽にご相談ください。



民商の担当者が税務調査に立ち会う場合の問題とは

2023.06.05

自営業やフリーランスの方の中には、民商の会員になっていらっしゃる方や民商への加入を検討されている方もいらっしゃるでしょう。民商では経営に関連するさまざまな相談を受け付けており、小規模な事業を営んでいる方にとっては心強い存在です。税務調査の際は、民商の担当者が立ち会うケースもあるようですが、税務調査に関する対応に関しては、税理士だけができる税理士業務というものがあります。
今回は、民商の担当者が税務調査に立ち会う際の問題点についてご説明します。 すでに税務調査が入り、お困りの方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



民商とは

民商とは、民主商工会の略で、自営業者や小規模企業、フリーランスなどの小規模事業者が支え合い、営業と暮らしを守る団体です。全都道府県に約600もの事務所があり、16万人もの事業主が加入しています。
民商は、次の3つを理念に掲げており、融資や経営の相談、決算や申告についての相談などを受け付けています。

・民商・全商連運動は会員の利益・幸せだけでなく、中小業者全体、大きくは国民全体の幸福とつながっている。要求と活動方法が道理に合ったものであったからこそ、さまざまな権力的攻撃の中で一貫して前進している。
・団結こそ何ものにも勝る宝である。みずからが大きく団結したときこそ、中小業者の切実な要求を実現することができる。
・中小業者は共通する要求で、労働者、農民などの国民各層とともにたたかうならば、その要求実現の道をさらに大きく切り開くことができる。


民商の税務調査についての10の心得

民商では不当な税務調査を許さないとし、税務調査について10の心得を説いています。その内容は、自主申告は納税者の基本権利であり、事前通知のない調査の場合はその理由を確認すること、調査日時の都合がつかない場合は変更ができること、承諾なしの反面調査は断ること、信頼できる立会人を税務調査に立ち会わせることなどです。


民商の税務調査の立ち会いの問題点

民商は、確定申告についての相談も受け付けており、小規模の事業者にとっては何でも相談できる心強い組織でしょう。しかし、税務調査についての10の心得の中にもあるように、民商では税務調査時には信頼できる立会人を立ち会わせることとしており、この点が問題になるケースがあります。


税理士業務を行えるのは、税理士又は税理士法人だけ

民商の中には、税理士の方が会員となっているケースもあるでしょう。税理士資格を有する人が税務調査に立ち会うことは何ら問題ありませんが、税理士資格のない人が税務調査に立ち会うことは法律に違反する可能性があるのです。
税理士法第2条では、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の事務を行うことを税理士業務として規定しています。さらに、税理士法第52条では税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行ってはならないと規定し、税理士又は税理士法人以外の人が税理士業務を行うことを原則として禁止しているのです。


税務調査の民商の担当者の、立ち会いの可否判断は、調査官に委ねられている

税理士業務は、税理士又は税理士法人だけに許可されている業務です。そして、税務調査には原則として経営者や経理を担当する責任者などの社内の人間と税理士の立ち会いのみが許されています。
税務調査では企業秘密となるような内容や個人事業主の個人の経歴や家族構成など、詳細な内容についても調査が行われます。したがって、税務調査に第三者が立ち会うと、納税者や事業に関連する情報が外部に漏れてしまう可能性があるのです。そのため、税務調査に民商の担当者など、第三者が立ち会えるかどうかについては納税者の同意が必要ですが、さらに税務調査での守秘義務の責任は調査官に課せられているという問題があります。
すなわち、税務調査官が税理士以外の第三者の立ち会いを拒否した場合、民商の担当者であっても税務調査には立ち会うことができないのです。


税理士業務を行えるのは税理士又は税理士法人のみ

繰り返しになりますが、税理士法上、税理士業務を行えるのは税理士と税理士法人に限定されています。したがって、たとえ調査官が民商の担当者の、調査への同席を認めた場合であっても、税務調査時に第三者である民商の担当者が納税者の代わりに発言したり、交渉をしたりすることは禁じられています。
税務調査時に納税者の意見を代理で主張したり、納税者の代わりに調査官と折衝したりできるのは、税理士と税理士法人だけなのです。民商の税務調査についての10の心得の中には、税務調査には信頼できる立会人をとありますが、税理士業務に同席ではなく、立ち会い、意見を主張できるのは税理士又は税理士法人でなければならないことを覚えておきましょう。


税務調査にお悩みなら税理士法人松本にご相談を

民商に加入している小規模事業者の方は、さまざまな悩み事を相談でき、民商の会員であることのメリットを感じている方も多くいらっしゃることでしょう。しかしながら、税務調査の立ち会いに関しては、民商の心得のように信頼できる立会人であっても、税理士資格のない人を立ち会わせることはできないのです。
税務調査にお悩みであれば、ぜひ、税務調査対応の実績豊富な税理士法人松本までお気軽にご相談ください。



納税者に寄り添う税務調査対応を行います

税理士法人松本には、国税庁OBの税理士も在籍し、税務調査をスムーズに終えるためのノウハウを保有しています。税務調査当日には立ち会いも行い、納税者の主張をしっかりと調査官に伝え、調査官と納税者の双方が納得できる折衝を行っています。調査官から厳しい指摘が行われた場合も担当税理士がしっかりとフォローしますのでご安心ください。


顧問税理士契約を結ぶ必要はありません

税理士の中には、顧問税理士契約を結ばなければ税務調査に対応しないというスタンスのところもあります。しかし、税理士法人松本では、顧問税理士契約を結んでいないお客様の税務調査にも対応しています。税務調査が終了した後に、無理に顧問税理士契約を求めることもありません。


初回の電話相談は無料です

当法人は税務調査に強い税理士法人ですが、初めての税理士法人に税務調査の依頼をすることに不安を感じるお客様も多くいらっしゃいます。そのため税理士法人松本では、初回の電話相談は無料で承っております。ぜひお気軽にお問い合わせいただき、お問い合わせ時の対応から信頼に値するかどうかご判断いただければと思います。


まとめ

民商は、小規模事業者の営業と暮らしを守る団体です。会員になれば経営上のさまざまな問題の相談をすることができ、頼りになる組織でしょう。
しかしながら、税務調査時には税理士又は税理士法人以外の第三者の立ち会いは禁止されています。税務調査をスムーズに終わらせたい場合は、税理士に相談することをおすすめします。
税理士法人松本では初回のご相談を無料で承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。



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